大人の好きなモノ語り
森崎ウィン

【森崎ウィンインタビュー】未来への期待を、「BAGGAGE」に詰め込んで

Interview 森崎ウィン
Photos:TATSUYA YAMANAKA(Stanford)
Text:HIROMI YAMANISHI(HISTOREAL)2023.4.17
映画、ドラマ、舞台と、俳優として多忙な日々をおくる森崎ウィンさんが、2023年4月19日、アーティストMORISAKI WINとしての2枚目のアルバムリリースをアナウンス。ミュージカル出演で全国をまわっている「今こそが発表するベストタイミング」という、そのアルバム「BAGGAGE」の内容、そしてコロナ禍からハマり「日々、高まっている」というキャンプ熱について語ってくれた。

英語×日本語×ダンサブルサウンド そこから生まれるグルーヴ感が“WIN節”

2023年3月から6月までの公演を予定している人気コミック「SPY&FAMILY」のミュージカルで、主演を務めている森崎ウィンさん。気力、体力を消耗するこの期間中の4月19日に、MORISAKI WIN名義で約2年ぶりとなる2枚目のアルバム「BAGGAGE」をリリース。ミュージカル出演の合間をぬって、日々アルバムのプロモーション活動を行なっている。

「緊張状態が続いている中で、体調がこれだけキープできているのは、正直、奇跡だと思うくらい(笑)。でも、ミュージカルに出演しているタイミングでアルバムをリリースすることは、それだけMORISAKI WINを知ってもらえるチャンスが増えると思ったので、この期間にリリースをしたかったんです」

2023年の幕開けとともにリリースが発表されたアルバムのタイトルは「BAGGAGE」。飛行機好きのWINさんにふさわしく、2021年にリリースされた1stアルバムのタイトルは「Flight」。ミャンマーで生まれ育ち、アジアから世界に発信するエンターテイナーとして、引き続き“旅”を意識したのだろうか。

「旅がとても好きなので、それはありますね。日に日に『旅に出たい』という気持ちが増していっています。このアルバムには既発のデジタルシングルも入っていますし、収録曲全部のコンセプトを統一するのは難しかったので、結果的にいろんな要素が詰め込まれたものになった。だったらタイトルは『BAGGAGE』でいいんじゃないか?って」

そのアルバムのオープニングを飾るナンバー「Move out」は、このアルバムを引っ張っていくような軽快なダンスナンバー。WINさんが作詞を担当し、ライブではバンドマスターを務めるアーティスト・宮野弦士さんが作曲をしている。

「『Move out』は、“出かける”“引っ越しする”という意味がある言葉なんですが、僕は“今の状態から抜け出そう”という意味を込めて使っています。ここ数年のコロナ禍、戦争、自分の故郷の状態……。一旦重い荷物を置いて、普通の生活ができない状態から抜け出して、『次にいこう』とみんなに思ってもらいたいという気持ちを込めました。まず曲をゲンティが書いてくれて、それを聴いて思い浮かんだ情景をどんどん言葉にしてつなげていって、できあがった曲です」

森崎ウィン

他にも自身が作詞した「No Limited」、今までライブだけで披露されてきた自身の作詞・作曲による「BeFree」も収録されている。

「『No Limited』は、『何かが起こってマイナスになりそうな瞬間でも、失敗を恐れずにどんどん楽しんでいこう』というメッセージを込めた、自分への応援歌でもあるナンバーです。『BeFree』はこのタイミングで、日本グッドイヤーさんの『オールシーズンタイヤ』のタイアップをいただいたので収録することにしました。この曲を選んでいただいたことが、とてもうれしかったですね」

どこか1980年代のR&Bを思わせる、耳なじみのいいサラサラとしたダンスサウンド、そこに乗ってくる英語と日本語の歌詞。2つの言語はごく自然に切り替わり、心地よく耳に響いてくる。以前に自身のサウンドを“WIN節”と称していたのだが……。

「日本語と英語が混じった歌詞の違和感のなさ、曲の中での2つの言語のスムーズな移行、そこから発するグルーヴ感は“WIN節”じゃないかなと思います。まだしっかり口に出しては言えないんですが、楽曲にはいい意味で僕の“クセ”が出てきているので、それを定着させて聴いてくださる人が『あぁ、WINだね』とわかってくれるようになったらいいな、と思います」

キャンプを好きになって初めて、自分の“収集癖”に気づきました(笑)

森崎ウィンさんの旅アイテム
「『E=mc²』というワッペンは、自分でつけました。アインシュタインが特殊相対性理論からみちびいた世界で一番有名な式で、『ほんのわずかな物質にも,膨大なエネルギーが秘められている』ことを意味しているんです。バックパックって、どんな物でも隙間なく収納できるし、可能性もたくさんあって、この言葉がぴったりだなって。このキャンプリュックは背負いやすいし、使いやすいし、値段も手頃。いつでもキャンプできるように中身を詰めて、常に車に置いています」

