
世界的なアクション俳優だった父・千葉真一と、日本を代表する俳優に成長した新田真剣佑を兄にもつ、凛とした顔立ちとクールな佇まいが印象的な眞栄田郷敦さん。普段は出不精でひとり旅の経験も少ないというが、先日、役作りの一環で関西を訪問し、気ままなひとり時間を楽しんだという。
「ひとり旅はあまりしたことがないんですけど、このあいだ役作りの一環で関西にある某記念館に行ってきました。ひとりで新幹線に乗って、自分のペースで行動してきたのですが、見たいものを自由に見て、のんびりと過ごせました。誰かと一緒だったら、気に留めないことに関心が向いたり、考えごともできるし、ひとり旅も悪くないと思いました。ゆっくり過ごす旅という共通点でいえば、クルーズ旅行をするのが小さい頃からの夢なんです。船旅なら移動時間も楽しめそうだから、魅力的に感じるんですよね」
撮影では地方や海外に出向くことも多く、オフの日や空き時間ができると、地元のスーパーを巡るという。都会ではどこのスーパーに行ってもだいたい同じだが、地方なら並んでいる食材や価格に地域色が出るのだそう。
「海外はもちろんですが、地方のスーパーには、その地域ならではの食材が並んでいて、見ているだけで楽しいです」
買い物かごを携えて田舎のスーパーを歩いているなんて、ファンが遭遇したら、卒倒するのではないだろうか。

子どもの頃、一時、京都に住んでいた眞栄田さん。大阪も馴染み深い場所のひとつだという。
「京都からなら大阪はアクセスも良いので、ときどき遊びに行っていました。大阪はいろいろ見どころがありますが、とくに食べ物が美味しいですよね。たこ焼きは絶対に食べますし、大人になった今なら、串揚げ屋さんで昼飲みなんて最高ですね。夏になると道頓堀に提灯が飾られるのですが、ファンの方が毎年、僕の名前入りの提灯を出してくれるんです。一度、それを見るために遊びに行ったこともあります。未来のテクノロジーにも興味があるので、機会があれば万博にも足を運んでみたいです」
食への好奇心が旺盛で、各地でいろいろなものを食べたいのだという。
「食に興味があって、美味しいものを各地で食べたいです。世界中の料理を食べてみたい。変わった食材にもチャレンジしてみたいのですが、たとえば世界一臭い食材で知られるシュールストレミングにサワークリームを塗って、美味しく食べる調理法があるらしいんです。それを一度、食べてみたいです。国内だったら、仙台に行きたいですね。牛タンが大好きだし、海鮮も美味しい印象があるので、ウィンタースポーツのついでに訪れたいです」
お酒を飲むのも好きで、ビールケースに座って飲むような大衆居酒屋も好きだという。
「赤提灯系の居酒屋も好きですし、大人っぽいバーも好きです。結局、お酒ならなんでもありです」
そういって笑った。

そんな眞栄田さんが出演する映画が7月4日から公開されている。吉沢亮さんの主演映画『ババンババンバンバンパイア』だ。吉沢さんが演じるバンパイア・森蘭丸の因縁の相手である兄・森長可役。迫力のあるアクションシーンに登場し、物語を一気にドライブさせる重要な役割を担っている。
「コメディパートは吉沢さんら、皆さんにお任せして、僕はアクション担当。笑いは緩急だと思うので、シリアスな部分をとことん真剣に演じることで、より笑えるシーンが生きてくる。そんなスパイスのような役割だと思って演じていました。僕もコメディパートがあるのですが、アクションシーンとギャップがあるほど、面白いはずです」
演じるのは生身の人間ではなく、バンパイア。超人的な身のこなしや迫力のある殺陣が求められる。
「バンパイアなので、普通の人間だったら倒れそうなシーンでも、平然と演じて無敵感を表現したいと思っていました。そこは、いつものアクションと大きく違う点です。また森長可は史実にも名前を見る戦国時代の人物です。だから人間味と破天荒さ、それに450年も生きながらえてきた悲哀のようなものも役に込めたつもりです」
とはいえ、さまざまなエンターテインメント要素が入った娯楽作なので、気軽に楽しんでほしいという。
「吉沢さんのコメディパートが本当に光っているので、それだけでも見る価値が十分にある作品だと思いますが、それ以外にもキャラクターの紹介がミュージカル風になってる部分があったり、ラブストーリーや、アクションシーンもあります。さまざまなエンターテインメントが詰まった作品なので、ぜひ楽しんで観てほしいです」