窪塚洋介
Special Interview YOSUKE KUBOZUKA
Photos : TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling : YOSUKE KUBOZUKA
Hair&Make : SHUJI SATO(botanica)
Text : SHINSUKE UMENAKA(verb)
2021.11.15

eバイクにまたがり、腸活をして、日々に感謝すればEverything’s gonna be alright.窪塚洋介のルーティーン

バイクよりもエコ。自転車と比較しても、圧倒的に手軽でラク。何より加速が段違い。それが新しいモビリティとして注目を集めるeバイクだ。日本での“電動”自転車といえば、これまでママチャリが主流だったが、スタイリッシュでかっこいい、メンズライクな海外ブランドが続々と上陸。街でも目にする機会が増えてきた。そこでデンマーク発のeバイクブランド「MATE. BIKE」のアンバサダーも務める俳優の窪塚洋介さんにeバイクの魅力を語っていただいた。また健康への意識が高まったことで、最近、ハマっているという“腸活”についても聞いた。栄養をキープしながら、食べる量を減らす1日の1.5食の食生活とは?

eバイクの圧倒的なパワーには正直、ビビった

俳優、窪塚洋介。同じ時代を生きてきたGOODA読者にとって、いまさら彼のキャリアを振り返る必要はないだろう。鮮烈な俳優デビューから突然の活動休止。復帰後はレゲエDeeJayやカメラマンなど、アーティスト活動にも乗り出す。そして、ハリウッド作品への出演。新しい刺激を追い求める生き様からは、いつも目が離せない。そんな彼のアンテナにも、eバイクはいち早くひっかかったという。

「たまたま後輩がMATE. BIKEの代理店をやることになり、宣伝に力を貸すことになったんです。それで東京や沖縄で撮影しながら、試乗したんだけど、電動アシストのパワーが想像以上で、ちょっとビビるくらい強烈でしたね。大きなバッテリーが搭載されている分、車体は重いけど、パワーでフォローできちゃうから、重量を感じさせない。MATE. BIKEの場合は、ハンドルをBMX仕様に変更したり、荷台を付けたり、自分好みにカスタマイズできる点も遊び心があるし、すごくいいよね」

eバイクを手に入れたことで、移動の選択肢が増え、TPOによって使い分けていると語る。

「雨の日や家族と一緒ならクルマ。ひとりで遠出するならバイク。天気が良い日とか、ちょっとそこまでという外出にはeバイクをよく使っています。バッテリーがフルなら80キロくらいは走れるから、俺の場合、充電も1か月に1回程度で済む。息子も通学用として使っていて、普通のチャリと違うし、みんなから注目されるって言ってますね」

日常の“足”として、家族で活用しているようだ。

「このあいだ妻とも、自転車で娘を送り迎えする時間っていいよねって話してたんだよね。風を受けながら、娘を背中に感じられるし、子どもも親の背中から安心感や愛情が伝わって、通学路の道中が記憶に刻まれるんじゃないかな。バイクだと怖いし、あっという間に着いてしまう。ちょうどいいスピードの自転車を使うからこそ、家族の時間ができる。移動がゆっくりということは、それだけ親子で一緒にいられる時間も長くなるってことでもあるから」

窪塚洋介

腸で感じ、腸で考えている痛飲しても仕事ができるのは腸活のおかげ

そして、話題は最近、ハマっているという“腸活”へ。“マゴワヤサシイコナ”の合言葉で知られる腸に優しい食材を中心に、1日1.5食を摂ることを心がけているという。もともと健康志向ではあったが、ストイックに追求するほどではなかった。しかし、知人からすすめられた本を読んだことで、改めて食生活を見直す気になったとか。

「腸は第二の脳っていわれることもあるけど、むしろ第一の脳だと思ってます。古代生物も腸から生まれたっていうし、腸だけの生命体もいる。胃だけ、骨だけ、脳だけの生命体って、むしろいないですよね。最初にできる器官も腸だし、生き物は腸で感じ、腸で考えているといっても過言じゃないと思うんですよ」

だから、腸を整える食生活が重要だという。実際、腸活をはじめてから、すこぶる体調が良いと語る。

「ただ、酒を飲みすぎるので、健康な食生活と相殺されて、結局、プラマイゼロになっているんですけどね。でも、腸活をしていなかったら、今ごろ体を壊していると思う。酒をこれだけ飲んでも、二日酔いをリカバリーして、毎日仕事に行けるのは、腸活のおかげ」と笑う。

朝は野菜ジュースと自家製のヨーグルト。昼は好きなものを食べ、夜は白米を摂らず、軽く済ませると語る。お腹が減らないのか?と尋ねると、

「昔はお腹が減っていたら寝られなくて、しっかり晩御飯も食べていました。でも、空腹時に細胞が活性化され、生命の本来の力が出ることがわかってきたので、空腹が楽しめるようなりました。結局、ただのマインドセットだったんですよ。“お腹が空く=死ぬ。だから食べなきゃ”みたいな。肉をたくさん食う奴が強いっていう刷り込みがあったけど、その呪縛が消えたことも大きいですね。お腹が空いていても寝られるし、むしろ、空腹に喜びを感じながら、寝られるようになりました」

窪塚洋介

あぐらをかいたやつは、もう歩かない でも、俺は歩き続けて先に行ってみたい

2017年にはマーティン・スコセッシの監督作「Silence-沈黙-」でハリウッドデビューを果たし、2020年にはBBCとNetflixの共同制作シリーズ「Giri/Haji」にも出演。かと思えば、クラウドファンディングで資金を集め、撮影された豊田利晃監督の短編映画「全員切腹」や、「LINE NEWS」の動画プロジェクトである「VISION」の縦型ドラマ「上下関係」への出演など、規模も撮影環境もまったく異なる作品にも顔を出す。舞い込む多くのオファーから、どうやって出演作を選んでいるのだろうか?

