日本生まれのブランド「SIDE SLOPE」でつくる、夏の大人ニットスタイル
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    ファッション

    日本生まれのブランド「SIDE SLOPE」でつくる、夏の大人ニットスタイル

    2023.07.31

    夏のニットについて、皆さんはどんなイメージをおもちだろうか。大人っぽいデザインや、洗濯はどうするのかなど、気になることも多いだろう。せっかく着るのなら良質なものをオススメしたい。今回は、ハイクオリティでありながらも、ラグジュアリーでカジュアルなニットブランド「SIDE SLOPE」(サイドスロープ)を紹介。デザイナーの脇坂大樹(わきさかひろき)さんに、ニットについて色々と伺った。

    取材/TAKANORI ITO
    協力/菅原悦郎(FENIX INTERNATIONAL CO.,LTD.)、平山洋次(HEMT PR)

    デッドストックの糸は宝の山

    ――SIDE SLOPEの始まりについて、教えていただけますか。
     
    「私たち、(株)フェニックスインターナショナルは国内外様々なブランドのOEM(ブランドからの依頼を受けて、生産を一手に請け負う事業)をやっていまして、自社工場でものづくりをしているのですが、2004年にオリジナルニットブランドを立ち上げようという話になりました。
    ニットだけのブランドというのは、ヨーロッパではポピュラーですが、当時、日本にはあまりなく、私はもともと洋服全体のデザインをしていたのですが、今のフェニックスインターナショナルに入社した時から、ニット専門のデザインをやるようになり、そこでSIDE SLOPEを立ち上げました。
    歴史のある工場なので、残糸(ざんし)といわれるデッドストックの糸がたくさんありまして、僕たちからすると、それは宝の山に感じたんです。その時代は、“サステナブル”という言葉は、まだあまりなじみがなくて。どこのメーカーもそうだったと思いますが、残った製品や材料を捨ててしまったり、焼却してしまったりするのが当たり前だったんです。私はそれが嫌で、NPO団体にお願いして寄付をしていました。今でこそ当たり前ですが、それをやっているところはすごく少なかったと思います」
     

    自社工場の古い写真。綿の段階で少量のものを試し染めする工程

    こちらも自社工場の古い写真。色のついていない生成りの糸を、熱をかけながら染めていく作業の様子

    「残糸というと、余った糸というイメージをもたれると思うのですが、一つひとつちゃんと見ると、グレードの高い糸がたくさんあるんです。ブランドが始まった頃は、そのデッドストックの糸のみを使ってラインナップしたりしていました。デッドストックの糸だからこそできたアイテムなども、当時はありましたね。今は、新しく開発した糸とデッドストックの糸をバランスよく使っています」
     

    SIDE SLOPE初期のアイテム。デッドストック糸をよく使っていた頃のもの

    ニットの洗濯のポイントは干し方にあり

    ――夏のニットコーデというと、大人っぽいイメージをもつ方が多いと思います。「大人っぽく、さらっと 夏にニットを着たい」 と思った時に、どうしても気になってしまうのがニットの洗濯方法だと思うのですが、洗濯について教えていただけますか。

    「SIDE SLOPEはニットブランドでは珍しいと思うのですが、春夏のコレクションが大変好評なんです。なぜかというと、ハイゲージが得意なブランドだからです。ブランドのスタート時から、カットソーのように着られるニットというものをつくってきました。それで『ニットの洗濯はどうしているんですか?』と聞かれることがすごく多いんですが、ニットの洗濯のポイントというのは洗い方というよりも、干し方にあるんです。今は洗濯機の性能も上がっていますし、洗剤もすごく良くなっていますよね。なので、ネットに入れて、弱いコースとか、おしゃれ着洗いとか、そういうモードで洗ってあげれば、洗濯は大体大丈夫です。そして干し方なのですが、本当は平置きで乾かすのが一番良いです。平置きで干せるネットが売っているので、それがあると1番良いのですが、ぬれたニットをそのままハンガーにかけてしまうと、重みで伸びてしまうので、ここが問題なんですね。なので、平置きで干せない場合は、裾にもハンガーをかけてUの字に干してあげるのが良いと思います。今お話した洗濯の干し方はハイゲージに限ったことで、ローゲージの分厚いニットだとやっぱりおき干しがいいと思います。そして、ひと手間だと思うんですが、スチームを当ててあげるとシワも取れてふっくらします。難しく考えず、ネットに入れて、洗濯機で洗って、干す時に気をつけるという、この3つについて気をつければ、夏のニットがもっと身近になって、コーディネートの幅も広がると思います」

