さて、ここまでくれば自分でも何かインディーズ打楽器を演奏してみたいという気持ちになった人も多いはず。兎にも角にも、1つなければ始まらない! とはいえ、まだまだ民族楽器を扱っているお店は少ない。ということで、全国各地にある民族楽器ショップをいくつか紹介する。民族楽器に詳しいスタッフもいて、それぞれの演奏方法や背景なども聞けるので、購入前にまずは実物を見てみたい、触ってみたいという人にはおすすめだ。
戦後間もない1948年創業という、とても長い歴史をもつ京都の「民族楽器コイズミ」。民族楽器愛好家たちの間ではよく知られた名店だ。プロの演奏家から初心者まで満足できる幅広い品揃えが特徴で、店内に一歩足を踏み入れると世界中から集められた民族楽器たちが所狭しと並ぶ。「民族楽器はその土地の小規模なファクトリーや個人で製作されたものが多数を占めるので、末長く安心して使って頂けるようにアフターメンテナンスにも力を入れています」と、店主の小泉さん。訪れて間違いないお店だ。
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「西アフリカの太鼓『ジェンべ』。小さなサイズのミニジェンベは、シンプルで気軽に持ち運べるのでアウトドアのお供にも最適です。アフリカ製はもちろん、新しい素材を使ったものもあり、予算や用途に合ったものが選べるのも魅力です」アフリカ製2万円台〜、ファイバー製数千円台〜。
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「こちらも西アフリカの楽器、『アサラト』です。気軽に持ち運べて、シェイカーのように使ったり、球同士を当ててカチカチ鳴らしたり。上達してくると複雑なリズムを奏でることができて、ハマってしまう人が多い楽器です。素材もさまざま揃っています」アフリカ製1セット(コイズミカスタムモデル)5000円~。
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「起源は民族楽器ですが、本体が金属製の比較的新しいタイプの楽器が、このスティールタングドラムです。切れ目が入った打面を叩くだけで、どなたでも簡単に心地よいキレイな音が奏でられます。リラックスした場面でも活躍できる、初心者の方にもオススメの楽器です」2,500円くらいのものから数十万円以上まで。
民族楽器コイズミ
住所:京都府京都市中京区寺町通り姉小路上る 下本能寺前町518番地
TEL.075-231-3052
営業時間:11:00〜20:00 火曜定休(祝日除く)
https://www.koizumigakki.com/
株式会社コマキ楽器が運営する、総合打楽器専門ショップ。2階がドラムセットを扱うドラム・シティ、3階が民族打楽器を扱うエスニック・シティ、5階と6階がコンサートパーカッションを扱うパーカッション・シティとなり、ビル全館であらゆるジャンルに対応した打楽器奏者のためのサーピスを展開。「それぞれのフロアの特色を活かした約1万点に及ぶ楽器やマレットを取り揃えています。試奏も可能なのでぜひ手にとってみてください」。とスタッフの山田さん。ここなら欲しいアイテムが必ず見つかりそうだ。
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「木の実でできたアフリカの楽器、アサラトが元になり、割れづらいものとして日本で開発されたパチカ。気軽に持ち運ぶことができ、シンプルな構造でさまざまな技を楽しめるので初めての方から経験者まで幅広い層にオススメの楽器です」1セット2500円。
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「音楽経験や特別な知識がなくとも、簡単にハーモニーを奏でることができるのがこのスティールタングドラムです。とても癒される音色で、幅広い世代の方から近年人気となっています。思うがままに自由に叩いて楽しめます」サウンドキング/26,400円。
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「ウッドならではの温かみのあるサウンドを、手で叩いて鳴らすことができる楽器です。スタンドも必要なく、本体ひとつあれば良い手軽さも魅力。ベルーの楽器『カホン』とキューバの楽器『ボンゴ』を掛け合わせたようなハイブリッドな楽器で、使い方はさまざま。一人で叩くも良し、他の楽器と合わせても良しです」シュラグヴィルク/16,800円。
JPC ジャパン・パーカッション・センター
住所:東京都台東区西浅草1-7-1 コマキビル
TEL:03-3842-6042 エスニック・シティ
営業時間:12:00〜19:30、11:00〜18:30(土・日・祝)火曜日定休(祝日除く)
開業から12年を迎えた民族楽器専門ショップ。中東諸国やインドなど日本ではまだあまり馴染みのない地域のものから、欧米や東アジアの比較的よく目にするものまで幅広く取り扱う。ネット販売がメインだが、実際に店舗(予約制)を訪れての購入も可能。まだあまり知られていないコアな楽器もあり、思わぬ出会いもありそうだ。他府県からわざわざこのお店を目当てに訪れる民族楽器愛好家も多いそう。民族楽器は取り扱いなどの情報が不明なものが多いため、ストアでの情報発信も積極的に行っており、可能な範囲で持ち込み修理にも対応している。
