冬といえば鍋!

料理道具のプロがすすめるマルチ土鍋とあったかレシピ

冬仕様に身支度を整え、リモートワークが快適になるよう、暖房家電も準備をした。お次は食事だろう。身体の中から、ぽかぽかになれば、もう怖いものはない。冬の食といえば、鍋だ。手間がかからず、熱々のスープや野菜を摂れば、芯から温まる。そこで、今オススメしたい鍋と、それを使ったあったかレシピを料理道具コンサルタントの荒井康成さんに教えてもらった。

Styling&Movie&Photo:YASUNARI ARAI
Edit&Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

監 修
荒井康成

料理道具コンサルタント

荒井康成

洋菓子店店長などを経て、フランス陶器エミール・アンリ社の日本法人の設立に携わる。その後、フリーランスとなり、日本初の“料理道具コンサルタント”として独立。執筆やスタイリングだけでなく、料理道具のすばらしさを伝える映像も制作している。

鍋はもちろん、蒸し料理やオーブンでのパンづくりにも使える IH対応の土鍋

「最近はガスコンロではなく、IHのお宅も増えています。ですが、多くの土鍋はIHに対応しておらず、IH対応の土鍋を購入する必要があります」と荒井さん。

土鍋の底に、IH対応発熱プレートを敷けば、IHでも調理ができる場合もあるが、プレートのサイズによっては正しく加熱できないこともある。またすべての土鍋で使えるわけではない。そのため鍋底にIH加工が施されているIH対応の土鍋を用意したいところだ。

「そこでオススメしたいのが、1972年に滋賀県で生まれた生活雑貨インテリアブランド“KINTO”のKAKOMI IH土鍋です。KINTOらしい洗練されたデザインが魅力ですし、機能性も申し分ありません。IH調理器だけではなく、直火調理、電子レンジやオーブンでも使えます。火の当たりが優しいので、食材に均一に熱が加わります。また用途も多彩で、鍋のほか、パンを焼いたり、付属のすのこをセットして、ヘルシーな蒸し料理も簡単につくることができますよ」

今回は、すのこを使った、ささみハーブ蒸しとオニオンスープを披露してくれた。上でささみを蒸しながら、滴る旨味を無駄なく活用して、すのこの下でオニオンスープを同時につくるという二段調理だ。

「ほかにはトマト鍋やレモン鍋もオススメです。吸水率が極めて低く、料理の匂いが鍋に移りにくいという特徴を持っているので、匂いの強い食材やスパイスも安心して使えます。IH土鍋に加えて、炊飯土鍋もあわせてご紹介します。炊飯土鍋なら短時間でご飯が炊けますし、遠赤外線の効果でふっくら仕上がります。また、残ったら冷蔵庫にしまって、食べる時にそのままレンジで温めることができます」

土鍋は食材を内側から温める遠赤外線を放出していて、その効果は加熱されることによって、一層高まるのだという。

「土鍋でご飯を炊く時のデメリットは吹きこぼれなんですが、KAKOMI 炊飯土鍋は内蓋と外蓋の二重蓋になっていて、吹きこぼれを防いでくれます。また、内部でお米の対流が起こり、ムラなく炊き上がります。この炊飯土鍋を使って、パエリアをつくってみました」

KINTO「KAKOMI IH土鍋 2.5L

KINTO「KAKOMI IH土鍋 2.5L

15,950円

IH調理器のほか、直火調理、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター、電子レンジ、オーブンなどマルチに使える土鍋。料理の匂いがつきにくい素材を使用しているほか、付属のすのこをセットすれば、簡単に蒸し料理がつくれる。カラーはホワイトとブラック。ひと回り小さい1.2Lモデルもある。

KINTO「KAKOMI 炊飯土鍋 2合」

KINTO「KAKOMI 炊飯土鍋 2合」

7,700円

遠赤外線効果と、炊きムラや吹きこぼれを防ぐ二重蓋で、ふっくら炊き上がる。水の分量が測りやすい炊飯器と違って、土鍋での炊飯は水分量が測りにくいという欠点があるが、KAKOMI 炊飯土鍋は、土鍋の内側に水の目安となるラインが入っている。また、付属品のカップで米と水分量を計量することもできる。カラーはホワイトとブラックがある。

KAKOMI IH土鍋 2.5Lを使った ささみハーブ蒸しとオニオンスープ

ささみハーブ蒸しとオニオンスープ

材料(2人前)

鶏のささみ(もしくは、鶏むね肉)3枚、玉ねぎ1個、ローリエ1枚、ハーブ塩 適量、料理酒 大さじ1、水50cc

  1. (1)ささみは余分な筋や脂肪を取り除いたら、両面にハーブ塩をまぶし、料理酒をふりかけておく
  2. (2)鍋に500ccの水を入れ、沸騰したら、くし形に切った玉ねぎとローリエを加える
  3. (3)付属のすのこを鍋にセットし、ささみを載せたら、蓋をして弱火で15分蒸す
  4. (4)オニオンスープとカットしたささみをそれぞれ器に盛り付けて完成

KAKOMI 炊飯土鍋でつくる 本格パエリア

本格パエリア

材料(2人前)

あさり(殻付き・砂抜き済み)150g、玉ねぎ1/2個、にんにく1片、パプリカ(赤)1/2個、鶏肉骨付きスティック5本、料理酒30cc、オリーブ油 適宜、米2カップ、水450ml、ブイヨンの素(顆粒)小さじ1/2、サフラン小さじ1/4、塩 小さじ2/3、こしょう 少々

  1. (1)鍋にオリーブオイルを入れ、火にかける。鍋が温まったら、あらかじめ塩こしょうをしておいた鶏肉を入れる。軽く焦げ目がつくまで炒めたら、いったん取り出す。炒める際は焦げ付かないように注意
  2. (2)あさりと料理酒を入れ、蓋をして酒蒸しに。殻が開いたら、あさりを取り出す
  3. (3)みじん切りにした玉ねぎ、にんにく、パプリカを加え、炒める。玉ねぎに火が通ったら、米、水、ブイヨン、サフランを入れて混ぜ、(1)で炒めた鶏肉を上に載せる。蓋をして火にかける
  4. (4)蓋の穴から蒸気が出てきたら、弱火にして10分煮る
  5. (5)蓋を開け、アサリを加える。蓋をして10分程度蒸らしたら完成
荒井康成

荒井 康成Yasunari Arai

料理道具コンサルタント
Kitchenware Stylist

洋菓子店店長、和陶器店主を経て、フランス陶器エミール・アンリ社の日本法人設立に携わる。以後、日本初の「料理道具コンサルタント」として独立し、「料理通信」「ELLE gourmet」など、各食情報誌でのコラム執筆やスタイリング撮影、Panasonic「ふだんプレミアム」や魔法びんのパイオニア「サーモス」のInstagramディレクション、「キユーピーサラダクラブ」や「カルビーフルグラ」など食品会社の販促物スタイリング撮影、食の学校「レコール・バンタン」では講師として、多岐に渡り活動中。著書に「ずっと使いたい世界の料理道具」(産業編集センター刊行)。http://www.araitools.com