キャンプが流行し、家族や知人と
アウトドアに出かける人も増えた。
もちろん大勢でのキャンプも楽しいが
テントを張ったり、料理をつくったり、
火起こしをしたりと、やることが多く
疲れるというのも本音としてある。
そこでたまには一人で出かけてみるのはどうだろう。
装備も最低限に抑え、のんびり過ごす。
渓流釣りのような黙々と楽しめる
アクティビティくらい加えてもいいだろう。
特別なことはしないという贅沢な時間を
満喫する、そんなソロキャンプ＆渓流釣りに行こう！
Photos : TSUTOM YABUUCHI
Styling & Model : SHOICHI YAMADA
Text：KOJI SONEHARA
2021.7.15
監修山田昭一 （Shoichi Yamada）
某大手アウトドアメーカーから独立後、フリーランスのPRに転身。アウトドアギアやアパレルブランドのPRや、ディレクションを中心にマルチに活動。休日は源流野営釣行を楽しむなどプライベートももっぱら外遊びに捧げ、ファッションシーンにおけるアウトドアマンたちの間でも一目置かれる存在。秋にはキャンプギアをメインに展開するショールームをオープン予定。
自然に身を置くこと自体を楽しむキャンプというものは、基本的に飯を食って寝るだけ。本当に必要なものを厳選すれば、この程度の装備で事足りるのだ。必要なものは大きく分けて3つ。テントやシュラフなど寝る時に必要なもの、火を起こす時に使うもの、飯をつくるもの。かっこいいキャンプギアって多いけど、必要最小限に厳選されたキャンプスタイルこそが一番かっこいい。
キャンプだからといってなにも「アウトドアらしい格好しなきゃ」と気張る必要は決してない。いつも通りお洒落を楽しみながら、キャンプで必要な要素をちょっと足せばいい。ここでいえば、ジャケットとハット。マチがしっかりとあるポケットがついたジャケットだと、ナイフやライターなどキャンプにおける必需小物がなんでも詰め込んでおけるし、ツバ広のハットは紫外線の強いこの時季の日光から身を守ってくれる。山ならマウンテンブーツ、テント周りではサンダルと、フットウェアは環境に応じてチョイスするのがいい。
ジャケット35,200円、ショーツ18,700円／ともに、コムフィアウトドアガーメント（ロストヒルズTEL:03-6809-5582）
ムササビのような特徴的な形をしたこのタープは、タープとしてだけではなく、両側にあるジッパーを閉じることで軍モノのテントのようにもなる代物。前後・両側が巻き上げられるようにデザインされており、シーンや地形に合わせて使用アレンジが可能。ぜひ自分だけの張り方を見つけ出してみたい。
価格：27,500円
問い合わせ先：トゥエルブトーン office@twelvetone.jp
8枚のアルミニウムユニットを上に載せるだけで、素早く組み立てられるテーブル。天板の一部を外せば、チャコールグリルや焚き火を入れることも可能。単純な仕組みでつくられている分、アレンジがしやすく、それぞれもキャンプスタイルに合わせたカスタマイズが楽しめる。
価格：52,800円
問い合わせ先：アンバイ ジェネラルグッズストア TEL:03-6328-0577
キャンプってなにするの？ って思っているあなた。なにもしません！ なにもしないを楽しみにいくのです。明るいうちにテントを立てて寝床を確保したのなら、夜を待たずして、まずは火を起こそう。燃ゆる焚き火と川を流れる水は、何時間見ていても飽きることはない。コーヒーをすすりながら、なにもしない時間をとにかく過ごす。普段はストレス社会に身を置く分、これが一番の贅沢なのだ。
焚き火は薪集めから。着火剤代わりに枯れたスギの葉、スギやマツなど針葉樹の薪、ナラやブナなど広葉樹の薪を集めて、サイズごとに分けておこう。油分の多い針葉樹の薪に火をつけてから、熾火となる広葉樹の薪を燃やすイメージだ。一番下にスギの葉、その上に針葉樹の薪を小→大の順で置き、さまざまな方向から着火。ひと通り火がついたら、大事なのはじっくり待つこと。針葉樹の薪がしっかりと燃え出したら、広葉樹の薪を投下。広葉樹は、一端火がつけば長く燃えてくれるので、長時間焚き火が楽しめるはず。
