GOODA
vol.33 INDEX
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タイトでキレイ目に着こなすだけじゃなくリラックス感も意識した大人の余裕も魅せるのがワンランク上の男というもの。この冬はシルエットにこだわりスマートなカジュアルスタイルを完成させよう。

Photos : TATSUYA YAMANAKA(Q+A)
Styling : YUTA KAJI
Hair&Make : ASAKO SATORI

ロング丈のアウターもシャープなラインで

スッキリと魅せる

細身のブルゾンはゆとりあるパンツと

合わせてリラックス感をプラス

ワントーンコーディネートは

タック入りパンツでトレンド感を演出

程よくフィットするスエードブルゾンと

デニムでスマートに

Interview

 是枝裕和監督に見出され、14歳で銀幕デビュー。そのデビュー作はカンヌ国際映画祭に出品され、最優秀男優賞を受賞した。まさに映画のような役者人生のスタートだった柳楽優弥さん。そんな華々しいデビューから10数年が経ち、現在は日本映画界を牽引する若手俳優のひとりとして活躍している。その素顔はというと、根っからの映画人であった???。

「撮影現場に向かうときは、演技すること以外に頭が回らないので、コーディネートしないで済む格好で行きますね。本来は明るい色が好きなんですが、似合うものがあまりないので、クローゼットは黒い服ばっかりです。最近は海外の映画祭に出席させていただく機会もあるので、オーダーで仕立てたスーツを作りたいなと思っています。流暢に英語を話せるわけではないので、見た目を整えることが、いつも以上に大事になると思います」

 そんな柳楽さんのおしゃれの見本や、インスピレーションは、常に映画なのだという。

「『フェイク』という映画でアル・パチーノがかけていたサングラスがカッコよくて、ブランドを調べて買いに行きました。共演のジョニー・デップの革ジャンも、めちゃくちゃカッコいいんですよ。古着屋に行って、似たようなものを探しました。彼は潜入捜査官の役だったのですが、自分も革ジャンを着て、ジョニー・デップになった気分で出かけるのが楽しいです」

「少し前にブラッド・ピットがカンヌ国際映画祭で着ていた白いスーツとヒョウ柄のサングラスもカッコ良かったな。オールバックに、金のネックレスをして。トム・フォードのサングラスをしていたので、つい買っちゃいましたね」

 クローゼットに黒い服が多いのにも、理由があるという。

「蜷川幸雄さんの舞台に出させていただいた際、蜷川さんはいつも黒い服を着ていて演出家のオーラのようなものを感じました。そこから自分もアーティスティックに見られたいと思って、黒い服を着るようになりました。いまは模倣ですが5年も続けたら、自分らしさが出てくると思うんです」

 柳楽さんには、ここ数年、ずっと続けている習い事がある。護身術、茶道、そして乗馬だ。

「先日、主演した『ディストラクション・ベイビーズ』という映画の仕事でロカルノ国際映画祭に行ってきたのですが、現地で『あなたは日本舞踊をやっているのですか?』と質問されて舞踊はやっていないけれど、武道(護身術)はやっていますと答えたら、まるで踊っているみたいだったと言われたのですが、僕の演技からそれを感じ取ってくれる人がいるのが嬉しくて。アクションの多い映画だったので、護身術をやっていなかったら、体を壊していたかもしれないですね。茶道をやっていたおかげで時代劇の現場に行っても、自分で袴が着られます。そのうち茶人の役が来ないかな(笑)」

 生活のすべてが、演じることを中心に回っているのだ。出演のオファーが絶えないのも納得である。今年も記憶に残る怪演を見せてくれるはずだ

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