世代に関係なく古着人気は再燃しているが、特に若い世代の注目度が高い。古着好きを公言する菅田将暉の影響力、新品にはないデザインが新鮮に映っている、古着のサイズ感が昨今のオーバーサイズの潮流とマッチしている、90’sカルチャーの再評価など、さまざまな要因が考えられそうだ。ただ、これは声を大にして言いたい。古着は大人こそ着るべきなのだと。なぜなら、当時のカルチャーや時代を知り、モノの価値がわかっているのだから。さあ、古着をはじめよう!
Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Hair&Make:SUGO
Model:KENSEI MIKAMI
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)
かつての古着は50’sや60’sなど、僕らが生まれる前に製造されたような、希少価値の高いヴィンテージモノがメインストリームだった。それが70’s→80’s→90’sと徐々に若返り、現在は2000年代のモノまで再評価される時代になっている。そんな“ニューヴィンテージ”というべき古着を軸にしたMixコーデ。バーバリーのシンボリックなトレンチコートなら、これ一枚で様になる。新品で買うには高価だし、身体に馴染むのに時間がかかる。古着屋で適度に味が出た風合いなら、いつもの服にもしっくりはまるだろう。気張りすぎない着こなしを上級者に見せる、歴史あるハイブランドのなせる技だ。さらにインナーにアーティストTシャツを合わせ、今日的な着こなしにアップデートした。
リーバイスのなかでも、特にシルエットがルーズなモデルといえば560だ。ヒップ周りがダボっとゆとりがあるのに対し、裾は締まり、強くテーパードがかかったバギーシルエットになっている。90年代に流行った、この懐かしの560デニムを使ったコーデ。ワイドテーパードやリラックスフィットといわれるデニムのシルエットは近年注目を集めており、トレンドとの相性も良い。DCブランドブームを彷彿とさせるボンタンシルエットをブラックデニムで取り入れることで、ハードルが下がり、コーディネイトの主役になっている。ルーズさに歯止めがかかるよう、ホワイトTシャツとシャツジャケットで品の良さを加えると、年相応のバランスに仕上がるはず。
ヴィンテージ古着が持つ希少性だけではなく、新品にはないデザインの独創性、個性に着目するなど、ひとつのファッションアイテムとして人気が広がっている点が、令和の古着ブームの特徴だ。そのため過度な古着っぽさは敬遠される。そこで重宝するのが、清潔感のある着こなしにも合わせやすいミリタリーライナージャケットだ。ハードな印象を和らげるライトなカラー選びと、スポーティに仕上がるスニーカーとのコーデがキモ。
古着のライナージャケット5,940円(古着屋JAM 原宿店 TEL:03-6427-3961)、Tシャツ7,700円/オリジナル チャコール(チャコール トーキョー TEL:03-6432-5267)、パンツ46,200円/ジェームス パース(ジェームス パース 青山店 TEL:03-6418-0928)、スニーカー19,800円/ニューバランス(ニューバランスジャパンお客様相談室 TEL:0120-85-7120)
古着の定番アイテムといえば、ラルフローレンのポロシャツやロングスリーブシャツだろう。人気ブランドだけに古着の数も多く、サイズ、柄、色などが豊富で、古着ビギナーでも手に入れやすい。いつも着ているジャストサイズから2サイズアップくらいがオススメ。ひと昔前なら持て余すオーバーサイズだが、今ならむしろしっくりくる。古着のミリタリーパンツを合わせることで、コーディネイトに秋らしい季節感と上質さを加えることができるのだ。