釣りをもっと楽しむためのAtoZ

堤防釣りは、はじめやすいけれど、奥が深い アジング&エギングに挑戦

地域や季節にもよるが、手軽に釣りをはじめられる堤防では、さまざまな魚を釣ることができる。シロギス、アジ、メバル、アオリイカ……、例を挙げればキリがない。仕掛けや釣り方も微妙に異なるため、自分好みの釣りを見つけていくのもまた楽しい。そんな堤防釣りのなかで、近年、人気が高まっているのが、アジングとエギングだ。

アジングは、ゴカイやイソメといった生きた餌ではなく、ジグヘッドとワームを組み合わせた小さなルアーでアジを狙うというもの。生き餌を扱う面倒さがなく、仕掛けもラインの先にルアーを付けるだけとシンプル。しかも、港のどこをアジが回遊しているのかポイントを探ったり、誘い方や魚がいる水深を狙ってルアーを泳がせるテクニックも必要で、ゲーム性の高い釣りとして人気だ。

対するエギングもルアーを使った釣り。エビを模したルアーで主にアオリイカを狙う。こちらもアジングと同様に道具が最小限で、常にルアーを動かして誘うアクティブな釣りで、退屈しない。難易度は高めだが、美味なアオリイカを求めて挑戦するアングラーが後を絶たないのだ。

アジングに必要な仕掛けはジグヘッドとワームだけ

堤防でのアジ釣りの定番は、サビキ釣りだ。仕掛けの途中に小さなカゴを取り付け、そこに餌となるオキアミやアミエビを入れる。餌は海に投入すると、少しずつ広がっていき、自然と魚が集まってくる。漂う撒き餌の中に、針がついた餌を忍ばせて、釣り上げるのだ。難易度が低く、ビギナーに人気の釣り方だが、その反面、準備する道具も多く、餌で手が汚れるというデメリットがある。釣り場も汚れるため、サビキ釣りを禁止しているところもあるくらいだ。

アジングでは、生きた餌をまったく使わない。ジグヘッドと呼ばれるオモリと針が一体となったアイテムを使う。重さも2g程度と、軽いため、扱いやすいのも特徴だ。仕掛けは、このジグヘッドの針にワームと呼ばれるソフトルアーを引っ掛けるだけと極めてシンプル。

軽いルアーを扱うアジングに最適なロッドとリール

軽いルアーを扱うアジングに最適なロッドとリール

アブ ガルシアのロッド「Salty Field SFS-662UL」は、軽いルアーを使うアジングや、同じくメバルをルアーで狙うメバリングに最適。漁港内や堤防の足元など、穏やかな場所で使いやすく、ちょっとしたサビキ釣りにも応用できる。リールは同じくアブ ガルシアのROXANI 2000SH。タフに使いこなせる高剛性のスピニングリールで、飛距離の出やすいデザインを採用しているので、初心者にも扱いやすい。

(ロッド)Salty Field SFS-662UL 8,690円、(リール)ROXANI 2000SH 17,050円/アブガルシア(ともに、ピュア・フィッシング・ジャパン株式会社TEL:03-6860-5180)

アジングは仕掛けをキャストしたら、ゆっくり巻いて誘う

仕掛けの準備ができたら、アジが回遊してきそうな場所を狙ってキャストをする。漁港なら、船の通り道や船着場、あるいは街灯で海が照らされているところなどが、狙い目だ。キャストしたら、たるんだ糸を巻きながら、ジグヘッドが沈むのを待つ。底まで沈んでから巻き始めるのか、それとも途中で巻き始めるのか、あるいはゆっくり巻くのか、途中でスピードアップさせるのか、あたりを感じる巻き方や沈め方を探っていく。その日の魚の活性や、釣るポイント、使っているソフトワームの形や色など、さまざまな要素で反応は違ってくる。必ず、これなら釣れるという正解がない点も、楽しさを増幅する。ちょっとした魚との駆け引きなのだ。いくら投げても反応がなければ、ジグヘッドの重さやソフトワームの種類を交換したり、投げるポイントを変えてみると良いだろう。

もし、途中でコツンと何かが当たるような手応えを感じたら、竿を立てるように、少し強めに引っ張ってみる。魚がかかったら、手応えがあり、釣れたことがわかるはずだ。あとは針が外れてしまわないように、糸の張り(テンション)を緩めず、巻いていくのだ。アジの口は弱く、強く巻きすぎると切れてしまい、逃してしまうので、注意が必要だ。

