ファッション
「あらゆるシーンで着られる機能とデザインを」 さらなる進化を遂げた「DESCENTE ALLTERRAIN」（デサント オルテライン）の新ラインとは
2023.05.22
「水沢ダウン」をはじめ、ハイスペックなアパレルを展開するブランド「DESCENTE ALLTERRAIN」（デサント オルテライン）が、この春夏、“どのようなシーンでも着られる機能とデザインの服”の需要を捉えた新たな2ライン「DESCENTE ALLTERRAIN I/O」（デサント オルテライン アイオー／以下：ALLTERRAIN I/O）と「DESCENTE ALLTERRAIN 81」（デサント オルテライン エイティワン／以下：ALLTERRAIN 81）の展開を2023年春夏シーズンから開始した。今回は、カテゴリー別に注目のラインナップをピックアップし、その特長をデサントジャパン株式会社DESCENTE ALLTERRAINマーチャンダイザーの大田晃輝さんと市場展大さんに伺った。
取材：TAKANORI ITO
協力：中山綸子（デサントジャパン株式会社）、嶋田哲也（muroffice）
使う技術や仕様を分けた２つの新ライン
写真向かって左：市場展大さん、右：大田晃輝さん
ーー2022年11月にもGOODAに登場していただいた「DESCENTE ALLTERRAIN」（デサント オルテライン）ですが、改めてブランドの基本情報を教えていただいた上で、今回の新たな2ラインALLTERRAIN I/OとALLTERRAIN 81のお話を伺えますか。
大田「2010年に開催されたバンクーバーオリンピックの際、日本選手団にアウターウェアをサプライするというミッションがあり、DESCENTE ALLTERRAINの前身となる『水沢ダウン』ができたことがきっかけで、その後2012年にDESCENTE ALLTERRAINがカテゴリーとしてローンチしました。誕生から10年が経ち、今年2023SSからDESCENTE ALLTERRAINという枠組みをさらに拡張して、ALLTERRAIN I/OとALLTERRAIN 81という2ラインを開始しました。DESCENTE ALLTERRAINは、もともと私たちデサントが持っている技術や開発の背景が凝縮されたラインです。それがこの10年で世の中に受け入れられてきた感覚があり、今後さらに広く発信していけたらということで、アプローチする人たちを明確化し、 そこに向けたアイテムのラインナップや、使う技術、仕様を分けたカテゴリーをつくりました」
ALLTERRAIN I/O Key Visual
ALLTERRAIN 81 Key Visual
大田「もともとのDESCENTE ALLTERRAINと今回スタートするALLTERRAIN 81は、雨や風など、過酷な環境に対してのテックウェアです。DESCENTE ALLTERRAINはスポーツウェア開発のテクノロジーを使ってつくられたものが多いのですが、なかでもアウトドアフィールドに特化したラインナップはALLTERRAIN 81が網羅しています。一方ALLTERRAIN I/Oは、身体に寄り添うような着心地で日常的に着用でき、テクニカルすぎず、プライスも少しお求めやすくなっています。こちらはテックウェアというよりは、歩いたり、座ったり、日常の動作に合わせた型紙設計で、素材もストレッチや吸水速乾など、日常に便利な機能を採用しているラインになります。さらにALLTERRAIN I/Oは、上下同じ素材でいくつかセットアップが組めるぐらいの最低限の型数と素材数で構成されています」
ON/OFFを横断し、365日あらゆる日常シーンで着回せるALLTERRAIN I/Oの新作アイテム
ーーそれでは早速、ALLTERRAIN I/Oの新作アイテムをいくつか紹介していただけますか。
大田「まずはHARD SHELL BAL COLLAR COAT（ハード シェル バル カラー コート）。DESCENTE ALLTERRAINでも以前から使っている、日本の素材メーカーと製作した生地を使用しているのですが、ALLTERRAIN I/Oは機能面でもデザイン面でもオーバースペックにならないようにしていて、昔から洋服として存在し続けているものをライナップするようにしています。 そして、テクニカルだけれど、日常生活で使って丁度良いぐらいのテクノロジーを搭載したものづくりをしています。このコートも、クラシックなデザインをベースにして、ジップが止水仕様になっていたり、肘にダーツが入っていたりと日常で使い勝手の良い仕様に細部がアップデートされているというアイテムです。 パターンやサイジングも、日常的に着るということを考えて、レイヤリングをしやすいよう適度なオーバーサイズでつくられています」
