山崎育三郎

俳優・山崎育三郎インタビュー キャンピングカーの旅、子どもたちとの登山を夢見る休日

アーガイルカーディガン110,000円、デニムシャツ83,600円、デニムパンツ91,300円、マウンテンブーツ160,600円/以上、すべてDSQUARED2(スタッフ インターナショナル ジャパン クライアントサービスTEL:0120-106-067)
Special Interview 山崎育三郎
Photos : TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling : GO MOMOSE
Hair&Make : MIHO MATSUBARA
Text : SHINSUKE UMENAKA(verb)
2021.9.15

焼けるような暑さから解放される秋が到来。
山々も色づき、キャンプや登山など
ますますアウトドアが恋しくなる季節だ。

そこで現在、キャンピングカーを保有し
家族でしばしばキャンプに行くという
アウトドア好きな俳優・山崎育三郎さんを迎え、
話を聞いた。

野球、ゴルフ、スキー……外で体を動かすのが大好きで家で過ごすのはむしろ疲れる

甘いマスクで、華麗に踊り、高い歌唱力で観客を魅了する。そして演技力にも定評がある。そんなまばゆいスター性から、日本のミュージカル界を牽引する“プリンス”と呼ばれてきた山崎育三郎さんだが、素顔はスポーツをこよなく愛するアウトドア派だ。幼少期から野球に没頭し、フットワークの軽いアクティブな人物としてファンの間では知られている。

「子どもの頃から野球漬けでしたから、家でのんびり過ごすのが苦手なんです。大人になってからも休みがあれば、草野球やゴルフ、冬ならスキーやスノボーと、とにかく外で体を動かすのが大好きです。のんびり家で過ごすとむしろリズムが崩れて、疲れてしまうくらい(笑)。だからコロナ禍になり、外出が難しくなったので、休日の過ごし方に苦心しています」

今年4月には、キャンピングカーで楽しむ車旅の普及や啓蒙を目的としたキャンピングカーアワードを受賞し、主催者から副賞としてキャンピングカーを貸与されたものの、ほとんど活用できずにいるという。

「子どもの頃からキャンプに行くのが、わが家の恒例行事でした。そのせいか、キャンプは家族で楽しむものという考えがあります。以前は頻繁に家族でキャンプをしていましたが、そのときに道具を貸してくれていたのが、国分太一さんです。実は子どもが同級生でパパ友なんですよ。僕が休みを取れないときに、国分さんがうちの子をキャンプに連れて行ってくれることもあり、親子で仲良くしていただいています。国分さんはこだわりのキャンプ道具をたくさん持っていたので、使わせてもらいながら、それを参考に僕も最近、買い揃えました。すでにキャンピングカーに積みこんであるので、準備は万端なのですが……。もし、休みが取れて、気兼ねなく旅行ができる世の中になったとしたら、目的地を決めずにキャンピングカーで全国各地を旅してみたいですね」

山崎育三郎

アメリカ留学で経験した日常にキャンピングカーがある贅沢な暮らし

どこでも寝泊りができるのが、キャンピングカーの良いところ。そんなキャンピングカーでの旅の楽しさは、アメリカ留学時で覚えたと山崎さん。

「学生時代に、アメリカへ留学をしていましたが、そこで双子の兄弟と仲良くなりました。彼らはプロゴルファーを目指していて、週末になるとキャンピングカーで遠方にあるゴルフ場まで遠征に行き、腕を磨いていました。僕も連れて行ってもらって、一緒にゴルフをするようになりました。キャンピングカーでゴルフ場まで走り、近隣で一泊。翌日、早朝からゴルフをして、また次の街を目指して移動する。ゴルフははじめるきっかけにもなったし、良い思い出です」

また登山は地道に登るイメージがあり、アクティブ志向な山崎さんは敬遠していたというが、今秋、公開が予定されている映画「ミュジコフィリア」の撮影で山登りを経験。その魅力の一端を感じたと語る。

「アクティブに体を動かすのが、好きな性格なので、地道に登る登山にはあまり興味がもてませんでした。スポーツジムがあまり好きではないのも同じ理由です。同じ場所をずっと走るというのが、苦手で……。登山にも同じような印象を抱いていたのですが、頂上に辿り着き、絶景を見たときの感動は想像以上でした。また、そこで食べるご飯も格別で、登山の醍醐味に目覚めた気がします。達成感があり、空気も綺麗。いつか子どもたちと登山して、頂上でご飯を食べる機会を設けてみたいという気持ちが芽生えました」

山崎育三郎

自分の可能性を決めつけたくない挑み続けることで誰かがきっと見てくれている

ふとしたきっかけに未体験の面白さを見出し、ポジティブに向き合う。常に新しいことに挑戦し続ける山崎さんらしい発言だ。ミュージカルの世界を飛び出し、映画やドラマの世界に進出。さらにはコンサートもこなし、今秋には1974年から続く人気トーク番組“おしゃれシリーズ”の司会にも挑む。

