ワイルドキャンプでは、現地調達で自作できるものは自作したいところ。とはいえ、寝床や椅子などといった大掛かりなものはレベルが高く、必要なスキルがグンとあがるので、まずは簡単につくれるものから始めて、少しずつレベルアップしていきたい。話す相手もいないソロキャンプは、時間ならたんまりある。子どもの頃に没頭した秘密基地をつくる感覚で、工作に没頭してみてはいかがだろう。身につけたクラフトスキルは、有事の際にも生き抜くスキルとしても活かせ「何があっても大丈夫」という自信にも繋がるはずだ。
いい感じの太い枝さえ見つかれば、誰でも超簡単につくれるマルチハンガー。最も手軽につくれるギアのひとつだが、これがあると実はかなり便利。ジャケットなどをかけるハンガーとしてのほか、ランタンハンガーとして使えば周囲を明るく照らしてくれる。斧がなければ、ナイフや鉈でもOKだ。
先が二股に分かれている適当な大きさの枝を見つけ、不要な部分は鉈や斧を使って適当にカットする。その後、地中に打つほうの先端を斧で削っていく。削った部分が多いほど深く地中に入っていくので、ある程度しっかり削っておくのがポイントだ。今回使った斧は「ハルタホース」の「オーゲルファン ミニハチェット」。同社の斧の中では最小モデルで扱いやすく、携帯性も高い。17,600円(飯塚カンパニー TEL.03-3862-3881)
後は設置したい場所に削った枝を打ち込むだけ。金槌があればベストだが、このために荷物を増やしたくないので別のもので代用。今回は斧頭を使って地中にしっかりと打ち込んだ。たったこれだけでオリジナルのマルチハンガーが完成!
ある程度重さがあるM-65ジャケットやランタンを吊るしてもしっかりと安定。ランタンのようにある程度の高さを出したいものや、よく使うものなどをかけておけば利便性がグッとアップする。
現地で倒木を切り出してつくる、簡易的なスウェーデントーチ。穴をあけるドリルを使わずつくる簡易的なクラフトだが、切り出した木が燃料となり、木そのものが“台”にもなるので焚き火台としても使え、この上で湯沸かしや簡単な調理ができるのもポイント。とてもワイルドな焚き火が楽しめる。
斧を使い、丸太を4等分にする。今回はサイズが大きめだったので斧を使ったが、もう少し小型の丸太で刃が入るようであれば、ナイフを使ったバトニングでもOK。
今回は中央の部分に燃焼剤を入れるため、燃焼剤が入る大きさの穴をつくる。それぞれの木の中央になる部分を少し削っていく。空気がしっかり入っていくよう、上部分も少し削っておく。
重ねた時に、下から見た時と上から見た時がこのような状態になっておけばOK。空気の流れ道をつくってあげることで、燃焼していく。
4本の木を合わせて、上下2箇所を針金でしっかりと固定する。動いてしまうと燃焼した時に崩れてしまうので、しっかりと。針金で手を切ってしまわないよう、手袋をして作業しよう。
底部分の穴に燃焼剤をセットし、火をつければ完成! 4本の木にしっかりと火が移れば、あとは勝手に燃えていくはず。
内部で燃焼した火が縦穴を急速に上昇するので、湯わかしや調理にも使える。一度火がつけば木が崩れるまで数時間は燃え続けてくれる。地面に直接火があたらないように注意し、また火が延焼しないようにするなど、焚き火の基本は順守しよう。
フィールドでのクラフトにも欠かせないのがナイフだ。さまざまな種類があるが、木を割ったり、削ったりするなら刃の鋼材がグリップの芯に固定され、ハンドル後端まで通っている頑丈なフルタングナイフを選びたいところだが、用途に合わせて複数本持っておくとより心強い。
OUTDOOR ELEMENT
フェニックスタロン サバイバルナイフ
2012年創業、コロラド発「アウトドアエレメント」のサバイバルナイフ。ガットフックや肉抜き穴が印象的な1本は、D2鋼を使用した頑丈なフルタング構造。非常に高い切れ味を保持し、グリップにフリント式の着火装置付き。グリップ内にも着火剤など小物を収納できる。16,500円(モチヅキ TEL.0256-32-0860)
MORAKNIV
ブッシュクラフト エキスパートSRT
創業130年を誇る、スウェーデンを代表するナイフブランド「モーラナイフ」の1本。刃厚3.2mmのステンレススチール製ブレードは非常に高い耐久性を備え、サビの発生を抑えるDLCコーティングも施される。ブレードの背でファイヤースターターの着火も行える。9,570円(アンプラージュインターナショナル TEL.072-728-2781)
BAREBONES
No.6 フィールドナイフ2.0
アメリカのソルトレイクシティで誕生した新鋭ブランド「ベアボーンズ」の頑丈なフルタングナイフ。高炭素焼戻しによるスチールブレードはとても強く、切ること、削ぐことに優れている。刃厚は4.7mm。ハンドルは高級感があるウォールナットハンドルを採用し、ワックスキャンバスの素材シースも雰囲気抜群。11,000円(エイアンドエフ TEL.03-3209-7575)
HULTAFORS
アウトドア フォールディングナイフ OKF
キャンプ斧の代表的なブランド「ハルタホース」のフォールディングナイフ。ブラックコーティングされたステンレス鋼を備え、携帯性に優れたコンパクト設計。フルタング構造ではないのでバトニングなどには向かないが、多目的かつクイックに使えるのがポイント。同ブランドのファイアスチールFS(別売り)で火起こしも行える。9,350円(飯塚カンパニー TEL.03-3862-3881)
OPINEL
ステンレススチール ラグジュアリー No.9 ウォールナット
初心者の入門ナイフとしてもオススメな、老舗ナイフメーカー「オピネル」のフォールディングナイフ。刃渡り約90mmの新サイズは、柄もオーク、ウォールナット、オリーブの3種類が用意されている。本格的なクラフトには向かないが、料理などには使いやすく、1本持っておくと何かと重宝するはず。3,740円(ハイマウント TEL.03-3667-4545)