焚き火や調理の際に熱から手を守るグローブは必須。厚すぎても手が動かしにくいが、このショートタイプはしなやかな牛革のオイルドでつくられており、火の管理だけではなく薪拾いや薪割りなどでも大活躍する。内縫い仕様で、熱によって縫糸が焼ききれることもない。
価格：2,970円
問い合わせ先：ブッシュクラフト TEL:042-732-0787
3つのパーツでつくられたシンプルな構造の焚き火スタンドは、ミニサイズでウッドストーブや小型の焚き火台にぴったり。アイアンの素朴な味わいは、焚き火のムードをより一層引き出してくれる。組み方次第で、高さ280mmと230mmに調節可能。
価格：9,460円
問い合わせ先：ベルモント TEL:0256-36-1081
収納時は、なんと厚さ8.3mmの板になる焚き火台。4つの鋼板をはめ込んでいくだけで簡単に組み立てることができ、付属の五徳を使えばこれひとつで調理までできてしまう優れもの。鋼板は3.2mmtと厚く、熱で曲がってしまうこともない。使うたびに鉄の味わいが増していく姿も、ぜひとも楽しみたい。
価格：15,070円
問い合わせ先：ライズエンジニアリングTEL:0877-98-7797
「比較的安価で買えるカウハイドのグローブですが、もともとのイエローカラーをブラウンに染めました。お手軽にヴィンテージ感が演出できて、いろんなシーンで活躍してくれています。レザー自体は薄手なのでヘビーデューティな使い方はできませんが、焚き火くらいならこいつで十分」（山田氏）
料理好きはもちろんそれを楽しむのもいいけど、普段料理しない人は無理に頑張る必要なんてない。酒のアテは、肉を焼けばそれでいいし、コーヒー飲みながらリラックスでもしたい人は、湯が沸かせる準備があればそれで十分。焚き火の上に肉でも野菜でもかざして塩コショウをかけただけでも、自然のど真ん中で食べれば美味いんだ。男は黙って肉を焼け。
あらかじめレシピを決めて食材を買っておく必要なんて必ずしもない。まずはキャンプ地近くの道の駅にGO。そこに並んだ地元の野菜や肉を食べるのも旅の醍醐味で、魚を釣って塩焼きしたっていい。現地調達っていうのが、ワクワクするじゃないか。持っていくとしたら、トライしてみたい調味料。というのも、昨今のキャンプブームの煽りを受けて、かけるだけで美味くなるっていう魔法のような調味料が目白押しなのだ。あとはスキレットに肉をワイルドにぶち込めばOK。
18cmサイズのステンレス鍋はソロキャンプに最適。ツル付きなら五徳がなくても焚き火で使いやすく、使うたびに天然木のフタは味わいを増してくれる。地元のとれたて野菜を鍋で楽しみたいなら、持っておいて損はなし。
価格：3,300円
問い合わせ先：新越ワークス TEL:03-3264-8311
食パンやワッフルで食材を閉じ込めて一気に焼き上げると、カリッと香ばしく旨味が凝縮されて抜群に美味しい。このワッフルアイアンは柄が長く火から離れたところで調理が可能。朝はこれひとつあれば至福の時間を過ごせる。
価格：6,820円
問い合わせ先：スター商事 TEL:03-3805-2651
レギュレーターストーブと組み合わせることで、自分だけのコンパクトなキッチンがつくれるテーブル。輻射熱からバーナーやボンベを守るトッププレートは着脱式で、調理後の洗浄もしやすく、非常にコンパクトに収納できる。
価格：5,940円
問い合わせ先：新富士バーナーお客様係 TEL:0533-75-5000
「大きさの違う2つのクッカーがスタッキングされていて、中にガス缶やシングルバーナーを収納できたり、蓋がフライパンやお皿になるのが利点。チタンなどと比べて重さはありますが、熱電導率がいいので調理がしやすく、ここ5年くらいはギアの一軍から外せません」（山田氏）
