「へたキャン」と呼ばれても、新しいスタイルを試し続けるじゅんいちダビッドソンの本音とキャンプセオリー|#100人の外遊び
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    「へたキャン」と呼ばれても、新しいスタイルを試し続けるじゅんいちダビッドソンの本音とキャンプセオリー|#100人の外遊び

    2026.05.19

    キャンプ好きを公言し、その模様をYouTubeで配信している芸人は多い。芸人・じゅんいちダビッドソンもそのひとりだ。

    2019年に開設したYouTubeチャンネル「ちゃんねるダビッドソン」の動画は、ほぼキャンプ。しかも、自由にキャンプができる山まで所有している。また、キャンプをテーマにしたオンラインサロンも主宰する。

    そんなキャンプにガチハマりの芸人・じゅんいちダビッドソンに、キャンプに沼ったきっかけや、こだわりのアイテムについて聞いた。

    Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
    Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

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    • じゅんいちダビッドソン
    • 芸人

      じゅんいちダビッドソン

    • 1975年2月4日生まれ。兵庫県出身。1997年に芸人デビューし、本田圭佑のネタを提げて、R-1ぐらんぷり2015に優勝。以後テレビやラジオ、イベント、Webなど多方面で活躍中。2020年には、独立して個人事務所「合同会社潤一」を設立した。趣味はサッカー観戦、キャンプ、釣り、車、バイク。特技はビリヤード、水泳、水球。自身のYouTubeチャンネル「ちゃんねるダビッドソン」では主にキャンプ動画を配信している。

      YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@JunichiDavidson

    キャンプといえば、みんなバーベキュー
    そんな固定観念から避けていた

    じゅんいちダビッドソン

    「ヒロシさんや、バイキングの西村にキャンプしようと、ずっと誘われていたんですが、当時は興味がなくて、断っていました」

    バーベキューをして、みんなで同じテントに泊まる。どうせそんな感じでしょう? キャンプ未経験者が抱きがちな、先入観が邪魔していたという。そんなありきたりの時間を過ごすくらいなら、ひとりで渓流釣りをしていたほうが楽しいはずだと感じていた。


    「でも、今から8、9年前ですかね。ある日、明日キャンプに行かない?って、バイキングの西村に誘われたんです。たまたま予定がなかったし、何度も熱心に誘ってくれていたから、一度くらい付き合ってみるかと、参加することにしました。でも、行ってみたら、僕が想像していたキャンプと違って、すべてが楽しかったんです。その場で、ヒロシさんと西村にテントを買う!と宣言していました」

    おのおのがテントを持ち寄り、自分だけの秘密基地をつくる。集合時間も自由で、眠たくなったら、自分のテントで寝る。そんなスタイルのキャンプだった。


    「みんな仕事もあるので、日程と場所だけ決めて、あとは自由参加、自由解散。朝起きたら、誰もいないこともあります。焚き火もそれぞれやるし、料理も食べたいものをつくる。でも、食べる?ってお裾分けすることもあるし、話したいことがあったら、テントに寄って行って、ちょっと話す。キャンプってこんなに自由なんだって感動しました」

    何もかもが新鮮な体験。新しい世界を開いてくれた二人に敬意を表して、その場でテントを購入したのだった。以来、キャンプに明け暮れる日々がはじまった。

    自分の生年月に製造された
    通称「バースデーランタン」をゲット

    コールマン 200A ザ・レッド バースデーランタン

    生来、ビンテージなものが好きだった、じゅんいちダビッドソン。キャンプ道具も移動の車も年代物のアイテムで自分色に染めていく。


    「以前はシボレーのマリブSSに乗っていたんですけど、今はシボレーのK-5に乗っています。子供の頃に見た、ハリウッド映画に出てくるような車で、僕は古いものや味のあるものが好きなんですよ。キャンプ道具も機能性よりもビンテージなものに惹かれます。今日持ってきた私物のランタンも、僕の生まれ年に製造された、いわゆるバースデーランタンです」

    主宰するオンラインサロンの会員さんからいただいたという。コールマンには200Aというランタンの往年の名機がある。“ザ・レッド”と呼ばれる真紅のボディが目印だが、このモデルは1950年から1983年まで生産されていた。そして、底面に製造年月が刻印されており、自身の生年月と同じものを手に入れるのが、キャンパーのロマンで“バースデーランタン”と呼ばれている。


    「キャンプのオンラインサロンをやっているんですけど、会員のおじさんがたまたま僕の生まれた年月のランタンを持っていたんです。それでプレゼントしますって言ってくださって、ありがたくいただくことに。なかなか出合えない代物ですし、もう50年以上経っているのに現役で使えるのが、また良いですよね。10個はランタンを持っているんですけど、たまにキャンプにこれを持って行きます。ホワイトガソリン式でとても明るいんですよ。息子に受け継いで、代々、家族で使う人もいるみたいですよね。キャンプの楽しみ方はそれぞれだし、持っていくアイテムも、人によって違うのもキャンプの良いところだと思います」