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「ジャウハープ(口琴)は世界各地に普及しており、民族楽器のなかでは打楽器に分類されます。初心者の方でも比較的簡単に音をだせ、不思議な音色を奏でる楽器です。世界各地に伝わる口琴のなかでも、ゾルタン口琴は音質が安定しているので、プロフェッショナル演奏家の方も好んで使っています」3,880円〜5,880円。
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「アイルランドの打楽器『ボーンズ』は、木や動物の骨で作った2枚の板を打ち鳴らして演奏する、カスタネットやクラベスのような楽器です。バウロンやフィドルなどと合わせてケルト音楽で使用します。とてもシンプルな見た目ですが、演奏方法次第では複雑なリズムを奏でることができます」2680円。
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「ネパールの密教で使用される仏具『シンギングボウル』は、ヒーリング系の打楽器として世界各地で使用されています。日本では鈴(Rin)と呼称されています。風鈴のような涼しさ、清涼感と神秘的な“倍音”を感じることができる楽器で、こちらは異なる音階のボウルが複数個セットになったチャクラセットです」5,180円〜144,800円。
民族楽器専門店トーザイ
住所:広島県広島市安佐北区安佐町飯室 921-201
TEL.082-548-2701
https://tozaimusic.com/
世界の民族楽器をはじめ、音楽療法やヒーリング・リラクゼーションに向けた楽器など、世界の音楽にまつわる珍しいものを専門に取り扱うショップ。カリンバやアサラトなど人気の高い民族楽器はもちろん、初めて見るようなとても珍しい楽器まで高品質なものにこだわりセレクトしているのが特徴。オンラインショップメインだが、直接見たい人は滋賀県の店舗で直接見ることも可能(要予約)。世界中の多種多様な楽器がセレクトされているが、インド・アフリカ・インドネシアなどの楽器は粗悪品が混ざることも多いため、特に気をつけて仕入れているそう。
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「世界各地に分布する口琴は、口に挟んで指で弾くと「ビヨ〜ン」と音がする楽器です。演奏方法はシンプルですが、口腔内の形でさまざまな音色に変化します。全世界で親しまれており、こちらはダンモイというベトナムの口笛。国により文化や歴史背景も異なるので、民族楽器の入り口としてもオススメです」600円〜。
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「歴史的にはまだ約20年の新しい楽器ですが、癒しの音色とその扱いやすさにより世界中で人気になっています。さまざまな国やメーカーが制作しており、音階や音色もそれぞれ異なります。打楽器ですがメロディも出せるので、プロの打楽器奏者にもオススメ。こちらのリーフスティールタンドラムは銀杏の葉のようにカットされた鍵盤がかわいいモデル」6600円。
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「西アフリカで子供の玩具楽器として使用されているアサラトは、日本ではさまざまなテクニックが体系化。誰でも遊び感覚で始められるとてもフレンドリーな楽器です。こちらはセネガル産の木の実(オンコバスピノサ)を使用し、当店が演奏者向けにカスタムしたもの。ザイルに比べやや柔らかい素材の綿ロープを使用することで、多彩な表現が可能になっています」4400円。
世界の楽器RAGAM
住所:滋賀県草津市芦浦町284(店舗訪問の際は要予約)
E-mail:ragamjapan@gmail.com
https://ragam-store.com/
お茶の水に本店を構える、創業1937年の老舗楽器店。ギターやベースをはじめ、木管・金管楽器の豊富な品揃えに定評があるが、打楽器もしっかりと取り揃えているのは流石といったところ。メジャーな人気楽器から、知る人ぞ知る民族楽器までその振れ幅は大きく、リペアセンターも併設しているのでアフターメンテナンスも安心だ。分からないことがあれば知識豊富なスタッフが丁寧に対応してくれるのも嬉しい。お茶の水本店の他、大宮と八王子にも店舗を構える。
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「パーカションでありながら音階があり、初心者の方でもすぐに演奏を楽しめるのでオススメです。『oneton』のカリンバは各キーに音階とトーンが刻印されているので視覚的に演奏しやすくなっているほか、マニュアル、チューニングハンマー、指サック、掃除用クロスが付属します」onetone/4400円。
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「宮城県石巻市の工房でつくられている日本産のカホンです。打面に国産のバーチ材を使用しており、腰が強くアタック感のある低音、立ち上がりのよいスラップが楽しめます。大音量で各音域ともバランスがよく、初心者の方でも比較的買いやすい価格も魅力だと思います」ARCO SW-50/17,950円。
下倉楽器 お茶の水本店
住所:東京都千代田区神田駿河台2-2 B1F〜3F
TEL:03-3293-7706
営業時間:10:45〜19:15(月〜土)、10:30〜18:30(日・祝)
www.shimokura-gakki.com/honten.html