
ファッション
未来をつくる手が「過去」を掘り起こす。 5人のデザイナーが密かに通う古着店と、初夏の「発掘品」|#100人の外遊び
2026.05.19
新しい服や靴を創造し続けるデザイナーは、なぜ今、古着に惹かれるのか。バンコクのヴィンテージショップから池尻の名店まで、5人のクリエイターが足繁く通う「行きつけ」を公開。
B-15CやLEVI’S 501、希少なバンドTシャツなど、プロの審美眼で掘り起こされた古着・発掘品の数々。つくり手としての感性が共鳴した一着と、それを現代的に着こなすための流儀を聞いた。大人の外遊びを彩るヴィンテージ・ログ。
Text:Takanori Ito
#01
涼しい夜、Tシャツに羽織りたい稀少なグリーンのビーチクロス
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株式会社フルカウント 代表
辻田幹晴さん
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1966年生まれ、大阪出身。1992年フルカウントを立ち上げ、2026年で34年目、直営2店舗、卸先は国内約80店舗、海外約200店舗にて展開。
Instagram:@fullcount_official
【行きつけ古着屋DATA】よく行く古着屋を2つほど紹介させてもらうと、一つ目はタイ・バンコクのバンスージャンクションというショッピングセンターの中にある「PEPPERSALT Vintage(ペッパーソルト ヴィンテージ)」です。良質なヴィンテージや希少なバンドTシャツなどが揃うバンコクで人気のお店です。もうひとつは大阪の「magnets(マグネッツ)」です。アメ村にお店を構え、特に質の高いヴィンテージミリタリーが豊富に揃う老舗店として、ヴィンテージ愛好家からの人気が高いお店です
【最近の発掘アイテム】
ヴィンテージの
BROWN'S BEACH(ブラウンズビーチ)
JACKET
「BROWN’S BEACH独自のマテリアルである『ビーチクロス』のなかでも珍しいグリーンのジャケット(ファスナーは破損していますが……)。田舎暮らしなので、今の時期、夜出かける際にT-shirtsの上に羽織ってジーパンやチノと合わせるだけで良いアイテムです」
コーディネート例
#02
恵比寿で掘り起こす、60sオンブレチェックの風格
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北原信也さん (sunny inc. 代表)
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2004年、sunny inc.を設立。アメリカンビンテージのアーカイブからインスパイアされたブランド「SUNNY SPORTS/TOWN CRAFT」を展開。2009年、東京・恵比寿にコンセプトショップ「C.E.L STORE」を出店すると、そこから他店展開に広がり現在に至る。
Instagram:@celstore
offshore tokyo主宰の的場良平氏
【行きつけ古着屋DATA】東京・恵比寿にあるoffshore tokyo(オフショア トウキョウ)です。古着屋とギャラリーの要素が合わさったような店で、さまざまなアーティストが個展を開きアートスペースとして使用する期間と、offshore tokyo主宰の的場良平氏がテーマに合わせて1点1点丁寧にハンドピックしたVINTAGEが並ぶ時があり、定期的に顔を出しています
【最近の発掘アイテム】
TOWN CRAFT
1960’s オンブレチェックシャツ
「TOWN CRAFT は1940年から1990年代にかけてゼネラルストアのストアブランドとしてアメリカで広く展開されていたブランドです。このアイテムは1960年代のものでコンディションもかなり良いです」
#03
出張先で直感買いした、強烈インパクトのバンドT
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masterkey(マスターキー)デザイナー
イシバシトモヒロ
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1974年生まれ、デザイン・パターンメイキング・SAMPLEの制作までこなすデザイナー兼職人。服飾の学校には行かず、縫製の現場で学んだ現場力を武器に、縫製工場さんでは嫌がるような非効率なリメイクアイテムや、異素材ミックスの洋服を自社生産で製作している。その非効率な作業やクラフトワークを「洋服の価値」として、「生活に必要な洋服」ではなく「人生を豊かにする楽しい洋服」を提案している。
Instagram:@masterkey.jp
【行きつけ古着屋DATA】決まって行くような古着屋はないのですが、出張先の古着屋でお土産的な要素でTシャツを買います。IRON MAIDEN(アイアン・メイデン)やRush(ラッシュ)などのバンドTシャツやアートTシャツなど、お気に入りは出張先でふらっと立ち寄った古着屋で見つけたものです
【最近の発掘アイテム】
IRON MAIDEN(アイアン・メイデン)の
バンドT
「オーバーオールに合わせるなど、プリントを全面に見せるというよりは、インパクトが強いイラストをちらりと見せて合わせることで、馴染ませるようにしています」
コーディネート例
#04
池尻の名店で選ぶ、洗練されたブラックデニムの流儀
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株式会社FAM 代表取締役 YOAKデザイナー
広本 敦
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1979年生まれ。大手メーカーや商社でキャリアを積んだ後、2016年に独立し、自身のブランド「YOAK(ヨーク)」を立ち上げる。シャツやジャケットに合わせた洗練されたデザインの靴を展開し、オンラインストアをはじめ、伊勢丹メンズ館やユナイテッドアローズなど、国内外の主要店舗で取り扱われている。また、製作だけでなくブランディングにも注力し、自身が経営する「FAM Co., Ltd.」では、自社ブランドの構築に加え、他社のブランド戦略や製作支援を手掛けるなど、多角的な視点で価値を創出している。
Instagram:@yoaktokyo
【行きつけ古着屋DATA】東京 池尻にあるHAg-Le(ハグレ)です。淡島通り沿いのバス停の前にポツンとあるというロケーションもよく、1960年代〜1970年代あたりのヴィンテージが多く、そのピックや古着のセレクトに独自性があり、ファッション界隈の人たちにも人気のお店です
【最近の発掘アイテム】
Levi's501BLACK(used)
「古着の『LEVI’S 501』をベースにしたスタイルです。お出かけの際は、長時間の移動やアクティブな動きにも対応できるよう、自然とデニムスタイルを選ぶことが多いのですが、ラフになりすぎないよう意識しています。
そのため、デニムを合わせる際はシャツや軽めのアウターを取り入れ、ほどよくきちんとした印象をプラスしています。足元にはレザーローファーを合わせることで、さりげなく今の気分も取り入れつつ、全体をバランスよくまとめています。ベースはあくまでシンプルで、長く着られるようなスタイルを意識しています」
コーディネート例
#05
仕事の合間に見つけた、フレンチワークの歴史を羽織る
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有限会社DAXIS MANEBUディレクター
青山雄太
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1980年札幌生まれ。10代で地元の古着屋で働きはじめ、その後約10年間、大手セレクトショップにて販売員からバイヤーを経験。2013年、有限会社DAXISに入社。2014年にMASAKA(株)の横田太樹氏と一緒にMANEBUを立ち上げ、ブランドコンセプトから商品企画、製造、卸まで幅広く担当。
Instagram:manebu_official
DESERTSNOW町田本店
【行きつけ古着屋DATA】休日あまり出かけるタイプではないのですが、系列会社DESERTSNOW町田本店には仕事などの時に寄ったりします。1998年オープンの老舗なのでお店を知っている方も多いと思います。ヴィンテージから、レギュラー古着まで幅広い品揃えで掘りがいがあります
【最近の発掘アイテム】
1950s-1960s Le Mont St Michel
(ル・モンサンミッシェル)の
ブラックモールスキンジャケット
「Le Mont St Michel は100年以上の歴史を持つフランスのワークウェアブランドなのですが、今の時期は一枚羽織るのにちょうどいいジャケットです」