釣れたアジを餌にしてより大きな青物を狙ってみるのもアリ

アジングだけでも十分に楽しめるが、もし、たくさんアジが釣れるようなら、それを餌にして、イナダやワラサといった青物を狙うのもアリだ。泳がせ釣りと呼ばれる釣法で、生きたアジを針に付けてキャストをする。あとは、そのまま当たりがあるまで、ひたすら待つだけ。もし青物がかかったら、竿先が動くので、すぐにわかるだろう。あまりに反応がなかったら、餌のアジが弱っているのかもしれない。そのときは新しい餌に交換しよう。待っている間はアジングを続ければ良いので、両立できる。

釣れたアジを餌にしてより大きな青物を狙ってみるのもアリ

エギングはリーダーと呼ばれる糸とカラフルなエギがあれば始められる

続いて紹介するのは、エギング。こちらも堤防や磯でできる釣りだ。主なターゲットはアオリイカで、年間を通じて狙うことができる。最盛期は春と秋。春は産卵のために大型のアオリイカが岸に寄ってくる。秋は春に生まれたアオリイカが成長してくる季節のため、数が狙えるのだ。ただ、地域によっては禁漁期間が設けられているので、注意したい。

0.6~0.8号程度の細めのPEラインをリールに巻いたら、そのPEラインにリーダーと呼ばれる糸をつなぐ。エギングでは、海底付近で仕掛けを動かすため、岩や底に糸が擦れて、切れてしまうリスクがある。PEラインはこうした擦れに弱いため、より強度の高いリーダーをつなげることで糸切れを防止するのだ。そして、リーダーの先にエギを付ける。エギはエビを模してデザインされた擬似餌で、ルアーの一種だ。本体にオモリが付いており、糸を引っ張ると海の中で、本物のエビのような動きをする。アオリイカが餌のエビだと思って、抱きついてきたところを付属の針で引っ掛けて釣るわけだ。さまざまカラーリングや重さのエギが売っているので、いくつか重さや色の違うエギを準備しておくと良いだろう。

エギングが存分に楽しめる専用ロッドと軽さがウリの中位モデルのリール

エギングの楽しさに目覚めたら、手にしたいエギング専用ロッド。エクスチューンは軽量で扱いやすく、しかも最新のテクノロジーをふんだんに盛り込んだハイスペックモデル。リールのヴァンフォードは、軽さがウリの中堅機種で、Xプロテクトという防水機構を採用している。また、ボディと同様に軽量性に優れたCI4+素材を使用しており、糸を巻き出す際の軽快感にも定評がある。

(ロッド)セフィアXTUNES86ML 59,510円、(リール)ヴァンフォードC3000 35,640円、(エギ)セフィアクリンチフラッシュブースト 1,243円/以上すべて、SHIMANO(SHIMANO TEL:0120-860-390)

エギングが存分に楽しめる専用ロッドと軽さがウリの中位モデルのリール

本物のエビに勘違いさせるよう巻く速さや動きを工夫するエギング

エギをキャストする代表的なポイントは、堤防の先端や障害物が沈んでいそうなところ。堤防のすぐ際にアオリイカが潜んでいることもある。こうしたポイントにエギをキャストすることから、エギングははじまる。エギが着水したら、底に沈むまで、しばし待つ。このとき余分に出た糸を巻き取ることも大切だ。糸が張るような状態をキープしながら、リールから出る糸が止まるのを待つ。ラインのテンションがふわっと緩んだら、エギが着底した合図だ。

着底したら、竿をシャクって誘っていく。シャクるとは、竿を勢いよく立てて、仕掛けをスピーディーに動かすこと。シャクったら、その分、糸が弛むので、巻いていく。それを何度も繰り返すのだ。また、シャクったあとに少し手を止め、エギを再び沈めることも大事。よりリアルなエビの動きを再現でき、アオリイカが寄ってくるのだ。

連続してシャクってみたり、巻くスピードを早めてみたり、反応を見ながら、工夫してみよう。こちらもアジング同様、当たりがなければ、エギの色や重さを変えてみると良いだろう。もし、エギを沈めているときや、巻いているときに、違和感を感じたら、竿を立てて合わせてみる。かかっていたら、竿が大きく曲がるはずだ。慌てずに、糸のテンションを保ったまま、手を緩めずに巻いていく。手を止めると、糸が緩み、エギからイカが外れてしまう可能性があるので、気をつけたい。

なお、釣り上げたアオリイカが墨を吐くことがある。立ち去る前に、この墨をキレイに洗い流しておくのがマナーだ。

  • 大人の釣りウェア
  • 映える釣りギア
  • アジング&エギングに挑戦
  • 磯や岩場でのジギング
  • 釣った魚をグランピングで食す