GOODA
vol.25 INDEX

“こなれ感”が今季流
色と風合いで着こなす
秋の上級カジュアル
秋は季節が深まるにつれて、ジャケットやコートなど羽織るモノが増えていく。そのため、着こなしのバリエーションも豊富になりセンスを発揮するのが、楽しくなる季節だ。そんな秋の着こなしを満喫する際にハズせないのが、キメ過ぎないエフォートレス シックなファッション。適度なこなれ感が男の色気を演出してくれる。
Photos:TATSUYA YAMANAKA(Q+A)
Styling:RYOSUKE ITO
Hair&Make:SUGO

ブルゾン15万1,200円/ZELE-Paris(KATACHI TEL:03-5773-5090)、パンツ3万8,880円/FORTELA(カヴァレリア 06-6258-7577)、時計(L.U.C 1937 Classic)117万7,200円/Chopard(ショパール ジャパン TEL:03-5524-8922)、その他スタイリスト私物

レザージャケット31万1,040円/FRANK LEDER(MACH55 Ltd. TEL:03-5413-5530)、シャツ2万5,380円/Samuji(Adam et Rop? BIOTOP TEL:03-3444-2421)、パンツ2万520円/NAISSANCE(LAKE TAJO TEL:03-5708-5757)、靴8万9,640円/NEEDLES × TRICKER’S(NEPENTHES TEL:03-3400-7227)、メガネ3万2,400円/ayame(ayame TEL:03-6455-1103)、傘3万5,640円/フォックス・アンブレラ(ヴァルカナイズ・ロンドン TEL:03-5464-5255)、ソックス2,160円/ファルケ(Wild Life Tailor TEL:03-5728-6320)

コート6万9,120円/キャプテン サンシャイン(CLIP CLOP TEL:03-5793-8588)、シャツ3万240円/The Letters(Letters Inc. TEL:03-6427-0280)、パンツ2万1,600円/AURALEE(CLIP CLOP TEL:03-5793-8588)、靴6万9,120円/JOSEPH CHEANEY(BRITISH MADE 青山本店 TEL:03-5466-3445)

コート4万5,360円/theSakaki(OVERRIVER TEL:03-6434-9494)、中に着たニットT3万7,800円/crepuscule(OVERRIVER TEL:03-6434-9494)、パンツ3万4,560円/COVERT(Adam et Rop? 03-5728-6319)、スカーフ1万2,960円/ENGINEERED GARMENTS(NEPENTHES TEL:03-3400-7227)、メガネ3万2,400円/ayame(ayame TEL:03-6455-5255)

ジャケット価格未定/ANATOMICA(ANATOMICA TOKYO TEL:03-5823-6186)、中に着たカットソー1万4,040円/NEEDLES(NEPENTHES TEL:03-3400-7227)、パンツ1万7,280円/NEEDLES(NEPENTHES TEL:03-3400-7227)、ハット2万3,760円/The Letters(Letters Inc. TEL:03-6427-0280)

シンプルで流行に左右されない
ポール ハーデンを毎日着ています

 娘を見守る心やさしいお父さんから、戦国武将、ヤクザまで—。幅広い役柄を演じ、今や“個性派”として、ドラマ、映画、舞台に欠かせない存在の俳優・田中哲司さん。実はファッションに詳しく、田中さんならではの強いこだわりを持つ。
「ポール ハーデンの服が好きなんです。農夫が着るようなデサインなんですけど、素朴で、流行り廃りがなくて、なんかいいんですよね。もともと、先輩の小林薫さんに紹介してもらったんですけど、2人で飲んだときに、まったく同じポール ハーデンのカーディガンを着ていたことがあって(笑)。それぐらい、ほとんどのアイテムを揃えているし、毎日着ています」
 シャツ、スーツ、帽子なども、基本的には選ぶブランドが決まっているのだとか。
「ディガウェルの白シャツは素敵だなと思いますね。これも毎年買い足しています。スーツは、知り合いのスタイリストさんに薦められたヴァンプ。職人さんがボタンホールまで縫っている、総手縫いのスーツなんですよ。帽子はキジマタカユキの紙の帽子が好きで、よくかぶります。作り手の思いとか、味のあるアイテムが好きみたいです」
 気に入ったアイテムは、インターネットで探して購入することもある。
「松田龍平くんがかけていたトムフォードのメガネは、『それ、いいね』って言ったら型番を教えてくれたので、探して買いました。お店に足を運ぶことはあまりなくて、展示会やネットショップで買い物をすることが多いんです。撮影に入ると本当に時間がないので、手軽にほしい物が手に入るのはありがたい。忙しいときのストレス発散にもなっていると思いますね」

