離島ソロキャンプ

#2 基地の設営

最小限のキャンプ道具で快適な“基地”を設営する

高速ジェット船が、竹芝〜伊豆大島間を1時間45分で航行できる秘密は、船の構造にある。水の抵抗を受けないよう、船体を海面から浮きあげて航行でき、時速80km近いスピードを可能にしている。また波の影響も受けないため、ほとんど揺れず、酔いにくいのだ。竹芝を発った高速ジェット船は滑るように伊豆大島の岡田港に入港した。

レンタカーをピックアップし、南部にあるトウシキキャンプ場を目指す。伊豆大島には、その名の通り、「伊豆大島一周道路」と呼ばれる道路が整備されている。島をぐるりと一周しても、車で1時間ほどだ。迷うこともない。高い建物がなく、空が驚くほど広い。東京都とは思えない開放的な風景が広がっていた。中心地の元町をゆっくり走り抜けると、右手に海が見えてきた。窓を開けると、心地よい潮風が流れ込んでくる。離島に来たんだ! あらためて実感すると胸が高鳴り、思わずラジオのボリュームを上げた。

トウシキキャンプ場は、波浮港の側にある。キャンプサイトの目の前には海が広がり、遠くに利島や新島といった伊豆諸島を一望できる絶好のロケーションだ。そして振り返ると、雄大な三原山が黒く光っている。さらに、キャンプ場から海に向かって歩いて行くと、目と鼻の先にトウシキ遊泳場という海水浴場がある。噴火や溶岩流によってプール状の入江ができた場所で、透明度が高く、スノーケリングのスポットとして有名なのだ。こんな豊かな自然を独り占めできるなんて……。しばし絶景に圧倒されていたが、重い腰をあげた。まずはテントの設営だ。

DVERG×GRIP SWANY ファイヤープルーフGSテント49,500円/ドベルグ(カンパネラ TEL:0776-63-6418)

焚き火で舞う火の粉にも、雨にも強いソロテント

キャンプ人気にあやかって、続々と新興ブランドが市場に参入している。そんななかで、さまざまなブランドとコラボした別注アイテムをリリースし、注目を集めているのが、「DVERG」だ。福井県のアウトドアショップ「サンデーマウンテン」が、2019年にスタートさせたアウトドアブランドで、このソロテントはレザーグローブでお馴染みのGRIP SWANYとのコラボアイテム。生地に難燃素材を使用しており、焚き火から火の粉が飛んでもきても穴が開かない仕様になっている。また、撥水性能にも優れているため、突然の雨でも心配ないというソロテント。

チェアは軽さと耐久性やっぱりヘリノックス一択

キャンプ場でもよく見かけるヘリノックスのチェア。人気を集めるのは、軽さと耐久性で抜きん出ているから。だから荷物を削ぎ落としたいミニマルなソロキャンでも、やっぱりヘリノックス一択になる。頑丈なポリエステル生地と超高力アルミフレームで、滅多なことではへたらない。よりリラックスしたい気分なので、数あるチェアの中から、ロングバックタイプをチョイスしたい。シンプルな構造なのに、座り心地が良くオススメだ。

タクティカル チェアートゥ18,480円/ヘリノックス(エイアンドエフ TEL:03-3209-7575)

料理を広げても安定感があるテーブルは軽いのにグラつかないものを

誰にも気を使わないソロキャンだからといって、地べたで食事をするわけにはいかない。料理や皿を載せるテーブルは必須だろう。かといって、かさばるテーブルはナンセンス。ヘリノックスのタクティカルテーブルMなら、Sサイズよりもひと回り大きいのに、収納サイズは変わらない。天板が固く、上に物を置いても安定感があり、極めて実用的だ。50kgまでの重さに耐えられるのに、本体重量は800gと1kgを切る軽さ。

クラシック真空グロウラー 1.9L 9,350円、マスターフラスコ 0.23L 6,050円、クラシックプアオーバー4,180円、クラシック真空マグ 0.35L 4,070円、キャンプクックセット 0.7L 3,630円/すべてスタンレー(株式会社ドウシシャ stanley1913@doshisha.co.jp)、タクティカル テーブル M 19,250円/ヘリノックス(エイアンドエフ TEL:03-3209-7575)、DVERG×GRIP SWANY G-1 レギュラータイプ9,350円/ドベルグ(カンパネラ TEL:0776-63-6418)、SIERRA CUP CASE3,300円、SUMMIT SIERRA CUP (POLER×燕三条)×3各2,200円/ポーラー(ともに、キャンバス TEL:03-5639-9669)

