暖冬に欲しいアイテムたちと フレキシブルな冬支度

ファッションならコート、ニット、マフラー、そして手袋。こたつや鍋も、冬と聞けば思い起こすシーズナリーなアイテムだろう。衣替えとともに、それらを引っ張り出していけば、自然と冬支度が整っていく。しかし、今年は暖冬で例年のようにはいかないだろう。防寒対策がトゥーマッチになりかねない。そこで、暖冬イヤーを快適にする今年ならではの冬支度を考える。

Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)
Special Thanks:plywoodニホンバシ店、iki ESPRESSO TOKYO

ONもOFFもこれ一枚。

今冬の主役はライトアウター

今年は11月に入っても季節外れの高温が続いている。この先も暖冬の予想だ。例年なら防寒着を新調している頃だが、いつもと違ったウィンターシーズンになりそうな気配。アウターもぶ厚いダウンジャケットより、薄手で脱ぎ着しやすいライトなアウターが今冬の最適解かもしれない。レイヤードのほうが、シーンや時間帯によって、体温調整がしやすいからだ。そこで今回は、趣味も仕事も謳歌している3人の大人のリアルな日常に密着。ONとOFFの両方で使える注目のライトアウターを着こなしてもらった。
Case1
ON
フリース19,800円/エルエルビーン(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店 TEL:03-6212-1500)、ニット24,200円/スティル バイ ハンド(スタイルデパートメント TEL:03-5784-5430)、パンツ34,100円/コノロジカ(HEMT PR TEL:03-6721-0882)、キャップ8,580円/ノンネイティブ(ノンネイティブショップ TEL:03-5990-4520)、スマートフォンケース2,860円/トポロジー(トポロジー フラッグシップ ショップTEL:03-6427-4460)、シューズとエプロン/スタイリスト私物

春日ジュンヤさんのとある1日

モデル・俳優/プロデューサー。東京と出身地である島根・出雲との二拠点生活を送りながら、ブランドプロデュース、ブランドショップやカフェレストラン経営、地ビール醸造なども手がけている。趣味はサーフィン、スケートボード、釣りなど。

「人手が足りないと、知人に頼まれ、カフェを手伝うことになった。会社を辞めて、ふらふらと転職活動をしていることを、どこかで聞きつけたのだろう。あいかわらず地獄耳なやつだ。でも、挽きたてのコーヒー豆の香りに包まれていると、声をかけてくれたことにむしろ感謝したくなる。見知らぬ人と交わす挨拶で、心がじんわりほぐれていくからだ。

顔見知りのお客さんもちょっとずつ増えてきた。先日は、調子に乗って“いつものですか?”なんて尋ねてみたが、その時のお客さんの何ともいえない笑顔が忘れられない。会社員時代は味わえなかった、心地良い距離感の交流。いつか、自分のお店を持ってみるのも悪くないな」

OFF
フリース19,800円/エルエルビーン(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店TEL:03-6212-1500)、ボーダーT9,680円/ビームス プラス(ビームス プラス 原宿TEL:03-3746-5851)、デニム19,800円/ファーラーxビューティー&ユース(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店TEL:03-6212-1500)、ニット帽22,000円/サイド スロープ(HEMT PR TEL:03-6721-0882)、サングラス18,700円/アイヴォル(アイヴォル トウキョウ ストアTEL:03-6427-3677)、シューズ/スタイリスト私物

「子供の頃の遠足もそうだったが、あれを持って行こう、これを用意しようと、最高の結果を想像しながら、準備している時間が一番楽しい。サーフィンもそうだ。日課のように波をチェックし、日取りを決め、そして車にボードやウェットスーツを積み込む。その高揚感がたまらない。サーフィンの朝は早いし、冬になれば痛いほど風や海が冷たい。だから当日は楽しいことばかりじゃない。波に恵まれず、凹む日だってある。それでもまた数日経つと、海が恋しくなるのだから、不思議なものである」

90年代のレトロなフリースを最先端素材でアップデイト

LLビーン
「メンズ ソロン・フリース・プルオーバー」

日本の気候やトレンドに合わせ、日本のデザインチームが開発したLLビーンのJAPAN EDITIONコレクションのひとつ。90年代を彷彿とさせるレトロフューチャーなカラーリングと、フリースの質感に哀愁がある。オリジナルのボンディング・フリースには、保温性が高く軽量な中空ポリエステル繊維サーモライト糸を使用。通常のフリースで使用されるサーモライト糸より細いため、ソフトでなおかつ膨らみと張りのあるフリースに仕上がっている。

Case2
ON
アウター48,400円/バブアー × ビームス プラス(ビームス プラス 原宿TEL:03-3746-5851)、カーディガン39,600円/エイチ ビューティー&ユース(エイチ ビューティー&ユース TEL:03-6438-5230)、Tシャツ6,930円/キャルオーライン for ピルグリム サーフ+サプライ(ピルグリム サーフ+サプライTEL:03-5459-1690)、デニム35,200円/リノ(グッドスタンディングTEL:03-6447-2478)、手袋13,970円/ビューティー&ユース(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店 TEL:03-6212-1500)、シューズ/スタイリスト私物

小杉将史さんのとある1日

クリエイティブプランナー/アートディレクター。イベント制作会社に勤務するかたわら、THEHIGHLIGHT(ザハイライト)というブランドを運営し、アパレルやグッズ類を展開している。趣味はキャンプ、バイク、旅行。マイブームはトミカとスポーツジャージの収集。@masashikosugi