そんなWINさんがこのコロナ禍で「ハマった」最も大きなことが「ひとりキャンプ」。「インタビュー取材に、お気に入りのグッズをお持ちください」という編集部のリクエストにより、WINさんが運んできたのは、アルバム名「BAGGAGE」にちなんだのか偶然なのか、パンパンに詰まった大きな「キャンプリュック」。「よかったなぁ、おまえ、今日一緒に写真撮ってもらえるぞ」と、愛おしそうにリュックに話しかけながら中身を見せてくれた。最近は多忙で「なかなかキャンプに行けない」というWINさんだが、グッズは最新のものを揃えている。

「今まで、そんなに“物欲”ってなかったんですよ。今までコレクションをしていたものもないんですが、キャンプを好きになって初めて自分の“収集癖”に気づきました(笑)。惹かれるグッズは、まずビジュアルから。見た目の可愛さは大事ですよ! めちゃくちゃワクワクしますね。インターネットで気に入ったグッズを見つけたら、すぐポチッと購入を押しちゃいますね。今朝も新しいランタンとミリタリーの上着が届いたし。今僕が使っているお金は、ほとんどキャンプ用品です(笑)」

キャンプ用品も進化しているが、自身がトライするキャンプの形態も進化中だとか。

「最初の頃は、自動車にキャンプ道具を積みこんでその近くにテントを張る『オートキャンプ』だったんですよ。でも最近は駐車場に車を停めて、山の中を20分くらい歩いた場所にテントを張るキャンプに変わってきました。野営は夜、真っ暗になるし、すごく怖いんです。でも、朝が最高なんですよ! それで帳消し。その朝のために怖さを乗り越えています。目が覚めたら空気を吸って背伸びして、朝ごはんつくって食べて、片づけて帰るだけなんですけど(笑)」

公開中の「GOODA」を見ながら、「ここいいですね」「この道具、持ってますよ」と疲れを忘れて、イキイキと語るWINさん。次にトライしたいキャンプは?

「この前、千葉県に、すごくいい野営場所を見つけたんですよ。年間5000円で泊まり放題なんです。千葉や栃木にはいい野営場所があるので、もっと開拓したいですね。それと、今年中に『山登り』に挑戦したいです。その次のステップとしては、離島とかに行っちゃってると思います。日々進化しているので、また『GOODA』で話をさせてください!(笑)」

森崎ウィンさんの旅アイテム
「ひと目ぼれして買った、『YAJIN CRAFT』のスパイスボックスです。使うほどにいい革の色になってきて愛着が湧いています。入れている調味料は、塩、胡椒、油……。でも、料理の腕は一向に上がらないです(笑)」
森崎ウィンさんの旅アイテム
「『COOK’N’ESCAPE』のチタン水筒は、形も可愛いし軽くて気に入っています。まだ試してないんですが、焚き火にそのまま突っ込んで、中身を温めることもできるので便利なんです」
森崎ウィンさんの旅アイテム
「キャンプバックにちょうどつけられる大きさで軽い、“ひとり用”の『バンドック』のテントです。まだ1回しか使えてないんですが、めちゃくちゃ快適でしたよ」
CD Review
森崎ウィン『BAGGAGE』

『BAGGAGE』

12000円(税込)class W
(2CD+Blu-ray+フォトブック)
3000円(税込)ECONOMY
(Disc1 ONLY)

4月19日発売
コロムビアインターナショナル

「Disc1」には、「Me, Myself and I」「anymore」「Live in the Moment」「My Place, Your Place」の4作のデジタルシングルを含む、9曲を収録。「Disc2」には、アコースティックライブで披露したカバー曲「Take A Look At Me Now」(フィル・コリンズ)、「SINGIN’IN THE RAIN」(映画、ミュージカル「雨に唄えば」より)など4曲を収録。Blu-rayには、2021年9月に恵比寿・ザ・ガーデンホール(東京)で行われた「MORISAKI WIN LIVE FIRST FLIGHT」、2022年5月に昭和女子大人見記念講堂(東京)にて行われた「MORISAKI WIN -Dancing Charter Night flight―TYO」の映像を収録。

Profile

モリサキ・ウィン●1990年8月20日生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生で来日。中学2年生でスカウトを受け、芸能活動を開始。2008年ダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当する。2018年、スティーヴン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」でハリウッドデビューを果たす。その後、2020年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後もブロードウェイミュージカル「ピピン」日本公演の単独主演(2022年)やミュージカル『SPY×FAMILY』ロイド役として主演(2023年)。俳優活動と並行して、2020年7月、MORISAKI WINとして、シングル「パレード PARADE」でメジャーデビュー。2022年にはスーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」主題歌を担当。現在、自身初となる全国ライブツアー「MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR」を開催中。2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演している。