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    暮らし・住まい

    男たちの料理道具#18 
    錆びないH-1鋼を採用した
    ジー・サカイのサビナイフ

    2022.03.17

    キャンプや釣りなど、アウトドアで使用するナイフの場合、サビないことも大事なポイント。とくに釣りでは釣った魚をその場で、血抜きや神経締めを施すのが一般的です。通常のナイフでは塩水であっという間に錆びて、使い物になりません。そこで今回は知る人ぞ知るジー・サカイのナイフをご紹介します。

    Styling&Movie&Photo:YASUNARI ARAI
    Edit&Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

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    • 監修:荒井康成氏
    • 料理道具コンサルタント

      監修:荒井康成氏

    • 日本初の「料理道具コンサルタント」。各食情報雑誌でのコラム執筆やスタイリング撮影、食の学校「レコール・バンタン」の講師など、料理道具コンサルタントとして多岐に渡り活躍中。

    新たな鋼材を使った製品開発に挑む
    刃物の街・関市のナイフメーカー

    岐阜県関市は「刃物の街」として知られています。その起源は鎌倉時代にまで遡ります。元重という刀工が、関に移り住み、刀鍛冶をはじめたことがきっかけだったと言われています。この地には、刀作りに適した粘土質の土や、製鉄に欠かせない燃料の松炭がありました。また、長良川と津保川から大量の水を調達できるため、多くの刀匠も後を追うように関市に集ってきたと言います。いつしか関の刃物は「折れず曲がらずよく切れる」と評判になり、全国に広まっていきました。

    その伝統を受け継ぎ、いまでも関市には刃物メーカーや加工業者が本社を構えています。1947年創業のジー・サカイもそのひとつです。アウトドアナイフや包丁の開発・製造を行っていますが、主力商品だったポケットナイフが米国で高い評価を受けたことをきっかけに、世界的に有名なナイフブランドのOEMパートナーとして、技術を磨いてきました。さらに鋼材の研究に熱心な点も同社の特徴です。用途に合わせた切れ味、刃持ち、そしてサビにくさを追い求めて、独自の製品を展開しています。

    60センチを超す大型マダイの
    血抜きから捌きまでOK

    今回ご紹介する「サビナイフ6 仔鯱」は、ジー・サカイの鋼材に対する熱意と、高い製造技術が体験できる一本です。食材を切るブレード部分には、ローカーボンステンレスという錆にとても強い新鋼材を採用しています。また接続部に使用されるネジも18-8ステンレス材という錆びに強い鋼材を選択するなど、アウトドアでの利用を想定しています。

    切れ味も当然、鋭くフィールドテストでは60センチを超す大型のマダイの血抜きから捌きまでを、船上でいとも簡単に完了したといいます。加えて、屋外での扱いやすさを考慮し、衝撃に強いグラスファイバー強化ナイロン製のケースを付属。ベルトも取り付けことができますが、その際にケースの角度が自由に調整できるため、ブレードを手早く仕舞えます。そのほか、ワンタッチで取り外しができるロックベルトクリップを標準装備している点にも、ユーザーに配慮した設計を心がけている様子が伺えます。

    ちなみにグリップのカラーリングがビビッドなのは、屋外での視認性を重視するプロフェッショナルユーザーからの意見を採用しているとのこと。細部へのこだわりを感じるナイフです。

    ITEM DATA

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      ▼荒井さんセレクト
      ジー・サカイ「サビナイフ6 仔鯱 右利き用」

    ▼荒井さんセレクト
ジー・サカイ「サビナイフ6 仔鯱 右利き用」

    まさしく"鯱"のような実力が秘められている釣り用ナイフ「ビナイフ6仔鯱」。錆に強いローカーボンステンレスをブレードに採用し、すべてのネジには18-8ステンレス材を使用している。そのため、鋭い切れ味に加えて耐久性も抜群なうえ、錆びにくく衛生的だ。握った時に力が入りやすい形状になっているハンドルには、軽くて丈夫で汚れも取れやすいFRNを採用。小振りなサイズながらしっかりとした厚みと強靭さを誇る。

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