海釣りにハマる理由のひとつに、新鮮な魚を食べられる点にある。渓流でもヤマメやニジマスなど食せる魚は釣れるものの、海の方が魚種は圧倒的に豊富だ。魚のサイズも海に分があり、海釣りの大きな魅力になっている。帰宅後に自宅でゆっくり調理するのも良いが、オススメは旅先で釣りをし、そのままグランピング施設で調理するという楽しみ方。旅館やホテルでは調理不可のところが多いが、グランピング施設なら食材を持ち込めて、調理器具も揃っている。多少、料理が苦手でも、釣ったばかりの新鮮な魚は、あれこれ手を加えなくても美味しいのだ。しかも釣りをする場所の近くに泊まれば、鮮度を落とさずに持ち帰ることができるし、移動も楽。もし、温泉施設のあるグランピングなら、汗も流せるし申し分ないだろう。
今回は兵庫県淡路島にあるグランピング施設「グランマーレ淡路」にお邪魔した。明石海峡大橋を渡り、淡路島に上陸したら、東浦インターで降りて海岸線に向かう。そして、しばらく走ると大阪湾を望む海岸沿いにドーム型の建物が見えてくる。約2,700平方メートルの敷地に立つのは、わずか5棟の宿泊施設だ。テント型の宿泊棟で最大6名まで泊まれるベレットテントや、ドーム型テントに寝室があるマーレドーム、そしてドーム型テントが2棟使え、最大10名まで泊まれるモルトドームの3タイプがある。それぞれBBQができるテラス、プライベートガーデン、そして温泉風呂が完備されている。目の前が海のため、その温泉風呂からも絶景が堪能できる。
チェックインを済ませたら、すぐに魚の下処理に取りかかった。アジの泳がせで釣れたイナダを中心に、アオリイカやアジ、メタルジグでゲットしたカサゴなどを調理する。途中で淡路島の名産である玉ねぎも仕入れてきたので、カルパッチョやブイヤベースなどが今夜の献立。加えて、グランマーレ淡路で味わえる自慢のBBQメニューもある。
グランマーレ淡路では、地元・淡路島の食材を使ったBBQ料理が味わえる。淡路牛ステーキ、淡路ポークウインナー、タコアヒージョ、島野菜のキーマカレーほか
釣りをするなら、自分で魚を捌けるくらいにはなっておきたいところ。大量の魚を持ち帰って、あとはパートナーに「捌いて!」とお願いしても、やってくれるわけがない。最初は慣れずに苦戦するかもしれないが、魚を3枚に下ろす方法は、だいたい同じ。数をこなすうちに、それなりに捌けるようになってくるはずだ。そして、ストレスなく捌いていくためには、質の良い包丁が重要になる。包丁の切れ味が悪いと、上手に捌くのが難しい。できれば、頭を切り落としたり、3枚に下ろしたりする際に使う出刃包丁と、刺身用の柳刃包丁は自宅に揃えたい。うろこ取りや小骨を抜く骨抜きがあれば完璧だ。
吉田金属工業の和包丁3点セットは、出刃包丁と柳刃包丁、そして専用の骨抜きがセットになっており、いずれもステンレス製で衛生的。ちなみにまな板は、刃こぼれをおこさないよう木製かプラスチック製がオススメだ。
IST-B05 和包丁3点セット23,100円、GCB-02 GLOBALカッティングボードLarge8,800円/GLOBAL-IST(吉田金属工業株式会社TEL:03-6277-8230)
まずは時間のかかるブイヤベースからつくりはじめる。まずは霜降りという下処理を行う。切り落としたイナダやカサゴのあらに塩をふり、しばし時間をおいたのち熱湯をかけ、その後冷水にくぐらせる。その際、こびりついた血やうろこをキレイに落としておこう。こうした下処理を丁寧にすれば、臭みのないスープがつくれるのだ。玉ねぎの皮や人参の皮など、野菜のクズも一緒に煮込み、トマトも加えテラスに設置されているBBQガスコンロにセットした。同時に買ってきたバケットもこんがり焦げ目が付く程度に焼いておく。出世魚のイナダはブリになるまで成長すれば、脂も多いが、このくらいのサイズのもとはたん白で刺身だと物足りない。だからカルパッチョが最適だ。薄くスライスにしたあと、淡路島産の玉ねぎをたっぷりと乗せて、オリーブオイルをベースにしたソースを掛ければ、できあがり。
ル・クルーゼを代表する鋳物ホーロー鍋が「ココット・ロンド」。煮物だけではなく、蒸したり、焼いたり、あるいは揚げ物や米を炊くこともできる、万能鍋だ。しかもガスコンロに加え、IHやオーブンでの調理にも使える。熱伝導に優れているため、ムラなく熱が入り、食材の持つおいしさを最大限に引き出してくれる。
シグニチャー ココット・ロンド33,000円、メープルウッド・トリベット5,390円、メープルウッド・カッティングボード6,050円、メープルウッド・サービングスプーン4,290円/ル・クルーゼ(ル・クルーゼ ジャポン https://www.lecreuset.co.jp/)
和包丁と同じ水砥石と革砥で仕上げたエクストラエッジという新開発の刃つけを採用しているグローバル イストのパン切り包丁。刃先が波のようにカーブしており、パンを綺麗にカットすることができる。
IST-04 パン切り 20cm 9900円/GLOBAL-IST(吉田金属工業株式会社TEL:03-6277-8230)
1938 年にツヴィリングが開発したロングセラーの料理バサミ。フリオデュアと呼ばれるツヴィリング独自の焼き入れ処理を施した鋼材を使用していて、鋭い切れ味が持続する。また、食材を切るだけでなく、栓を抜いたり、缶やネジ蓋を開ける機能も持つ。
多機能バサミ20cm18,700円/ZWILLING(ZWILLING J.A.HENCKELS JAPAN株式会社 TEL:080-4003-4460)
お腹もすっかり満たされたあとは、プライベートガーデンで焚き火タイム。お酒も入り、少し熱った頬にあたる冷たい潮風が気持ちいい。「あのとき逃した魚は絶対に大きかったはず!」などと、武勇伝を語りつつ、夜は更けていく。思うように釣れなくても、思い出に残る。それが釣りであり、釣り旅の醍醐味なのである。
撮影協力
グランマーレ淡路
兵庫県淡路市釜口字津田2013
TEL:050-3135-2324
https://www.glamping-awaji.com/