植物の醍醐味のひとつが、お気に入りの鉢に植え替えてコーディネートを楽しむこと。今回紹介しているような塊根植物をはじめとするビザールプランツも、その面白いフォルムも相まって鉢を変えるだけでガラリと雰囲気が変化する。また、大きな鉢に植え替えることで根が成長する場所を確保し、栄養を補給できるメリットも。ということで、今回プロに鉢の植え替え作業の手順とコツをレクチャーしてもらった。
上尾グリーンガーデン
2級園芸装飾技能士
宮田 健 さん
様々な観葉植物をレンタル、リースし、メンテナンスも行う上尾グリーンガーデンのベテランスタッフ。2級園芸装飾技能士の資格をもち、10年以上のキャリアをもつベテラン。
鉢底ネット、軽石、培養土、赤玉土。それに植え替え用の鉢。土は使用済みの土を使わず、栄養のある新しい土を使うようにしよう。
多肉植物など成長の遅いものは大きさをそこまで考えなくても大丈夫だが、基本はひとまわり以上大きなサイズの鉢に植え替える。高さのある植物には、高さのある鉢を合わせるとバランスが取りやすい。
植え替える側の鉢に、底部の穴から小石や土が落ちないよう園芸用のメッシュを敷いておく。ちょうど穴が隠れる位の大きさでOK。
水捌けをよくするために、鉢底が全て隠れるくらいまで軽石を敷き詰める。先程のメッシュが穴から軽石が落下するのを防いでくれる。
植え替え用の土を少し入れておく。今回は培養土3、赤玉7の割合。配合に関しては様々あるが、宮田さんいわくこの割合が一番調子いいそう。別で配合してから入れるのがベストだが、慣れている人は鉢のなかで混ぜてしまってもOK。
現在入っているプラ鉢から植物を抜く。根が回って外れにくいものは、鉢を叩いて振動を与えることで抜けやすくなる。
根っこが張っている下の部分はばっさりとカットしながら、手で優しく根の土を崩し、落としていく。土は全体の3分の1程度残っていれば大丈夫なので、思い切って落としていこう。この時に根の状態をチェックし、枯れてしまった根があればカットしておく。
先程少し土を入れておいた鉢に入れて、位置を決める。丁度中央にくるように入れ、向きや傾き加減を調整。土の高さは後から調整するが、ギリギリまで土を詰めないよう、ある程度余裕を持っておく。
位置を決めたら、周りの隙間に土を入れていく。根がしっかり隠れるくらいまでざっと入れていく。
ある程度入れたら、木のヘラ(割り箸などでもOK)で端から隙間に土を押し込んでいく。そうすることで根の奥にまで土が入り、まだ土が入るスペースができるはず。
押し込んでできた隙間に土を足していく。
同じように、木のヘラを使って押し込んでいく。これを1〜2度繰り返してしっかりと隙間まで土が入れば完了。
最後、鉢を軽く叩いて空気を抜いておこう。塊根植物などはさらに化粧石を入れておくと見栄えがよくなる。その場合は、土を鉢の縁から1cmくらい低く入れておこう。
鉢が変わるだけでご覧のように植物が全く違う印象に!植え替え直後は日陰に置き、環境に慣らしてから水を与えよう。