    今はバイクキャンプがマイブーム。
    刺激を求めて常に未知のキャンプに挑戦

    じゅんいちダビッドソン

    画像:ご本人提供

    最近はバイクでキャンプすることもあるという。


    「行けば楽しいし、キャンプが好きというのは大前提ですが、もうソロキャンプは何百回とやっていますから、毎回、同じ道具で行くのは嫌なんですよ。行ったことのあるキャンプ場で同じテントに泊まる。それでどうせ、また肉を焼くんでしょう?(笑)。それって先週やったことと同じやん!って思ってしまいます。そこにバイクというアイテムが加わると、道中がツーリングというもうひとつのレジャーに変わって、新しい刺激が追加されます。美味しそうなラーメン屋さんや綺麗な景色を見つけたら、寄ってみようって思いますし、車より断然フットワークが軽い。ソロキャンプをやり尽くした僕の最新の遊びがバイクキャンプなんです」

    バイクに限らず、いつもと違うキャンプを探し求めている。


    「最初は何をやっていても、楽しかったんですけどね。そのうち、直火OKなところで、焚き火に挑戦したり、タープだけで寝てみたり、野営もしました。自分の山があれば、いつでもキャンプができる!って思ったのですが、ここ1年くらいは行っていないかもしれません。それより、いろいろなところでキャンプをしたい。自分の山に行って、いつもの車で、同じギアでのキャンプを繰り返すと、いつかキャンプを辞めてしまうかもしれないなと」

    好きだけど、同じことばかりだと飽きてしまう。キャンプを嫌いにならないためにも、新しいことに挑戦しているのかもしれない。毎回、不慣れなことをする。だから失敗することも多く、いつしか彼のスタイルは“へた(下手)キャン”と評された。

    みんな僕が失敗すると、喜ぶけど
    内心はめちゃくちゃムカついてます(笑)

    「以前、キャンプがテーマのテレビ番組に出演した時、僕のYouTube動画の失敗しているところばかりを集めたVTRが、放送されたんです。それを見ていたうちの嫁が『へたキャンやな』って、つぶやきました。そのエピソードをXで共有したら、『じゅんいちダビッドソン=へたキャン』というイメージが定着してしまって。以降、へたキャンをテーマにした番組のオファーをもらったり、本も出版したので、ありがたい話なんですが……」

    『じゅんいちダビッドソン=へたキャン』という現状に、本人は納得していない様子だ。


    「本が好評で、次にオファーをいただいて出したのが、『へたキャン入門』。誰が入門したいねん(笑)。YouTubeでも、みんなが喜ぶからミスしたシーンをカットせずに配信していて、コメントも盛り上がるんですけど、内心はむちゃくちゃムカついてるんですよ。ある時は、ビールサーバーを持って、自分の森でキャンプしようと思ったら、樽を繋いだまま運んでしまっていて、車の振動でビールが吹き出してしまった。ひと口も飲むことなく、全部、森に吸い込まれたんです。1000坪ある森の中で、なんでやねーーん!って叫びましたよ。もちろん、視聴者は大喜び。芸人だから、失敗もオイシイでしょう?って言われますが、そんなマインドはないんです。だって、ゆったりしたくてキャンプに行ってるんだから。できれば穏やかにキャンプしたい」

    キャンプ場で寝ていたら、天候が悪化し、豪雨に。強風でタープが吹き飛び、びしょ濡れになったこともある。なんとか屋根を確保したものの、濡れて焚き火ができず、数時間かけてバーナーで少しずつ洋服を乾かしたという。そんなトラブルに遭遇しても、キャンプに行き続ける。なぜなら日常をリセットできるからだと語る。


    「キャンプは僕にとって逃げ場所でもあるんですよ。トーク番組があって、スベる。そんな時はキャンプ道具を車に積んであるから、収録が終わったらすぐに山に逃げます。静かな森で焚き火を見ていると、スベッたことがなかったことになるんですよ(笑)。自分の中で。キャンプには好きな人としかいかないから、ノンストレスで、嫌なことが忘れられます。しかも、好きな時に集まって、好きな時に解散する。それぞれが車で行くから、コスパは悪いんですけど、その分、経済が回っていると考えるようにしています」

    じゅんいちダビッドソンにとって、キャンプは新しい発見に出合える刺激的な場所であり、傷ついた心を回復するための癒しの場でもあるのだ。


    じゅんいちダビッドソン

    【INFORMATION】■公式YouTubeチャンネル
    『ちゃんねるダビッドソン』

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