伊豆大島は島全体が火山。幾度となく発生した噴火によって、地形が複雑に変化した。海岸線は険しくも、迫力ある表情を見せてくれる。2010年9月に日本ジオパークに認定されているのも、頷ける。その姿を海からも拝んでみようと、SUPに挑戦することにした。SUPのレンタルを行なっている戸田商店さんの案内で、北部にある秋の浜に向かう。ここは魚影も濃く、透明度も高いことから、スキューバダイビングの代表的なポイントにもなっている。また海にせり出すように、小さな飛び込み台があり、子どもたちが勇敢さを競っているのだ。
海に投げ入れたSUPとオールを追って、高台からダイブしたガイドさんに続いて、飛び込んだ。そのままSUPを掴み、跨る。強い日差しで熱っていた体が、冷たい海水でクールダウンするのを感じる。まるでサウナ後の水風呂みたいに、頭が冴えていく。簡単にオールの使い方を教わり、立ち上がってみる。波で不安定な足元に負けないよう、指に力を入れて踏ん張ると、不恰好ながらSUPを掴む手を離すことができた。だんだんコツが掴めてきたかもしれない。周囲を見る余裕が出てきて、島の方に視線を向けた。黒々とした海岸線は複雑なフォルムで、一般的な磯とは明らかに異なる。生まれたばかりの地球はきっとどこもこんなふうだったのかもしれない。幼い頃にみた図鑑を思い出して、物思いに耽るのだった。
しばらく海上散歩を楽しんだあと、今度はSUPの上に寝転んでみた。波の力でゆりかごのように静かに揺れる。リラックスし、目を閉じてみる。波の音が心地良く胸に響いた。
海から見た海岸線は迫力があり、人を寄せ付けないオーラすら感じた。でも、実際にはどんな表情をしているのだろう? 幸い、帰りのジェット船まで、まだ時間がある。散歩がてら、海沿いを歩いてみることにした。
中心地の元町からほど近い海岸線には、「長根」と呼ばれる天然の桟橋がある。噴火で流れ出した溶岩流が沢を下って海に到達し、硬い溶岩だけが残り、岬のように海に突き出したと考えられている。ゴツゴツとした岩の上を歩き、先端まで進むことができる。その後、北へと伸びるサンセットパームラインを行くと、真っ赤な丘が見えてくる。通称「赤禿(あかっぱげ)」と呼ばれる溶岩でできた一帯だ。空と海の青々とした景観に、赤い丘が存在感を示していた。
また、キャンプをしたトウシキキャンプ場の側にも、「イマサキ」と呼ばれる波によって大胆に削られた崖がある。噴火で飛ばされたと見られる大きな岩が転がっていて、荒々しい景観が堪能できる。こうした雄大な景色を回っていると、職場の人間関係や不甲斐ない営業成績に悩んでいる自分が、小さく思えてくる。キャンプをし、山に登り、海にも入った。体は正直、疲れているが、頭はしっかりとリフレッシュすることができたようだ。目の前の景色にいちいちワクワクするのは、その証だろう。やっぱり離島でソロキャンプしてよかった。そう思うのであった。
生地に66ナイロンという密度が濃いナイロン繊維を使用し、柔らかい肌触りが特徴のサンシェードキャップ。キャップの裏側にはサンシェードカーテンが付いており、必要に応じて出すことで日焼けの防止ができる。ドローコード付きなため、風が強い日には固定することが可能。速乾性にも優れているため、濡れやすいSUP時の日除けとしても重宝する。
キャップ4,400円/グリップスワニー(グリップスワニー TEL:03-3306-1411)
ボックスロゴや鮮やかな配色が洒落ているカナダ・モントリオール発のアスレチックブランド「Ciele Athletics」のキャップ。視認しやすいリフレクターラベルや通気性に優れたメッシュ加工など、ランナーからの支持も厚い同ブランド。本キャップは速乾性に優れたCOOLwick素材とRepreveのリサイクル素材を使用している。軽量で折りたたみ可能な点も荷物を増やしたくないミニマリスト向き。
キャップ4,400円/シエルアスレティックス(アルコインターナショナル TEL:06-6563-7346)