
インテリアに変化をもたらすアイテムは、何も家具だけではない。観葉植物を効果的に配することで癒しと美しさを加えられ、成長する過程も日々楽しめる。とはいえ、どんな植物があり、育てやすいかどうかは初心者にとって重要な問題だろう。そこで、植物を使った空間プロデュースを手がける石田有佑さんにデザイン性の高い観葉植物を選んでもらった。

1983年生まれ。ファッションスタイリストの熊谷隆志氏に師事した後、2011年に独立し、「UI PRODUCT」を主宰。現在は、植物を使った空間プロデュースや植栽のディレクション、植物関連のプロダクトデザインなどを手がけている。

土がないような環境でも逞しく育つため、“耐え忍ぶ”植物として、日本では古来から人々に愛されてきたシダ植物の「シノブ」。切れ込みが多数入った葉の形状が特徴的で、涼しげな印象を与えてくれる。そんなシノブは冬になると落葉する性質を持つが、落葉せずに常緑なのが「トキワシノブ」だ。見た目には大きな違いはない。小ぶりなサイズのものが多く、インテリアのちょっとした空間を埋めたり、単調になりがちな棚に置いたりすれば、部屋のアクセントとして重宝するだろう。また、比較的丈夫な品種として知られており、扱いやすい。

アスパラガスと聞くと野菜を思い浮かべるが、こちらは観賞用の「アスパラガス・プルモーサス・ナナス」という品種。葉のように見える部分は「仮葉」と呼ばれる茎で、水平に広がるように伸びていく。まるで緑の霞がかかったような、仮葉の繊細な様が特徴だ。インテリアに柔らかさとアイキャッチを加えたい時に最適。乾燥に強く、耐陰性もあるため、初心者でも育てやすい品種なのも嬉しい。

ボリビア原産の常緑高木「エバーフレッシュ」。小さく細長い葉が連なるようについており、樹形も華奢でスタイリッシュだ。また、夜になると葉を閉じて眠るという一風変わった品種で、一日に二つの表情を見ることができる。10cmほどの小さいものから、大きいものになると鉢のサイズにもよるが10m以上に生長することも。存在感のある植物を飾りたい時に、真っ先に候補にあがるはずだ。

散り斑と呼ばれる、まばらな斑点が入った美しい葉が特徴的な、ゴムの木の仲間である「フィカス ジン」。スタイリッシュな立ち姿と珍しさも相まって、人気が高い品種だ。新芽が芽吹く頃になると赤みがかった色をつけ、白から緑へと徐々に移り変わる。日当たりの良い場所で管理すると、模様を比較的維持できるという。「永久の幸せ」という花言葉を持ち、プレゼントとしても人気が高い。通常のゴムの木と同様に、丈夫で育てやすく初心者にもオススメだ。

ハート型をした肉厚な葉が愛らしい「ぺぺロミア ジェイド」と、クルっとカールした葉をもつ「フィカス ベンジャミン バロック」。ぺぺロミア ジェイドは多肉質で乾燥に強く、初心者にも育てやすい。直射日光を避けてレースカーテン越しの窓際や半日陰に置いて管理したい。フィカス ベンジャミン バロックは、ひと鉢あるだけで場に華やかさをもたらしてくれる。環境適応能力が高く、置き場所を変えると環境の変化により落葉することがあるため、一か所に定着させると良いだろう。