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カーディガン4万2,120円/AURALEE(CLIP CLOP TEL:03-5793-8588)、カットソー1万6,200円/NEEDLES(NEPENTHES TEL:03-3400-7227)、パンツ2万7,000円/DIGAWEL(DIGAWEL TEL:03-6452-3220)、メガネ3万2,400円/ayame(ayame TEL:03-6455-1103)

二人芝居、膨大なセリフ……
難易度の高い舞台に挑戦

 さまざまな役柄に挑み続ける田中さんの、次なる作品は舞台。研究室という密室で起こるシーソーゲームを描く二人芝居『オレアナ』だ。田中さんは、身に覚えがないにも関わらず、女子学生から“セクハラをした”と訴えられる大学教師・ジョンを演じる。
「脚本を読んで、『これは一筋縄ではいかないな』と思いましたね。まず、二人芝居って出ずっぱりで逃げ場がないし、ものすごく労力がいるんです。その上、会話劇でセリフの量が多い。実際に演じたら、掛け合いの間が難しいだろうなと、演じる前から予想できます。これをミスなくできるだろうか、と一瞬考えました。でも、あまりにも戯曲がおもしろいので、やってみることにしたんです」
 『オレアナ』の直前まで、もう一つの舞台『RED』に出演中。そちらも二人芝居ということで、田中さんほどのキャリアを持ってしても「今年は間違いなく、役者人生の山場」と言い切る。

「舞台って生のもので、楽しいけど怖くもある。僕は常に危機感を持って挑むので、終わる頃には、すり減って体がボロボロになってしまうんです。『RED』から『オレアナ』というハードな二人芝居の連投。まだどうなるかわからないのですが、頑張りたいですね」
 現在は準備の真っ最中。舞台に入る前、時間のある時に行くのが“山登り”だ。
「僕はセリフを歩きながら頭に入れるので、山を登りながら、ブツブツとセリフを口に出すと覚えやすいんです。舞台の膨大な量のセリフを自分の中に入れるのは、とても孤独で大変な作業。こうして少しでも気持ちを高めて、乗り越えるようにしています。実は、昨日も行ってきたんですけど……。張り切りすぎちゃって筋肉痛なんです。体力づくりも兼ねていたのに、これはちょっと失敗だったかもしれません(笑)」

PROFILE
田中哲司(たなか てつし)
1966年2月18日生まれ。三重県出身。1990年、日本大学藝術学部演劇学科を卒業。蜷川幸雄、野田秀樹、長塚圭史などさまざまな演出家の舞台作品に出演。映画、ドラマでも幅広く活躍しており、近年の出演作に映画『アウトレイジ ビヨンド』、『そして、父になる』、『愛の渦』、『ビリギャル』、ドラマ『ゴーストライター』、『ヤメゴク?ヤクザやめて頂きます』など。昨年の大河ドラマ『軍師官兵衛』で演じた、荒木村重役も記憶に新しい。今年は舞台『RED』、『オレアナ』に出演。

昇進が決まり、前途洋洋、順風満帆な大学教師・ジョン。彼の研究室に女子学生・キャロルが訪れる。ジョンの授業が理解できないというキャロルに、紳士的に対応するジョン。ところが、後日、キャロルはジョンをセクシャルハラスメントを理由に訴える……。
演出:栗山民也 出演:田中哲司、志田未来