「オファーを受けるかどうかは、胸のドキドキが基準です。誰が撮ろうが、どこで撮ろうが関係ない。自分が楽しめるかどうかですね。もし、不安のほうが多かったらやらない。20数年、俳優をやってきているので、どんなクオリティに仕上がりそうなのか、引き受けて後悔しないか、何となくわかるんですよ。『上下関係』でいえば、縦型で撮影したら、どんなふうに見えるんだろう?って、これまで経験したことがない撮影へのワクワクが決め手のひとつでした」

キャリアを積んでいけば、どこに地雷が埋まっているか、勘が働くわけだ。また、海外作品への出演が続いたことで、日本語で演技することの良さを再確認しているという。

「海外での撮影は得難い経験ができるし、成長できるから今後もチャンスがあれば、挑戦したいと思っています。いつも“生涯チャレンジャー”って言ってるけど、あぐらをかいた奴は、もうそこで歩かなくなっちゃうから。でも、俺は歩き続けて先に行ってみたい。自分自身に飽きたくない。ただ、言葉を使って演技する仕事だから、どうしても使い慣れている日本語のほうが得意だと実感しています。海外で学んだのは、マイペースで誰とも自分を比べないで、感謝してやっていくことが大事ってこと。だから、腸活して、毎日、自宅の神棚の水を変えたら、自分でつくったオリジナルの祝詞を唱えながら、“今日を迎えられたことを心から感謝します。生かせていただいてありがとうございます”って感謝する。そうやって日々過ごしていければ、ハッピーですね」

心と体を整えながら、次なるオファーを待つ。まだまだ僕らを驚かせてくれそうだ。

Information
LINE NEWS VISION「上下関係」
窪塚洋介主演ドラマ
LINE NEWS VISION「上下関係」
アーカイブ配信中。
映画化プロジェクト進行中

LINE NEWS VISION「上下関係」

上下関係に厳しい田舎から上京した本田小夏(21)は、内見で一目惚れしたレトロなアパート「メゾンピルグリム」に入居する。そこに住んでいたのは、クセのある「下層」の人間ばかり──夜の街で勤務し昼夜逆転の生活を送る山羽野々花(32)、爆音で音楽を流す売れないバンドマン・豊田響(42)、敷地に穴を掘る不気味な管理人・日野茂雄(71)、そして屋上にソファーを置いて優雅に過ごす男・カワサキ(39)。小夏は、謎めいた存在感を持つカワサキに戸惑いながら迎えた引っ越し当日の夜、謎の少女の悲鳴を聞き、恐怖する。そして翌日、刑事の光岡大悟(54)が訪ねてきて、小夏の前に住んでいた住人の女が、少女の悲鳴を聞いたあと行方不明になっていることを知る。そこからアパートに隠されていた謎が明らかになっていき、小夏は驚愕の真実に辿り着く──。

出演:窪塚洋介、河合優実、大島優子、降谷建志、田中麗奈、でんでん / 板尾創路 脚本:和田清人、ヒツジ、仁志光佑 監督・撮影:柿本ケンサク 主題歌:Dios「劇場」 配信日:7月30日(金)〜10月1日(金)毎週金曜日、約10分×全10話完結 ※現在アーカイブ配信中
https://jogekankei.com/

全員切腹
豊田利晃監督が描く
身体と魂を震わせる極音映画の最新形

全員切腹

物語の舞台は明治初期。ある流れ者の浪人の侍が、「井戸に毒を撒いて疫病を広めた罪」で切腹を命じられるのだが……。

監督・脚本・企画・プロデューサー:豊田利晃 出演:窪塚洋介、渋川清彦、芋生悠、ユキリョウイチ、飯田団紅 音楽:切腹ピストルズ、中込健太(鼓童)、住吉佑太(鼓童)、照井利幸、中村達也、ヤマジカズヒデ、Mars89
https://www.toyodafilms.net/zeninseppuku

窪塚洋介
プロフィール
窪塚 洋介(くぼづか ようすけ)
1979年5月7日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1995年に俳優デビューし、映画を中心に舞台でも活躍。2017年にマーティン・スコセッシ監督作 『Silence―沈黙―』でハリウッドデビューを果たし、海外にも積極的に進出。Netflixにて『GIRI/HAJI』、Amazon Audibleで『アレク氏2120』が好評配信中。2021年は『ファーストラヴ』、『全員切腹』、LINE NEWS VISION『上下関係』など出演作の公開が続く。また、レゲエDeeJayの卍LINEとして音楽活動を行う一方で、モデル、執筆と多彩な才能を発揮。カラダにいい、ココロにいい、ホシにいい。をテーマにした自身の番組『今をよくするTV』をYouTubeにて配信中。