大田「今シーズン、ALLTERRAIN I/Oでメインで使用している素材は、二重織のストレッチ生地です。こちらを使用したラインナップには、コーチジャケットとテーラードジャケット、そしてMA-1ジャケットがあり、合わせるパンツはショートとロングで3種類、それらがどれでもセットアップになるという仕様です。ALLTERRAIN I/Oには、デイリーユニフォームというコンセプトがあり、上下を揃えるユニフォーム的なコーディネートで、毎日いろんな組み合わせで着られるという提案をしています。加えて吸汗速乾性やUV遮蔽性、接触冷感性を付与することで、春夏シーズンのあらゆる環境に順応できます。なかでも、MA-１が人気のアイテムです。MA-１には珍しい仕様で、真ん中にボタンが付いているのですが、ジップを開けて着た時にこのボタンだけ留めると、風が吹いても前がはだけることなく、風だけが抜けていくという着心地を体感できます」
TECH MA-1 JACKET 29,700円
大田「また、先程ご説明させてもらったセットアップになる二重織のストレッチ素材のショートパンツがこちらです。ALLTERRAIN I/Oの特徴としてデザインを全面に出さないようにしているのですが、例えばコンシールファスナーを使ったり、切り返しに沿ってポケットを配置したりと、できるだけミニマムにデザインしています」
大田「このセットアップのシリーズはかなり好評をいただいています。スポーティーすぎないデザインですが、その機能はきちんとあって、何よりも着心地がすごく良いと言うのもポイントです」
全地形対応を本格体現した、非日常・日常を両立させるALLTERRAIN 81の新作アイテム
――ここからはALLTERRAIN 81のラインナップについて、市場さんに伺います。
市場「まずは、ゴアテックスの３層構造のものと、2.5層構造のものを身体のパーツによって使い分けている、GORE-TEX JACKET BP（ゴアテックス ジャケット ビーピー）というアイテムです。BPは バックパックの略なんですが、登山で着られるナイロンシェルとして考えられており、 バックパックを背負った時にポケットの位置がショルダーベルトやウエストベルトをかわすようにつくられていて、 かつ透湿性と軽量性を重視したボディー部分には、2.5層の生地を使い、バックパックで擦れるようなところは3層の生地を使い、耐久性を高めています。一見シンプルなデザインなのですが、耐久性を高めるポケットの付け方や、 腕を上げたり、前に出したり、後ろに出したりしても ジャケットの裾が持ち上がらないようにパターンメイキングされていています。背中にはダーツが入っていて、かがんだ時も同様に、身頃が持ち上がったりしない構造につくられており、素材とパターンによって快適な着心地を実現しています」
市場「続いては、軽く羽織れて、さらりとした肌触りの防水モッズコート型アイテム、RAIN COAT（レインレインコート）です。特長として、6デニールの表地に7ミクロン耐水膜とトリコットを貼り合わせた３層構造の軽量耐水生地を採用し、裏面には縫製部分から漏水を防ぐシームテープ加工を施しています。ボタンも独自開発のタブキャップという特徴的なもの。生地が薄いので、スナップボタンのような形状のものを使うと生地が破れてしまうことがあるのですが、 タブキャップは生地に負担をかけず、ホールド感もあるボタンです。ロング丈でも軽量でポケッタブル仕様なので、持ち運びにも最適です」
市場「最後は、ROUND COLLAR JACKET（ラウンド カラー ジャケット）というアイテム。はっ水、ストレッチ機能を持ったポリエステル素材を使っています。春先などさらりと羽織れる汎用性の高いデザインです。右脇のハンドウォーマーポケットの内側には、別に隠しファスナーポケットも備えていたりとセキュリティ面も充実しています。こちらは同素材のパンツも用意があるのでセットアップでもコーディネートできます」
DESCENTE ALLTERRAINが提供する商品は、Scene-less, Age-less, Time-lessと、特定の年齢層や、特定のシーン、領域というものを設定していない。今回、3ラインに拡張したことで、都市生活や自然の中での暮らし、そして仕事と遊びのONとOFFなど、さらなるシチュエーションでよりさまざまな人達がDESCENTE ALLTERRAINを選ぶ機会が増えるだろう。
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伊藤孝法
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北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのセールスやPRを手がける。
2014年、WWDファッショニスタ100人がリコメンド！に参加。
テキスタイルデザインや自身のYOUTUBEチャンネル、北海道でFM番組のパーソナリティーも担当している。
