「軍幕テント」を使ったミリタリーキャンプのススメ
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    「軍幕テント」を使った
    ミリタリーキャンプのススメ

    2021.06.19

    コロナ禍のなか、密にならずにできる遊びとしてキャンプがこれまでにないほど盛り上がっています。人気Youtuberの影響もあってか、ソロキャンプ人口も増加中。キャンプスタイルも多様化するなか、外遊び好きなお洒落キャンパーたちのインスタなどでよく見かけるのが「軍幕テント」を使ったミリタリーなキャンプスタイルです。ということで今回は、ミリタリーキャンプの魅力をお伝えします!

    Edit&Text/Kazuyuki Nomura

    ミリタリーキャンプスタイルの魅力とは?

    中目黒のライフスタイルセレクトショップ「hallelu」の店主、加瀬さんは大のキャンプ好きで、数年前からミリタリーアイテムを使ったキャンプの魅力にどっぷりと浸かっている人物。まずは、ミリタリーキャンプスタイルの魅力を聞いてみました。

    ライフスタイルセレクトショップ「hallelu」の店主・加瀬さん

    ライフスタイルセレクトショップ「hallelu」の店主、加瀬さん

    「僕がミリタリースタイルのキャンプにハマったのは、ソロキャンプをするようになってから。それまでは普通のアウトドアブランドのギアを使っていたのですが、キャンプに行く回数が増えていくにしたがってギアにもこだわりだし、もともと好きだったミリタリーアイテムを使ったキャンプスタイルに行き着きました。

    ギアの特性上グループキャンプには不向きで、基本的にはソロキャンプの野営スタイル。アウトドアで快適さを求める人にはオススメできませんが、より自然を身近に感じたい人、スタイルを重視したい人には魅力が分かってもらえると思います。このスタイルでキャンプをやるようになってから、整備されたキャンプ場ではなくフィールド(ちゃんと許可された場所)でやることが多くなりましたね」

    加瀬さんの多彩なミリタリーキャンプスタイル。キャンプ場ではなく、野営に近いスタイルで行うことが多いそう。最近はさらに野営化が進み、ハンモック泊にハマり中だとか。

    「いわゆる軍モノのギアって、当然レジャー目的でつくられたものではないので、つくりは最低限。最新スペックのアウトドアギアと比べると重く、機能面では全然劣ります。でもその分使い込むほどに味が出てくるし、何より見た目がカッコいい! 米軍はもちろんですが、僕はヨーロッパのミリタリーものも好きで所有しています。用途を限定せず、自分でアレンジして、工夫しながら自由自在に使えるのも魅力ですね。その不自由さも含めて、僕には合っているのかな」

    スウェーデン軍に官給されていたアルミ製のメスティン、ハンガリー軍に官給されていたカトラリーセット

    (左)SWEDISH MILITARY COOKING UTENSILS SET/スウェーデン軍に官給されていたアルミ製のメスティン(飯盒)セット。熱源とクッカーが一緒になっている。(右)HANGARY MILITARY CUTLERY/ハンガリー軍に官給されていたカトラリーセット。スプーン、フォーク、ナイフ、缶切りのセット。

    FRENCH MILITARY HAND LIGH、GERMAN MILITARY PUPTENT

    (左)FRENCH MILITARY HAND LIGHT/フランス軍に官給されていたL字型のハンドライト。単1電池2本で点灯。(右)GERMAN MILITARY PUPTENT/ドイツ軍に官給されていたデッドストックのパップテント。全て加瀬さん私物

    ミリキャンに欠かせない「軍幕テント」とは?

    ミリタリースタイルのキャンプに欠かせないのが、軍幕を使ったテントスタイル。これを使うだけで、ミリタリースタイルになるといっても過言ではありません。

    「軍幕」とは、戦後永らく各国の軍隊にひとり1枚ずつ官給されていた兵士の携行品。米軍だけでなく、ドイツ軍、ロシア軍、ベルギー軍、ポーランド軍などさまざまな軍隊のものがあり、軍によって仕様も異なります。写真は米軍で使われていた軍幕を2枚連結させて、シェルター状にしたもの。

    最低限雨風が防げるので、季節にもよりますがこれで一晩明かすことだって可能。難燃のコットン製のものがほとんどなので通常のテントのように内部に空気がこもらず、前室部分でたき火など火の取扱いができるのも魅力です。

    広げるとこの状態。2枚の軍幕はボタンで簡単に連結できるようになっています。組み立て方も超簡単で、中央に2本のポールを立てて、側面をペグダウンしていくだけ。通常の弾力性のあるポールを使わず設営できるのも特徴です。

    ひとつ気をつけたいのが、軍幕の多くはファスナーがついておらず、ノーマルの状態だと前面の開閉ができない点。写真のように片面を跳ね上げてフルオープンにするなら、自分でファスナーを取り付けることが必要です。

    生地にハサミを入れてファスナーを縫いつけるので、自信がない人は専門の業者さんに依頼するか、カスタム済みのものを購入するのがオススメ。シェルタースタイルで使いたいなら、このファスナーカスタムはマストです。

    軍放出品ならではの武骨な雰囲気も魅力的。コットンなので使い込むほどに風合いが増し、汚れもそのまま味になります。

    最近はじわりと人気になっているため価格も高騰気味で、大体の相場としては軍幕一枚1〜3万円ほど。基本は放出品のため市場に一気に出回ることもあれば、探してもなかなか状態が良いものが見つからないことも。

    個人売買で買う際は、穴開きや状態などはもちろん、ファスナーカスタムの有無もしっかりとチェックするようにしましょう。

    雰囲気も抜群な、軍幕テントを使ったミリタリーキャンプスタイル。使い勝手の悪さも含めて楽しめる人であれば、その魅力の虜になるはず! ぜひ注目してみてはいかがでしょう。

    撮影協力:hallelu

    ミリタリーアイテムを中心に、独自にセレクトが光る中目黒の人気店。ミリタリーのキャンプギアも充実しており、今回ご紹介したアイテムも購入可能。
    住所:東京都目黒区上目黒1-19-1
    TEL:03-5734-1946

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