クラシック=時代に流されないもの。普遍的なモノ。
辞書で意味を引くと、そんな記述が出てくる。ということは、
クラシックなファッションスタイルってどんな洋服、アイテムを指すのだろう。
そんなふうに考える人がいるかもしれない。
そこでGOODAが考えるクラシックなスタイルについて定義する。
Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Hair&Make:KAZUYA MATSUMOTO
Model:LIM
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

たとえば細身のスーツが流行ったり、反対にゆったりとしたワンサイズ上の洋服を着るのがトレンドになることもある。あるいはジャストフィットが正義という時代も。つまり人気のサイズ感は移りゆくのだ。そのため、シルエットという視点でクラシックを定義するのは難しいのだが、典型的な形はいくつかある。そのひとつがボクシーなシルエットだ。パッドの入ったジャケットなどで作る箱型の直線的なシルエットのことで、身体のラインが出ないのが特徴だ。体型が隠れる分、洋服の存在感が前面に出ることになり、洒落た雰囲気が強調されるシルエットともいえるだろう。


クラシックなスタイルでは、上質感や品格を持たせることが大切。流行に左右されない落ち着きを演出できるからだ。カラー/配色でいえば、ブラウンやベージュ、グレー、それからディープグリーンや紺といった飽きがこない色がベースとなる。また、上質なウールやカシミヤ、あるいはツイードといったオーソドックスで高品質な素材もクラシックなスタイルに欠かせないため、必然的にその素材が持っているアースカラーが中心になるわけだ。

奇抜なデザインや、日進月歩でアップデートされる機能性素材は、「時代に流されないモノ」であるクラシックなスタイルと相性が良くない。選ぶなら、上質感のあるウールやカシミヤ、シルクといった素材だ。また、丈夫で耐久性があり、古くから洋服の素材として使われているツイードやレザーなども、クラシックなスタイルと好相性。


大量生産のカジュアルウェアは縫製や細部へのこだわりを犠牲にコストダウンしている。対する時代を超えて愛される名品になればなるほど、ディテールにまで職人の技と魂が宿っており、プロダクトとして完成度が高いといえるだろう。だからこそ、普遍的なのだ。またペイントやウォッシュといった加工も伝統的な手法として定着しているので、クラシックなスタイルだと解釈できるだろう。