「イベントの開催や展示会への出展が決まると、プランが次々と湧いてくる。クライアントとともにコンセプトを考え、コピーを練っていく。ときには空間もデザインする。催事の成功には入念な準備が欠かせない。

そんな準備で慌ただしい時ほど、オフィスを抜け出して、歩きたくなる。無心でちょっと散歩すれば、考えが整理されて、アイディアが降りてくることも珍しくないのだ。方向性がまとまれば、あとは腕を動かすだけ。だから、今日も歩く」

OFF
アウター48,400円/バブアー × ビームス プラス(ビームス プラス 原宿TEL:03-3746-5851)、インナーダウン71,500円/マニュアル アルファベット(エムケースクエア TEL:06-6534-1177)、ボーダーTシャツ11,000円/ナナミカ(ナナミカ 代官山 TEL:03-5728-6550)、パンツ47,080円/ノンネイティブ(ノンネイティブショップ TEL:03-5990-4520)、シューズ17,600円/サロモン(サロモン コールセンター TEL:03-6631-0837)、バックパック18,700円/ノーティブ / カンテラHEMT PR TEL:03-6721-0882)

「週末の楽しみはもっぱらバイクとキャンプ。念願の田舎暮らしが迫っており、しばらくは引っ越しの準備で手いっぱいだが、落ち着いたら、行きたいキャンプ場がたくさんある。自然のなかに自分だけの基地をつくっていく楽しさは、基礎から建てていく家づくりみたいだ。一人ひとり、過ごし方が違い、細部を彩るこだわりのアイテムも人それぞれ。特に最近はデザイン性に優れたキャンプギアが多く登場していて、目移りしてしまう。週末にふらりと立ち寄ったアウトドアショップでも、置き場に困るほどキャンプギアを持っているのに、欲しくなってしまう。眺めているうちに、頭のなかはすでにキャンプ場。自分なら、こんなキャンプをするだろうと、妄想がはじまる。ああ、早くキャンプに行きたい!」

高機能素材とスマートな佇まいが都会的な生活にマッチする

Barbour × BEAMS PLUS
「別注 BEDALE 2レイヤー」

バブアーといえば、クラシックなワックスジャケットが定番だが、ONとOFFで着倒すなら、ハードボイルドな質感はトゥマッチだ。その点、BEDALEは撥水、透湿、防風性を兼ね備えた高機能素材を使用し、今日的にアップデートしたモデル。雨や風、そして暖房が効いたオフィスビルでも、快適な着心地を約束してくれるだろう。また、動きやすいラグランスリーブやサイドベンツ、ハンドウォーマーポケット、袖口には風が入らないようにリブが配されるなど、機能性も申し分ない。裏地にハウスチェックを使用するなど、細部に施されたクラシックなデザインセンスも魅力的。スマートな佇まいはアウトドアだけでなく、都会的なシーンにもマッチするはず。

Case3
ON
パーカー63,800円、バックパック33,000円/ともにアークテリクス(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン https://arcteryx.jp/)、ニット38,500円/スローン(ザ スローン 神戸TEL:078-335-7599)、シャツ28,600円、マフラー12,100円/ともにナナミカ(ナナミカ 代官山TEL:03-5728-6550)、パンツ29,700円/エイチ ビューティー&ユース(エイチ ビューティー&ユース TEL:03-6438-5230)、シューズ13,750円/デサント(デサント ブラン 代官山 TEL:03-6416-5989)、手袋4,400円/フォックスファイヤー(ティムコ TEL:03-5600-0121)

須藤大輔さんのとある1日

プロデューサー。企画デザイン会社に勤務。商談やデザイナーとの打ち合わせのほか、撮影現場やイベント会場を飛び回る日々を送る。趣味はランニングと読書。最近、禁酒に挑戦しているという。

「リモートワークをする人が減って、電車が混んでいる。すっかり以前の混雑ぶりに戻ってしまったみたいだ。リモートワークに慣れてしまった身体にはどうにも堪える。そこで、ダイエットも兼ねて自転車通勤を始めてみることにした。

例年なら寒くて、冬に自転車に乗ろうなんて思わなかったけど、今年はまだまだ風が心地いい。満員電車を尻目に、都心を駆けていく。立体構造パターンのアウターなら動きやすく、ストレスも感じない。もうしばらくはこの通勤スタイルで行こうか」

OFF
パーカー63,800円、ジャケット29,700円、キャップ5,500円/ともにアークテリクス(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン https://arcteryx.jp/)、パンツ14,300円/サロモン(サロモン コールセンターTEL:03-6631-0837)、ゴルフグローブ/スタイリスト私物

「関心はあったけれど、本格的に手を出すには至らなかったゴルフだが、もうそろそろ始めてもいいかもしれない。誘われることもめっきり増えてきたし、最近始めたという声も聞こえてくる。同時期に始めれば、下手だなんだとバカにされることもないだろう。

でも、しばらくはコソ練かな。打ちっぱなしでちょっとクラブを振るだけでも十分にゴルフ気分を味わえる。爽快だし、今更ながら、何でみんなゴルフをするのかわかったような気がする」

ウールによる着心地の良さと可動性を兼ね備えたフーディ

アークテリクス
「ソーヤー ウール フーディ」

アークテリクスのフィット感を微調節できるフーディ。ウールが持つ天然素材の心地良さ。フリースの柔らかな暖かさ。そして、ソフトシェルが持っている透湿性と耐候性をすべて兼ね備えたテックウールを使用した一着だ。立体構造パターンを採用しているため、運動時の可動性も十分。風を通しにくい防風素材なので、自転車通勤にも使える。