スマホを捨てよ、 冒険へ出よう

Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Model:JUNYA KASUGA
Text:SHINSUKE UMENAKA
Special Thanks:戸井商店、武田商店

離島でソロキャンプしたら最高だった件

  • #1 心得
  • #2 基地の設営
  • #3 キャンプ飯
  • #4 トレッキング
  • #5 アースダイブ

仕事のストレスや
プライベートのモヤモヤから
解放されたい! そんなときは、
ひとりになり、心を落ち着かせたくなる。
誰にも邪魔されない、自由な1日を過ごせば、
自然と元気が湧いてくるだろう。
だからソロキャンプに人気が集まっているのも合点がいく。
ただし、最近はキャンプ場も混雑し、
ひとり時間に浸れないのが悩ましいところだ。

そこで最低限のキャンプ道具を持って、
ひとりで離島にやってきた。
人のまばらなキャンプ場の目の前は青い海。
背後にはトレッキングに最適な山もある。
そして、頭上に輝く満天の星。
自由気ままな離島ソロキャンが最高だった。

離島ソロキャンプ

#1 心得

道具は最小限、満足度は最高点 ミニマルを極める喜びに目覚める離島ソロキャンプ

離島と聞くと、ソロキャンプにはハードルが高いと感じるかもしれない。でも、実はそこまで特別な場所ではない。たとえば東京都には大島や利島、新島、三宅島など、多くの離島が存在する。島によっては高速ジェット船や大型客船だけではなく、飛行機でアクセスできるところもあり、想像以上に身近でオススメなのだ。そして、多くの島にはキャンプ場があり、事前に予約しておけば、無料もしくはリーズナブルな価格で利用できる点も魅力だ。キャンプサイトの数は少ないが、来島者が限られるため、競争率は本土のキャンプ場ほど激しくはないだろう。まさに穴場。思う存分、ひとり時間が楽しめる。

数ある離島の中から、都心からとくにアクセスの良い伊豆大島に目を付けた。移動手段は3つ。港区の竹芝客船ターミナルから出航する高速ジェット船と大型客船、そして調布市にある調布飛行場から利用する飛行機だ。所要時間は飛行機が最も短く、たった25分のフライトで伊豆大島に着く。高速ジェット船なら約1時間45分、大型客船は深夜に出港し、6時間かけて翌朝に港に接岸するのだ。

速い交通手段ほど、費用が高くなり、預けられる手荷物の重量・サイズに制限がある。したがって、移動時間だけではなく、離島で何をするかで交通手段を選ぶと良いだろう。今回はソロキャンプをし、三原山に登り、そして海でSUPをするという行程を考えた。島で動きやすいよう荷物は最小限に絞りたい。

早朝の竹芝客船ターミナルを訪れると、すでに長い列ができていた。乗船を促すアナウンスが響いている。この雑然とした空気が船旅っぽい。高揚感に包まれたまま、高速ジェット船に乗り込んだ。

シャツ8,690円/コロンビア(コロンビアスポーツウェアジャパン TEL:0120-193-803)、インナー白Tシャツ5,500円/アークテリクス(アークテリクス カスタマーサポートセンター https://arcteryx.jp/)、キャップ4,620円/ポーラー(キャンバス TEL:03-5639-9669)、バックパック25,300円/マウンテンハードウェア(コロンビアスポーツウェアジャパン TEL:0120-193-803)、寝袋(バックパック背面)シームレス ダウンハガー800 #3 33,000円、ポール2-Wayグリップカーボンポール アンチショック8,580円/ともに、モンベル(モンベル・カスタマー・サービス TEL:06-6536-5740)、チェア(バックパックサイド)タクティカル チェアートゥ18,480円/ヘリノックス(エイアンドエフ TEL:03-3209-7575)、アイウェアケース(左)6,380円、ポーチ(右)7,590円、ストラップ5,940円/すべてエムアイエス(カメイ・プロアクト株式会社 TEL:03-6450-1515)、サンダルとショーツ/スタイリスト私物

ソロキャンプのルール

旅のウェアは紫外線対策と小物が入るフィッシングシャツが正解

テントを張ったり、寝床を準備したり、そして調理をしたりと、ソロキャンでは、そのすべてをひとりでこなす必要がある。もちろんそれが楽しいのだが、ウェアにはフィッシングシャツを推したい。ちょっとした工具やモノを収納できる胸ポケがあり、吸水速乾性やサンプロテクションなど機能性が申し分ないからだ。たとえば、コロンビアの「バハマ II ロングスリーブシャツ」はコットンのようなナチュラルな風合いがあり、胸ポケのデザインもクラシカルでイカしている。しかも、紫外線を98%ブロック。また、ポケットはマジックテープで簡単に開け閉めできる点も作業しやすく、実用的だ。

キャンプ道具はバックパックひとつに集約

テント、チェア、テーブル、寝袋……。キャンプで快適さを求めると、際限なく、持ち物が増えていく。オートキャンプならそれもありだが、ソロキャンプではナンセンス。多少の不便さは許容して、荷物は最小限に削ぎ落としていきたいところ。バックパックも35Lの中型ひとつで十分だ。マウンテンハードウェアの「JMT 35L バックパック」はジッパーで貝殻のように開くクラムシェルスタイルなので、荷物の出し入れも容易。また、コンプレッションストラップ付きで、チェアや寝袋などバックパックには入らないかさ張るアイテムもサイドに固定できる。

地産地消。キャンプの食材は名産品を現地調達が基本

高速ジェット船なら移動時間も短いため、キャンプで調理する食材を持参することも可能だが、せっかくなら現地のスーパーや商店で名産品を調達したい。荷物も減るし、そこでしか味わえない食材に出会える可能性もあり、一石二鳥だ。今回は名産品として有名な明日葉をスーパーで仕入れ、伊豆大島近海で採れた鮮魚を購入予定。合わせて地元の焼酎「御神火」を手に入れて一杯やりたいところ。いまから晩酌が楽しみだ。

自転車やレンタカーを手配し名所を気ままに巡る

Tシャツ9,900円、パンツ18,700円、バックパック7,700円、キャップ4,950円/すべて、アークテリクス(アークテリクス カスタマーサポートセンター https://arcteryx.jp/)

伊豆大島には路線バスが走っており、北部の岡田港から中心地の元町、そして南部の波浮港まで移動できる。ただし、本数が多いわけではなく、各地に点在する名所を自由に巡るには、少々不便だ。そのためレンタサイクルやレンタカー、レンタバイクでの移動がオススメ。写真は「地層大切断面」と呼ばれる、伊豆大島の火山噴火の歴史が垣間見れるフォトスポットだ。夏休みや大型連休には来島者が増え、レンタカーなどは争奪戦になるため、事前に予約しておくことが欠かせない。

リカバリー性に優れたサンダルを持参

観光名所を巡ったり、トレッキングしたり、あるいは、海に入ったりと、ひとり時間を満喫した結果、歩き疲れてしまう。そんな姿が容易に想像できるだろう。だからキャンプ場ではリラックスできるサンダルに履き替えたい。疲労回復を目的に開発されたリカバリーサンダルや、衝撃吸収性に優れたアッパーをもつサンダルを持参することをオススメする。

サンダル(上)7,480円/ウーフォス(アルコインターナショナル TEL:06-6563-7346)、(中)8,250円/キーン(キーン・ジャパン合同会社 TEL:03-6804-2715)、(下)16,280円/リグフットウェア(メスタ TEL:042-519-4944)

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