季節外れの暖かい日だったとしても、朝晩になると、しっかりと冷え込む。また、電車やバスなど移動中は暖かいが、外に一歩出れば寒さを感じることもあるだろう。そんな寒暖差のある日にも重宝するのが、インナーダウンだ。アウターの下に一着入れるだけで優秀な防寒対策になる。しかも、軽くて扱いやすい。その一方で着ぶくれしたり、ジジくさく見えてしまうこともあり、取り扱いにコツがいるアイテムでもある。そこで防寒はもちろん、コーディネイトのアクセントにもなる、インナーダウンのとっておきの使い方を紹介する。
Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)
一般的なダウンジャケットやインナーダウンには、中に詰めるダウン(羽毛)が偏ってしまわないよう、ステッチ(縫い目)が入っている。こうしたダウンをインナーとして着用すると、上半身にボリュームが出て、着ぶくれの原因になってしまう。その点、ステッチのないシームレスダウンは、ステッチではなく、表地を圧着させることでダウンの偏りを防いでいる。こうしたシームレスダウンをインナーに選ぶことで、トップスのボリュームを抑えることができるのだ。
デサント
「パーテックス
プリマロフトカーディガン」
プリマロフトという人工羽毛を中綿に採用した軽量カーディガン。プリマロフトは羽毛のような保湿性・柔軟性・軽量性に加えて、撥水性まで兼ね備えた万能素材だ。ステッチのないシームレスタイプなので、着ぶくれの心配がなく、インナーダウンとして重宝するはず。表地には撥水機能があり、ウェット時にも保温性能を維持してくれる。
秋冬シーズンは、くすんだアースカラーなどダークトーンが基調のコーディネイトになりがち。ともすれば、のっぺりとした平面的な印象を与えることに。そこでライトカラーのインナーダウンの出番だ。防寒対策になり、なおかつ差し色効果で、コーディネイトに彩りを加えることができる。落ち着きすぎたトーンに変化を加えるアクセントとしても、インナーダウンは使える。
マニュアルアルファベット
「マニュアルアルファベット×ナンガ
別注CMR リバーシブル ダウンジャケット」
表地に極細番手の糸を使用した超軽量撥水マイクロリップを採用。裏地はマットな色調とコットンライクなタスランタフタを採用し、撥水性に加え、紫外線をブロックする特性を持つ。リバーシブル仕様になっているため、気分やコーディネイトによって使い分けができる。
日頃はインナーダウンとして使い、日差しが暖かい時には、アウターとして使う。存在感あるデザインのインナーダウンなら、そんな“二刀流”の着こなしもできる。写真は、BEAMS LIGHTS×TAIONの別注シリーズ第3弾となるベトジャンをモチーフにしたリバーシブル仕様のインナーダウンだ。フィッティングにほど良い余裕があるため、単品使いがしやすいのも特徴。個性的な刺しゅうを活かさない手はない。
ビームスライツ
「TAION × BEAMS LIGHTS別注
ベトジャン リバーシブル インナーダウン」
ベトナム戦争から帰還する米兵が、寝袋やパラシュートの生地に、ベトナム由来の刺繍を施してつくったといわれる“ベトジャン”をモチーフにしたデザインが特徴のインナーダウン。リバーシブル仕様で、裏面はキルトライナーのジップブルゾン型。中綿に800フィルパワーのダウンを使用しており、保温性も申し分ない。単品使いを想定して、程よい余裕を持たせたフィッティングを採用している。パッカブルで付属のポーチに収納も可能。