離島ソロキャンプ

#3 キャンプ飯

Tシャツ4,950円、キャップ4,620円/ともにポーラー(キャンバス TEL:03-5639-9669)、エプロン19,800円/ノービット(ノービット TEL:03-6709-8333)

道具は最小限。地のモノ調理で手軽で旨いキャンプ飯

テントの設営が終わったら、次は料理の準備に取り掛かる。明日葉はスーパーをハシゴして無事にゲットしていた。名産品の焼酎「御神火」も、普通にスーパーに並んでいた。車中から見つけた鮮魚店「武田商店」では、伊豆近海で採れたカツオとアカイカ、加えてハマグリを購入。手を加えずとも美味しそうな新鮮食材ばかりが揃った。さて、どうやって食べようか? うかうかしていると、あっという間に陽が落ちてきてしまう。ソロキャンプは火おこしから調理、片付けまで、全部、ひとりでこなさないといけない。思いのほか時間の猶予がないのだ。幸い、トウシキキャンプ場には洗い場やかまどがある。手を動かしながら、考えよう。持参したエプロンを身につけ、準備に取り掛かった。

とにかく火がないと、何もはじまらない。炭を起こし、かまどを温める。新鮮なカツオは、少し炙って、たたきにすることに決めた。アウトドアで豪快な肉もいいが、カツオのたたきのほうが焼酎には合うはずだ。まずは塩を振って、余分な水分を抜くことからはじめる。数分、放置したら、クッキングペーパーで浮いてきた水気を拭き取る。そして、カツオに串を刺して、軽く炙った。表面が色づいてきたら、冷水に浸す。粗熱を取っている間に、ネギやミョウガなど薬味を刻もう。カツオが冷めたことを確認し、1センチ程度の厚さに切り分けて、薬味をたっぷりと振りかけた。一品目のカツオのたたきが完成だ。

シルエットがショートパンツのよう。スリットの入った動きやすい難燃エプロン

難燃加工を施した高密度コットンタッサー生地を使用したアウトドア用のエプロン。特徴は中央にスリットが入っていて、パンツのように左右に分かれている点。調理場で動き回る際に圧倒的に動きやすい。ソロキャンプでは炊事場と火元を慌ただしく移動しがちで、とくに重宝するはずだ。

エプロン19,800円/ノービット(ノービット TEL:03-6709-8333)

軽くて耐久性に優れたPOLER×燕三条のシエラカップ

直接火にかけられるため、クッカーとして食材を炒めたり、蒸したり、また食器としても使えるシエラカップはソロキャンプで重宝するアイテムだ。ポートランドで生まれた新感覚のアウトドアブランド「POLER(ポーラー)」が、新潟県燕三条の伝統技術とコラボした、このシエラカップは衛生的なステンレス製で、耐久性に優れている。重ねて収納できるので、場所も取らない。

SIERRA CUP CASE3,300円、SUMMIT SIERRA CUP (POLER×燕三条)×3各2,200円/ポーラー(ともに、キャンバス TEL:03-5639-9669)

調味料は必要な分だけ、小分けに持っていけば、荷物を増やすこともなくスマート。ポーチにまとめておけば、サッと取り出せるし、便利だろう

テーブルとしても使える小型のクーラーボックス

飲み物や鮮度を保ちたい食材を入れるクーラーボックスを、ひとつ持参しておくと便利。ひとり分なので、大型のものは不要。ホール アースの「MINI COOLER 6」は、天板をひっくり返すと、ドリンクを置いてもズレない缶用テーブルとしても使える。こうしたユーティリティなグッズが荷物を増やしたくないミニマルなキャンプでは重宝する。

MINI COOLER 6 3,190円/ホール アース(エフディーアール カスタマーセンター TEL:0120-000-813)

シエラカップやアルミホイル使いで洗い物も最小限に抑える

2品目は、ハマグリの酒蒸しを作ることに。武田商店で購入したハマグリは大粒で、シエラカップにすっぽり入るサイズだった。網に載せて、直火で焼いてもよかったのだが、ハマグリから出るスープがこぼれてしまってはもったいない。シエラカップはそのまま火にかけて調理できるし、こぼれたスープを飲み干すこともできる。我ながら良いアイディアだ。ハマグリをよく洗い、カップに入れたら、焼酎「御神火」を軽く振りかける。アルミホイルで蓋をし、かまどにセットした。貝が開いたら、完成だ。

その間にアカイカの調理に取り掛かる。皮を剥ぎ、内臓を取り出す。ワタだけを仕分けしたら、シエラカップに絞り出し、「御神火」を加えて、ソースを作っていく。イカを1cmくらいの厚さに切り、アルミホイルで作った皿に並べる。刻んだニンニク、生姜、そしてザックリと切った明日葉を加えたら、イカワタのソースを上からかける。アルミホイルの口を閉じて蓋をしたら、こちらもかまどで数分、加熱するのだ。

慌てて、テントに戻り、食卓を整えておく。かまどに戻ると酒蒸しも、ホイル焼きも頃合いだった。残った「御神火」で晩酌をはじめよう。気がついたら、辺りが暗くなっていた。地平線に陽が沈み、空が燃えるように色づく。絶景を眺めながらの食事は最高だ。

まずはカツオのたたきから、いただくことにした。炙った表面が香ばしく、中心はレアな刺身の状態。カツオ独特の爽やかな酸味が口に広がり、新鮮なため、臭みは一切感じない。「御神火」との相性も申し分ない。あっという間に平らげてしまった。冷めないうちにハマグリも味わおう。シエラカップを引き寄せ、そっとホイルの蓋をあけると、優しい磯の香りが立ち込める。スープをこぼさないよう慎重に貝を口元まで運び、ゆっくりと啜る。強い旨味が鼻に抜けた。少し行儀悪いが歯で身を剥がす。噛むとぷりぷりとした弾力とともにスープが口に溢れてくる。旨い!

最後はアカイカのホイル焼きだ。食べる前に醤油をひと垂らしし、イカと明日葉を一緒に口に放り込む。火が入って甘みを増したイカと、明日葉の苦味が堪らない。焼酎がぐいぐい進む味だ。移動とテントの設営で疲れた体にアルコールが染み渡る。すぐに体が熱ってきたが、潮風がクールダウンしてくれる。気持ちがよくなり、そのまま横になった。空を見上げると、満天の星が輝いていた。調理に夢中になっていて、気づかなかった。今夜は、いい夢が見れそうだ。

  • ユニフレームカラカト770円
  • トランギアメスティン1,980円
  • ベルモント抗菌バタフライカッティングボード550円
  • オピネルステンレス No.10 コークスクリューナイフ4,620円
  • ソロキャンプの心得
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