アメリカ発、日本人デザイナーが手がける 「POST O’ALLS」(ポストオーバーオールズ)が カリフォルニアの風に乗って、東京・中目黒に上陸
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    ファッション

    カリフォルニアの風に乗り「POST O’ALLS」が東京・中目黒に上陸

    2022.11.24

    1993年アメリカ、ニューヨークでスタートした「POST O’ALLS(ポストオーバーオールズ)」。1920~30年代のアメリカンワークテイストなラインナップにより、常に第一線を走るファッションブランドだ。日本においては、3年前に東京都杉並区の高井戸に国内初の旗艦店を出店。2022年10月1日には第2の旗艦店となる「Post O’Alls NAKAMEGURO」をオープンさせた。できたばかりの店舗について、ブランドの代表兼デザイナーである大淵毅さんに話を伺った。

    取材/TAKANORI ITO 

    店舗を“日本の中にあるアメリカ”という雰囲気に

    ――以前、青山の店舗にお伺いしたことがあります。今回の新店舗のオープンにあたり、中目黒を選ばれた理由を教えてください。

    大淵「最初から中目黒と決めていた訳ではありませんが、お客さんがアクセスしやすい場所にあったほうが喜ばれるだろうと思っていました。以前あった青山の店舗は代理店が運営していましたが、自分で出店するのなら、もう少しレイドバックした中目黒や渋谷のはずれというイメージがあって……。タイミング良く物件が見つかり、現在の場所に決まりました。『POST O’ALLS』には海外から来られるお客さんも多く、アクセスしやすい場所が良いと考えていたんです」

    ――中目黒は人気のエリアで、なかなか空きが出ないことで有名です。この場所に店舗を構えるうえで、どのような内装デザインを考えられていたのでしょうか?

    大淵「この物件を見たときに、『明るい雰囲気のお店にしたい』と考えたんです。内装は『PACIFIC FURNITURE SERVICE(パシフィックファニチャーサービス)』(東京・恵比寿にあるオリジナル家具店)の石川さんに依頼しました。昔のカリフォルニアのような、石川さん的には『Fender (フェンダー)』(アメリカのギターブランド)のオフィスのようなイメージです。また、私のリクエストとして『HEYWOOD WAKEFIELD(ヘイウッドウェイクフィールド)』(アメリカの老舗高級家具ブランド)っぽい、メープル材を用いた家具と少しインダストリアルな雰囲気を入れて、すべてオリジナルでつくり込んでもらいました」

    ――1号店もPACIFIC FURNITURE SERVICEが手がけているのですね。Fender のオフィスを雰囲気に取り入れたアパレルショップは、ほかにはありません。

    大淵「Fenderのテレキャスターというギターのような、インダストリアルっぽくメタルとウッドをほど良く合わせた感じが良いと思います。もともと“日本の中にあるアメリカ”という感じも好きだったので、一号店はPACIFIC FURNITURE SERVICEにお願いしました。彼らは米軍払い下げの家具を販売していた時代もあって、そういうルーツを踏まえてお願いしました」

    中目黒店オープンに合わせてニューアイテムがラインナップ

    「#3111-HBDN De Luxe Railroader 2」fabric : herringbone denim color : navy 価格:44,000円

    ――今回、中目黒店のオープンに合わせた新作アイテムを紹介していただけますか?

    大淵「2021年に復刻した、1990年代中頃の『デラックス・レイルローダー』というモデルが好評につき、今回、バージョン2をリリースしました。 レイルローダー(鉄道作業員)用のデラックスなカバーオールをデザインソースに、着丈が短めのボックス型シルエットやVステッチ入りポケットを散りばめるなど、今では失われたディテールをPOST O’ALLSらしく再編したアイテムです。 素材はヘリンボーン・デニムのネイビー色(縦横ダブル・インディゴ糸)を使用しています」

    「#3111DV-VM1 De Luxe Railroader 2DV」 fabric : vintage moleskin color : black 価格:44,000円

    大淵「こちらは、デラックス・レイルローダー2の襟なしバージョンです。ショップのスぺシャルバージョンで、厚手のビンテージ・モールスキンのブラックでリリースしました。地味ながら強力な存在感を放つ一枚です」

    左「#3312-GS E-Z DND」 Gangster Stripe color : indigo 価格:34,100円 右「#3312-HBDN E-Z DND」herringbone denim color : navy 価格:34,100円

    大淵「このアイテムは、ブランドデビュー時からラインナップされていた、フロントに大型の当て布がつくダブル・ニー仕様のパンツをイージー化したものです。ありそうでなかった堅そうでゆるい、独自のバランス感をもつアイテムです。カラーはギャングスターストライプとデラックス・レイルローダーバージョン2と同じヘリンボーン・デニムの2素材をリリースしています」

    「E-Z Hoodie 2(ジップアップフーディ)」価格:25,300円、「E-Z Zip Cardigan(カーディガン)」価格:23,100円、「E-Z Hoodie LLC 2(プルオーバーフーディ)」価格:20,900円、「E-Z Long Sleeve Tee 2(クルーネック)」価格:17,600円、「E-Z Top(パンツ)」価格:25,300円、すべてpoly/cotton velour black

    大淵「2018年よりジャージー素材をメインに展開する『E-Zシリーズ』から、今季はリラックスしたムードのなかにも都会的な遊び心を感じられる、べロア生地を用いたモデルをリリースしました。1970年代のサーファーたちが着用していたポロシャツやショーツ、1980年代以降に展開されたアメリカ向けスポーツブランドのセットアップなどから、インスピレーションを得たアイテムです。カーディガンやフーディ、パンツなど、合計5型をラインナップしています。ブラックカラーは限定販売です」

    価格:各1,650円

    大淵「旗艦店のストアフロントのロゴをプリントした、ホテルタイプのルーサイト製キーチェーンです。全15種類で展開しています」

    POST O’ALLSのウィンターシーズンのコーディネートを紹介

    モデル:スタッフ 荒島さん

    【コーディネート一覧】
    ジャケット:De Luxe Railroader 2 DV 価格:53,900円、シャツ: E-Z NAVY 価格:30,800円、 パンツ:E-Z DND 価格:34,100円、ベスト: Royal Traveler 価格:42,900円

    モデル:スタッフ 辻さん

    【コーディネート一覧】
    ジャケット:POST 42 価格:44,000円、下に着たジャケット:MECHANIC BLOUSE 価格:39,600円、ベスト:Royal Traveler 価格:36,080円、デニムパンツ:No.9 Five Pocket 価格:33,000円

    お洒落上級者の街・中目黒に、またひとつ名店が誕生した

    第2の旗艦店であるPost O’Alls NAKAMEGUROがオープンし、ますます目の離せないPOST O’ALLS。まるでアメリカにいるようなお洒落な店内からは、カリフォルニアの風を感じられるだろう。実店舗だけの各種限定アイテムの存在も見逃せない。この機会にぜひとも来店してほしい。

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    • Post O’Alls NAKAMEGURO
    • Post O’Alls NAKAMEGURO

    • 〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-5-10 中目黒マンション105
      TEL : 03-6303-2160
      OPEN 12:00
      CLOSE 19:00
      不定休
      https://postoveralls.com

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    • 伊藤孝法
    • 話を聞いた人

      伊藤孝法

    • 1973年北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのPRなども手がける。2014年、WWD日本のファッショニスタ100人にも選ばれ、「ファッションとカルチャーとme」も更新中。

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