シャツ27,500円、デニムパンツ22,000円、靴下3,300円/YAECA(YAECA APARTMENT STORE TEL:03-5708-5586)、肩にかけたニット48,400円/CONTEMPO、サンダル13,200円/ビルケンシュトック(ともに、YAECA HOME STORE TEL:03-6277-1371)

インテリアの印象が劇的に変わる デザインで選ぶ照明・ライト

Photos:モデル/TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:モデル/MARIKO KAWADA
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

家具やじゅうたん、あるいは壁紙など、部屋を飾るアイテムのセレクトに注力するなか、後回しになりがちなのが、照明・ライトだ。どのように光を発するのか? オブジェクトとしてどんな形をしている照明なのか? 光の当たり方によって、インテリアの印象が大きく変化するため、家具のひとつとして、椅子やソファ、テーブルなどと同じように吟味して選びたい。作家性が強いデザイン性に富んだ照明・ライトを中心に紹介していこう。

近代照明のルーツともいうべき北欧が世界に誇る照明ブランド「ルイスポールセン」

1874年にデンマークで生まれた照明ブランドが「ルイスポールセン」。同ブランドが一躍脚光を浴びることとなったのは、1920年代半ばに気鋭のデザイナーで建築家でもあったポール・ヘニングセンと共同で照明器具の開発に着手したことが大きい。グレアと呼ばれる不快な眩しさを、光の反射や拡散をコントロールして抑え、空間の美しさを引き立てることを得意としている。初期の代表作にポール・ヘニングセンがデザインした「PH 5」や「PH アーティチョーク」などがある。

照明は建築のラストピース近代建築の巨匠が手がけた和の心を感じる照明デザイン

ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと並び「近代建築の三大巨匠」と呼ばれるフランク・ロイド・ライト。フレデリック・C・ロビー邸、落水荘・カウフマン邸、そして日本では旧帝国ホテルなど、生涯で1100を超える建築設計を行なった彼は、外観はもちろん内装やインテリアに至るまで、そのすべてを建築の一部と見なしてデザインしたといわれている。なかでも重要なエレメントである「光」にこだわり、照明器具にも並々ならぬ情熱を注いだ。平等院鳳凰堂など日本の建築や文化からも多大な影響を受けたといわれ、その一端は照明器具のオリエンタルなデザインからもうかがえる。

シンプルなオブジェクトの組み合わせなのにエレガント気品あるアナスタシアデスのライト

キプロス出身のインダストリアルデザイナー、マイケル・アナスタシアデス。土木工学を学んだあと、インダストリアルデザインの道に進んだという異色の経歴のもち主だ。プロダクトやインテリアに加え、環境デザインでも活躍したが、シンプルでクラフト感がありながら、感性に働きかけるエレガントさを併せもつ照明分野の評価が高い。繊細なポール上に絶妙なバランスで配された、ガラスシェードが特徴的な「IC Lights」シリーズや、バーの上で球が静止した瞬間を切り取ったテーブルランプなどの「ARRANGEMENTS」シリーズが有名。

イタリアのプロダクトデザイナー ミケーレ・デ・ルッキによるスタイリッシュなアームライト

イタリア出身の建築家で、プロダクトデザイナーでもあるミケーレ・デ・ルッキ。フィレンツェ大学で建築を学んだ後、デザイン・スタジオ「アルキミア」に参加し、キャリアをスタートさせた。1981年にはエットーレ・ソットサスを中心に結成されたデザイナー集団「メンフィス」に加わり、ポストモダンの代表として一世を風靡。人間×環境×テクノロジーとの関係性をデザインするような建築やプロダクトで知られている。エルメスによる最初の照明コレクションを手がけているが、代表作はイタリアのモダン照明器具メーカー「アルテミデ」とコラボした「TOLOMEO」シリーズだ。

柔らかく独創的な光に魅了される伊東豊雄が手がけたぼんぼりのような照明「MAYUHANA」

現実と仮想が融合したような独創的なコンセプトの建築で、世界から高い評価を受ける建築家の伊東豊雄。2013年には、建築界のノーベル賞と評されるプリツカー賞を受賞した。そんな彼が手がけた照明のひとつが、「MAYUHANA」。かつてのぼんぼりを思わせるようなフォルムが特徴的な照明で、光が二重、三重のシェードを透過することで、優しく、独創的なものに生まれ変わる。