    ニットづくりへの探究心と細部にちりばめられた仕様が魅力

    ――この夏にオススメのニットアイテムを教えていただけますか。

    「夏のニットというと、ニットTシャツになります。毎年バリエーションをいくつかつくっていますが、コットン100%で『Ultra High-Twist Cotton DryTouch』(ウルトラ ハイ ツイスト コットン ドライタッチ)という素材を使ったニットがオススメです。この素材はブランドのオリジナルで、普通の洋服の場合はパターナーとデザイナーがいて、分業でやるのですが、これは違います。ニットは突き詰めると糸開発なんだと思います。ニットデザインは、糸からテキスタイルをつくるように編み組織を考えて、デザインしていく工程を一人でやるんです。糸に興味をもつと原材料にも興味が出てきて、追求していくような感じでつくっています。そういう取り組みでつくった『Ultra High-Twist Cotton DryTouch』は、高級素材といわれるピマコットンの超長綿で、16ゲージという糸を使い目面(めづら)がキレイな仕上がりになっています。ヨレないし、強いし、肌触りがパリッとしていて、ナチュラルな接触冷感素材です。
    この素材を使った製品を2つご紹介します。まずは、『Mock-Neck T-shirts』(モックネック Tシャツ)です。この袖を見てもらいたいのですが、リブの際にてん、てん、てんと柄が入っています。これは『アイレット』といい、穴が空いているような柄を入れて、その上にタックという段を入れ、更にその上に振りというヘリンボ―ンのような柄を入れています。この袖だけで、6工程ぐらいの編み分けで全体のディテールをつくっています」
     

    Ultra High-Twist Cotton DryTouch Mock-Neck T-shirts 31,900円

    商品詳細はこちら

     
    「もう1型は『Pocket T-shirts』(ポケットTシャツ)です。決まった定番アイテムというものはないのですが、代表的なものでいうと、このアイテムが定番になります。
    よく見なければ分からないのですが、背中にタック(段)が入っているんです。これは、前と後ろでシルエットを変えているのですが、背中に丸みを出すことによって着た時のシルエットがキレイになるんです。SIDE SLOPEは、日本人に合うようなシルエットを追求してつくっています。もうひとつ、仕様についてお話しさせていただくと、肩の接ぎ方が『リンキング』というつけ方の中でも、縫い代が出来ないように編み目を拾ってつける『シームレスリンキング』とよばれる仕様で、見た目もキレイで着心地が良く肩が突っ張ることもありません。
    『SIDE SLOPEのニットを着ると、1枚でキマるんだよね』と言われるとすごく嬉しくて、こういうギミックが詰まっているからこそだと思うんです」
     

    Ultra High-Twist Cotton DryTouch Pocket T-shirts 28,600円

    商品詳細はこちら

    夏の羽織ものも、1段階大人のアイテムに

    ──夏に羽織れるアイテムも紹介していただけますか。
     
    「今シーズンのアイテムでもいくつかあるのですが、『Washi Polyester Mesh Hoodie』(和紙 ポリエステル メッシュ フーディー)を紹介します。これは品名の通り、和紙をブレンドした糸を使っています。ニットのフードは作成時のパーツ数が多く、かつウエイトも重くなるため、製品コストが必然的に高くなることが多く、あまりつくっているところがないんです。素材のシャリ感もそうですが、メッシュ編みが涼しいつくりで、軽く羽織れるアイテムだと思います。エルボーについている、手編みの飾りがポイントになっています。太めのスピンドル(ひも)も、ボディと同じ糸で編んで、オリジナルでつくっています。こうすることによって、アイテムに統一感が出せます」
     

    Washi Polyester Mesh Hoodie 53,900円

    基本を分かった上で崩していくデザインワーク

    ――最後に、脇坂さんのデザインワークで大切にしていることを教えてください。

    「ニットで、カジュアルなラグジュアリーを表現したいです。ニットはクラシックにつくるのが王道なのですが、SIDE SLOPEはそうではありません。カジュアルダウンをするのですが、エレガントさも入れたデザインにしているんです。基本を分かった上で崩していく作業というか、型を知った上で型破りをしている感じです。
    ニットデザインのポイントは『始末』だと思うんですよ。編み出していった最後に編み終わりの部分がくるんですが、ここにデザインを入れるんです。なかには、編み出しにデザインを入れることもありますが、この繊細さがポイントなんだと思っています」
     
     
    マニアックすぎるぐらいニットづくりへの情熱とこだわりが感じられる、「SIDE SLOPE」。卓越した編みの技術とユニークな発想でつくられたニットは、世界に誇れる日本のニットブランドといっても過言ではないだろう。
     

    【SIDE SLOPE 公式HP】
    https://sideslope.jp/

    「SIDE SLOPE」のTシャツを1名様にプレゼント!

    ー「Ultra High-Twist Cotton DryTouch Pocket T-shirts」を抽選で1名様に!ー

    今回ご紹介した「SIDE SLOPE」の「Ultra High-Twist Cotton DryTouch Pocket T-shirts」のD.BROWN、サイズ2(M)を抽選で1名様にプレゼントいたします。
    (着丈 前70cm/後72cm/身巾 58cm/肩巾 51.5cm/袖丈 26.5cm/裾巾 56cm)

    応募詳細は以下をチェック。たくさんのご応募お待ちしております!

    商品提供:株式会社フェニックスインターナショナル
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    2023年9月下旬頃を予定
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    • 伊藤孝法
    • 伊藤孝法

    • 北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのセールスやPRを手がける。
      2014年、WWDファッショニスタ100人がリコメンド!に参加。
      テキスタイルデザインや自身のYOUTUBEチャンネル、北海道でFM番組のパーソナリティーも担当している。

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