“サングラス”初心者にもオススメ 「Dr.Ray」が目指す“調光レンズ”革命
pc_share

    ファッション

    “サングラス”を日本の仕事のアイテムに!
    「Dr.Ray」が目指す“調光レンズ”革命

    2022.08.17

    “調光レンズ”を使い、「太陽に当たると30秒でサングラスになる」メガネを展開中のブランド「Dr.Ray」。まだまだ仕事中にサングラスをするのが躊躇(ちゅうちょ)される日本に、このアイテムを浸透させようと奮闘するアイエッジ代表の森史郎さんに、その機能やこだわり、そして今後の展望を語ってもらった。

    取材/TAKANORI ITO

    「調光レンズ+ブルーライトカット」で室内でも屋外でも使えるメガネに

    アイエッジ代表の森史郎さん

    ――まずは、「調光レンズ」でメガネをつくろうと思ったきっかけを教えてください。

    森「日本の紫外線はどんどん強くなっているので、今後はサングラスをする人が増えると思います。欧米では、外での仕事中に黒いサングラスをする人が多いのですが、日本ではいくら眩しくても、仕事中はサングラスをしない人がほとんど。そんな日本で『仕事に使えるサングラスを』と考えた時に、室内ではクリアレンズでPCやスマホからブルーライトをカットして、外に出た時はサングラスになる。『紫外線の量によってレンズの色の濃度が変化する“調光レンズ”を使ったメガネがいいんじゃないか?』と、思ったんです」

    日光に当たると30秒でサングラスに変化

    ――「調光レンズ+ブルーライトカット」の機能を兼ね備えたメガネブランドは、あまりありませんよね?
     
    森「この性能を全面に出しているブランドは、あまりないと思います。『調光レンズ+ブルーライトカット』のメガネは仕事の時だけでなく、普段の生活にも便利。家でスマホを見た後に、外出することもあると思うので、『“ONでもOFF”でも』をブランドテーマにしています」

    ――「調光レンズ」というものに耳慣れない人もいると思います。

    森「以前から調光レンズのサングラスは存在していたのですが、ガラス製のため、かけていて重たいものばかり。近年は技術的にプラスチックレンズで調光ができるようになり、『Dr.Ray』でも4年前に工場へ依頼をして、レンズを開発してもらいました。調光レンズの素材が変化し、軽量化して世の中に広まるまでかなりの年月が経ちました。そのため、若い人たちには新鮮に感じてもらえているのかもしれません」

    ――「調光レンズ」のシリーズは、メンズとレディースのデザインを分けていないんですね。細部のこだわりなども教えてください。

    森「男女どちらにも気に入っていただけるように、兼用のデザインになっています。デザインの特長として、メタルとプラスチックの『コンビネーションもの』が多いです。フレームはノーズパッドが指で動かせるようになっていて、購入された人がご自身でちょうど良いかけ心地に調節できるようになっています。他にも弾力性に優れた『βチタン』素材に『イオンプレーティング』という加工を施し、汗でさびない摩耗に強いモデルがあったり、両耳をかける部分の『テンプル』が外側に広がるように『バネ蝶番』を仕込んだアイテムがあったり、モデルによって機能もさまざまです」

    『ビジネス道具としてのサングラス』を広めていきたい

    ――「Dr.Ray」の代表的なアイテムを教えてください。

    上から、「EREBO(エレボ)」「ARTE(アルテ)」「ONEIRO(オネイロ)」(参考価格/各13,200円)

    森「ここ数年の人気は、ずっと『コンビネーションもの』です。この3型はコンビネーションの中でも、軽くてかけやすいのが特長です」

    「HERME(ヘルメ)」(参考価格/13,200円)

    森「加工しやすい『アセテート』素材の板を削って、形を形成したアイテムです。最近のトレンドは『HERME』のようなゴツめフレームです」

    「KRONO(クロノ)」(参考価格/19,800円)

    森「βチタン素材にイオンプレーティング加工を施したモデルです。大人っぽい雰囲気で定番人気です。すべてのアイテム共通で、ケースにもこだわっています。折り畳めるタイプになっているため、畳んで胸ポケットにも入れられるので便利です」

    商品詳細はこちら

    ――「Dr.Ray」のブランド展開について教えてください。
     
    森「春・夏・秋冬の年3回、展示会形式で新作コレクションを発表しています。大量生産をせず、モデルチェンジしながら展開しています。ネットでも買えますが、街のセレクトショップや大手セレクトショップなどでも購入いただけます。最近はデパートの紳士服コーナーでネクタイ、ベルトなどと同じ場所に置いていただき、仕事の持ち物としても認識されてきていると感じます」

    ――やはり日本人は、他の国と比べてサングラスをあまりしないイメージがありますよね。

    森「そうですね。先ほど言ったように仕事の時だけでなく、日本人は欧米や他の国々から見ても全体的にサングラスをしません。“不真面目に見える”という印象があるようです。何十年もかけてサングラスが日本でもファッションの一部になったように、『ビジネス道具としてのサングラス』を広めていきたいですね。将来的には、スマホやペンケースのように、必ず鞄に入っているアイテムになればいいなと思います」
     
     
    「調光レンズ」のメガネが当たり前になった未来では、「Dr.Ray」がパイオニア的な存在になっているだろう。今後の展開が楽しみだ。

    profile_title
    • 伊藤孝法
    • ▼話を聞いた人

      伊藤孝法

    • 1973年北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのPRなども手掛ける。2014年、WWD日本のファッショニスタ100人にも選ばれ、自身のYOUTUBEチャンネル「ファッションとカルチャーとme」も更新中。

    sp_share
      バックナンバー