「『おしゃれイズム』からバトンを受け継ぐ、『おしゃれクリップ』という番組ですが、古舘一郎さん、上田晋也さんと日本を代表する司会者が担当してきた枠を僕が引き継ぐなんて、ありえないですよね。いまでもめちゃくちゃ怖いです。でも、同時に“行け!”って背中を押す自分もいるんです。挑み続けることで誰かが見てくれて、新しいお話をいただける。だから自分で自分の可能性を決めつけたくないと思っています」

確かに司会業の経験は少ない。しかし、YouTubeでゲストを招き、ドライブをしながら、同業者の本音を引き出すという企画を行い、話題となっていた。番組関係者がその様子を見て、オファーを出したのかもしれない。

「いつも“好き”から始まる、面白がる気持ちを大切にしたいと思っています。文化祭の前日のようなワクワクする気持ちというか。お客さんに楽しんでもらうためにはどうしたらいいんだろう? あの感覚がずっと続いているような精神状態です。子どものころは人前が嫌いだったので、ネガティブな一面もあるのですが、乗り越えないといけない瞬間があると、“何をびびっているんだ!行けよ!”という体育会系の気質が目覚めるのかもしれません。それにみんながやめなよって静止するような状況は、むしろチャンスだと感じるんです」

初の大河ドラマで演じるのは初代内閣総理大臣・伊藤博文

20代で目標としていた「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「エリザベート」「モーツァルト!」という4大ミュージカルへの出演を果たし、ドラマや映画といった新たな挑戦をする道を選んだ山崎さん。そして、一歩一歩階段を登ってきただけに説得力がある。今年は大河ドラマでの大役も控える。

「大河ドラマへの出演を一番喜んでくれたのは、祖母でした。自分以上に喜んでくれているので、嬉しかったですね。昨年、朝ドラの撮影で、NHKには通ったのでその延長戦のような感覚で、リラックスして挑めています。でも演じるのが、伊藤博文という誰もが知る人物。長州弁や英語のセリフもあり、求められるハードルが高いのですが、徐々に楽しめるようになってきました。伊藤博文は、僕がこれまで演じたことがないような一面があって、僕の新しい一面も見せられると思うので、期待してください」

新しいことに挑戦し、その壁を軽々と飛び越えていく。これからも山崎育三郎から目が離せない。

Information
2021年 大河ドラマ『青天を衝け』
渋沢栄一の生涯を描いた大河ドラマに
初代内閣総理大臣も務めた
伊藤博文役で初出演

2021年 大河ドラマ『青天を衝け』

第一国立銀行(現・みずほ銀行)や東京商法会議所(現・東京商工会議所)、そして東京証券取引所といった経済団体の設立に関わり、私学教育支援や、理化学研究所を設立し、研究事業の支援にも尽力するなど、日本の経済発展に貢献した渋沢栄一。「日本資本主義の父」と称される渋沢の生涯を描いた、大河ドラマ。

作:大森美香 出演:吉沢亮、高良健吾、橋本愛、町田啓太、木村佳乃、堤真一、草彅剛、小林薫ほか 演出:黒崎博、田中健二、村橋直樹、渡辺哲也、川野秀昭 放送:毎週日曜NHK総合午後8時/BSプレミアム・BS4K 午後6時
https://www.nhk.or.jp/seiten/

1974年から続く人気トーク番組
“おしゃれシリーズ”の司会者に抜擢

おしゃれクリップ

1974年から放送を開始した『おしゃれ』から続くおしゃれシリーズ第5弾番組。『おしゃれイズム』の終了に伴い、後番組としてスタートし、山崎育三郎さんが司会を担当する。

放送:10月10日から日本テレビ系列で毎週日曜日午後10:00〜午後10:30放送予定

そのほかの出演作品

11月20日開幕
舞台『あいまい劇場 其の壱 「あくと」』

8月11日発売
NEWシングル 「誰が為」

山崎育三郎
プロフィール
山崎 育三郎(やまざき いくさぶろう)
1986年1月18日生まれ。東京都出身。2007年にミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢。その後、『モーツァルト!』『ミス・サイゴン』『エリザベート』『プリシラ』など数多くのミュージカル舞台へ出演。2015年のドラマ『下町ロケット』への出演を機に、テレビドラマやバラエティ番組など活躍の場を広げる。2020年にはNHK連続テレビ小説「エール」に出演し、年末には「第71回NHK紅白歌合戦」の舞台にも立った。2021年8月11日にはCD「誰が為」もリリース。11月20日からは尾上松也と城田優との演劇プロジェクトIMYの舞台『あいまい劇場 其の壱 「あくと」』の公演も控える。