寝袋は軽さと通年使えるユーティリティさがキモになる

寝袋は夏キャンプでの使用はもちろん、冬の低山キャンプも見据えたユーティリティなものを選んでおくと、アウトドアでの楽しみ方が広がる。モンベルの「シームレス ダウンハガー800」は暖かさと軽さを両立した高品質な800FP EXダウンと、はっ水加工を施した超軽量のシェル素材を組み合わせたスリーピングバッグ。ダウンの片寄りを防ぐ、画期的な「スパイダーバッフルシステム」も搭載している。

エアーヘッドレスト 2.0 4,180円/ヘリノックス(エイアンドエフ TEL:03-3209-7575)、シームレス ダウンハガー800 #3 33,000円/モンベル(モンベル・カスタマー・サービス TEL:06-6536-5740)、FESTIVAL BLANKET9,570円/ノマディックス(アルコインターナショナル TEL:06-6563-7346)

前後リバーシブル×裏表1枚で最長4日間履ける下着!?

BRINGのアンダーウェアは、なめらかな肌触りと防臭性、調温性のあるメリノウールとBRING Materialを組み合わせて作られている。70/30が、ウール70%、リサイクル・ポリエステル30%でできており、登山など活動量が比較的少ないシチュエーション向き。50/50は、ウール50%、リサイクル・ポリエステル50%で、山中を長時間走り続けるような、活動量が多いアクティビティに最適だ。前後リバーシブル可能なアンダーウェアだから、前後×裏表で1枚で4日を過ごす猛者もいるとかいないとか(笑)。

(青)WUNDERWEAR 70/30 4,180円、(チャコール)WUNDERWEAR 50/50 3,740円/ともに、ブリング(ブリング エビス TEL:03-4400-1251)

生活感が出て興醒めだけど、必須。だから虫除けはフレグランス感覚で

キャンプやトレッキングなどアウトドアアクティビティで欠かせないのが、虫除けだ。ただ、ケミカルな匂いを振り撒いていると、それだけで興醒めしてくる。そこで紹介したいのが、虫除けと同時に消臭効果があるBPEのファブリックスプレー。虫除けの独特で不快な香りがなく、アロマのような心地よい香りをまとうことができるのも特徴だ。

スプレー(上)BPEファブリックスプレー プロユース X5 2,200円、スプレー(中.下)BPE アウトドア 虫よけスプレー100ml ゼラニウムミント/ベルガモットセージ1,760円/すべてバグプロテクター(ナチュラルケミストリーラボ TEL:03-6452-6553)

ランタンも荷物がコンパクトになる伸縮型タイプが◎

街灯のないキャンプサイトでは、ランタンは貴重な灯り。欠かせないアイテムのひとつだろう。ただ、かさばるのがソロキャンパーには悩みの種だった。ホール アースの「FOLDING LANTARN CONBRIO」は伸縮型のLEDコンパクトランタンで、収納時も場所を取らない。シーンに合わせて光量を調整でき、取っ手が付いているため、吊るして使うことも可能だ。

FOLDING LANTARN CONBRIO 3,850円/ホール アース(エフディーアール カスタマーセンター TEL:0120-000-813)

予備ライトとして秀逸!LEDソーラーライト

電池が切れてしまった! そんなLEDライトのうっかりミスに備えて、持っておきたいのが、ソーラー充電が可能なLEDライト。3枚のLEDパネルをコンパクトに収納できるので、カバンに忍ばせておくことができる。約300ルーメンの照度では約3時間連続点灯が可能で、約100ルーメンの省エネモードに落とすと、約5時間連続点灯が可能なので、屋外でも十分な明るさを確保できるはず。

TRI-PANEL SOLAR CHARGED LED LIGHT 4,620円/ポストジェネラル(クレエ TEL:06-6809-1368)

フーディー17,600円、パンツ18,150円/バンブーシュート(バンブーシュート TEL:03-5720-1677)
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