基本的にキャンプなんてものは食べて寝るだけで、自然に身を置くことを楽しむもの。ソロキャンプともなれば話し相手もいないし、暇といえば暇。そこでおすすめしたいのが渓流釣りの一種であるテンカラだ。日本古来のもので、ロッド（竿）とライン（糸）、そして毛鉤（虫や魚に似せた擬似餌）だけを使った極めてシンプルな釣法で、狙うはイワナやヤマメなどに代表される川魚だ。タックルの量が少なく、ミニマムなソロキャンプとも相性は抜群。釣った魚をキャンプで一人食らう、そんなところに浪漫を感じる男性はきっと多いはず。
ウェーダースタイルの山田氏は、ベストを着ない代わりにゴーツェンのフライフィッシングレイヤードで、タックルをひとまとめに。内容は、フライボックス、ラインを巻きつけた仕掛け巻き、ラインカッター、毛鉤に浮力をつけるドライスプレーなど必要最小限。ロッドは、2.7～3.6mまでを網羅するズームタイプ1本である程度の地形に対応する。ランディングネットは個性の見せどころで、山田氏はサウス2ウエスト8のものを選んでいる。
魚に気配を悟られないよう、やはりアースカラーがベース。標高の高い源流域などではウェーダーと呼ばれるオーバーオールタイプの防水ウェアを着用するが、夏の炎天下では、ショーツにゲーターというスタイルで十分。毛鉤の交換などをスムーズに行うため、テンカラはフライフィッシング同様、利便性を考えてフィッシングベストの着用が基本となる。
ハット13,200円、ベスト51,700円／ともに、フィルソン（アウターリミッツTEL:03-5413-6957）、シャツ13,750円、ショーツ13,200円／ともに、グリップスワニー × コティ ビューティアンドユース（koti BEAUTY & YOUTH / H BEAUTY & YOUTH B1F TEL:03-6438-5230）
虫に似せた毛鉤で渓流を住処にする魚を釣るテンカラ。川によっている虫も違うので、まずは石を持ち上げてその川にいる川虫をチェックし、それに似た毛鉤を選択しておきたい。テンカラは魚との騙し合いなので、いかに魚に警戒されないかが重要。基本的に魚は上流に頭を向けて泳いでいるため、岩陰に隠れて川下からそっと近づくのが基本だ。魚が見えて射程距離に入ったら、毛鉤を投げ入れるわけだが、見える魚ばかりではない。川の流れが落ち込むところや、泡が流れているバブルラインなどに魚がいることが多いため、怪しそうなところには毛鉤を投げ入れてみるといい。
職人によるハンドメイドタックルが揃う、つるや釣具店。そこにあるフライボックスは、銘木を使い職人が一つひとつつくったもの。すべてが一点もので木目や風合いが違うのが魅力で、フィッシャーマンたちの憧れだ。
価格：11,000円
問い合わせ先：つるや釣具店 TEL:03-3842-4071
昔ながらの手撚りで一本ずつ丁寧につくられた撚糸テーパーライン。独自テーパー設計のしなやかなラインは、ビギナーでも本当によく飛び狙いのポイントへの投射性能に優れている。
価格：3,080円、3,300円（オーダーメイド生産）
問い合わせ先：GROUNDSTORE（https://www.gotenkara.com）
サウス2 ウエスト8のアイコンが焼印されたタモ。各パートに使われた銘木が織りなす陰影や柄模様は、自然がつくった唯一無二のもの。すべてハンドメイドでつくられており、自然の温もりをいかした滑らかな曲線が美しい。タイダイ染めされた手編みネットが目印。
価格：36,300円
問い合わせ先：サウス2 ウエスト8 TEL:011-280-7577
「仕舞寸は53cmとそこそこですが、カーボン含有率が高いのか重さが60g以下と非常に軽量。6:4調子で初心者にも扱いやすい上、2,7m、2,97m、3,2mのトリプルズーム搭載で竿がふりにくい低山の現流域から渓流域まで幅広く対応してくれます」（山田氏）
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