Photos : KENGO SHIMIZU Styling : YONOSUKE KIKUCHI Text:KOJI SONEHARA 2020.7.15
軽さ、防水、耐久、収納力など、さまざまな条件下での使用を前提とした
アウトドア・キャンプ道具は総じて、機能的だ。
なのに、たまに行くキャンプのときだけ活躍させるのはあまりにもったいないだろう。
その使い勝手を自宅で使わない手はない。
機能性はもちろん、デザイン的にも優れた逸品を紹介しよう。
ベージュバケツテーブル20,600円/イエティ(エイアンドエフTEL:03-3209-7575)
フィールドでの使用を前提としたアウトドアギアは、総じてつくりはタフだ。なかでも、ハードクーラーで名を馳せたYETIは、熊でも破壊できなかったという伝説すらある。そんなブランドが展開するバケツがかなりの優れもので、なんといっても「バケツのくせに」オプションパーツの充実ぶりがすごく、その機能性は家でも大活躍。ポケット付きのベルトを巻けば、リモコンや雑誌などリビングに散乱しがちな小物をまとめることができるし、強力な密閉力を持つ蓋はハニカム構造のためサイドテーブルとしては申し分なし。防水性が極めて高いから、夏場は氷をブチ込んでソファーサイドの冷蔵庫としても活躍してしまう。
キャンプブームにより、10年前に比べると圧倒的にアウトドアブランドというものが増えた。以前は、テントからバーナー、調理器具までフルラインナップでキャンプギアを展開できる老舗や大手の領域だったが、ここ数年はより専門性をもたせたインディペンデントなブランドが増えた印象だ。そんなブランドたちがつくるプロダクトは、デザインが先鋭的でいて高品質。テントに定評のあるNEMOがつくるこのロッキングチェアがまた格別で、座り心地はハンモックとアウトドアチェアの間といった感じ。テクニカルなデザインが、都会の洗練された部屋にもマッチするので、窓際にたたずむ姿はいくらでも見ていられる。
メッシュチェア25,850円/ニーモ・イクイップメント(イワタニ・プリムスTEL:03-3555-5605)
黒カーディガン14,300円、ベージュTシャツ7,900円、黒パンツ13,200円/すべてザ・ノース・フェイス(ザ・ノース・フェイス スタンダードTEL:03-5464-2831)
コロナ禍でテレワークが日本においても一般化した昨今、ニーズが高まっているのがルームウェアだろう。ビデオで行うオンラインミーティングで着る服も、家なのにスーツというのも違和感があるし、かといって部屋着丸出しのスウェットってわけにもいかない。求められているのは、リラックス感があるスタイリッシュなルームウェア。アウトドアブランドが展開するカジュアルウェアは、洗練されたデザインでストレッチをきかせたのが多く、今求められているルームウェアの最適解。科学繊維特有の光沢感もまた清潔感があり、スーツ慣れしたビジネスマンもきっと着やすいはずだ。
コットレッグ10,000円、カモ柄コット52,000円/ともにヘリノックス(エイアンドエフTEL:03-3209-7575)、黒×白柄高機能タオル5,280円/ノマディックス(アルコインターナショナルTEL:06-6563-7346)
キャンプ慣れしていない人にはあまり馴染みのない、コット。組み立て式のポータブルタイプのベッドで、キャンパーたちはこのコットをテントに入れたり、空の下において心地よい眠りにつくのだが、これまたインテリアで活躍する代物。リビングに置いてソファ代わりにするもよし、玄関に置いてベンチとして使用するもよし。なにが良いって、模様替えしたくなったらコンパクトに折りたたんでクローゼットにしまえること。ソファやベッドはそうはいかないから選ぶのにそれなりの気合が必要だが、必要無くなったらしまえばいいとなれば手を出しやすい。
テレワークで家にいる時間が長くなった今、欲しいのは長時間履いても疲れない快適なルームシューズ。コロナ以前なら、「家に帰ってきたら寝るだけ」なんてビジネスマンは、ペタペタのスリッパでも気にならなかったが、外にいる時間よりも部屋にいる時間の方が長いとなればシューズ選びが仕事のパフォーマンスに直結しかねない。選ぶべきはアウトドアサンダル。ハードな地面に対応できるスペックがあるからフラットな床では疲れ知らずだし、なによりテクニカルな見た目が男心をくすぐる。キャンプブームの影響で、デザイン性を売りにしたプロダクトが圧倒的に増えたから、ストラップサンダルに抵抗があった人でもきっと好みのものが見つかるはず。
左から、ベージュサンダル6,380円/ウーフォス(アルコインターナショナルTEL:06-6563-7346)、ブラウン×黒あみ込みサンダル14,190円/チュバスコ(サンセイショウジTEL:055-932-8888)、ベージュスリッパサンダル7,700円/キーン(キーン・ジャパンTEL:03-6416-4808)
ワイヤレススピーカー35,200円/バルミューダ(バルミューダTEL:0120-686-717)
キャンプシーンで安らぎをもたらすランタンの光。そんな魅力に惹かれて、家でも使うキャンパーは多かったが、コロナ禍がその潮流に拍車をかけた。そこで、家で使えるスピーカー付きのものを探してみると、ユニークな良品が見つかった。インテリアフリークの定番、BALMUDAの「BALMUDA The Speaker」は77mmフルレンジスピーカーから流れる音楽とシンクロして光輝くのが特徴。キャンドルモードで揺らめく光が部屋のムードづくりにも最適。ROOT COのものは非常に面白く、ランタンとスピーカー機能に加えて、食品衛生法適合となったボトルが一体化。ホームパーティでちょっとした違いを演出するなら、こんなランタンスピーカーを選ぶと話題にもなっていい。
ネイビースピーカー11,000円/ルートコー(ROOT株式会社TEL:0460-83-8634)、パープルクーラーカップ3,520円/ハイドロフラスク(アルコインターナショナルTEL:06-6563-7346)
スタイリスト 菊池 陽之介/YONOSUKE KIKUCHI
1979年神奈川県生まれ。スタイリスト熊谷隆志氏に師事。2004年に独立し、メンズファッション誌をはじめ、広告やタレントのスタイリングを手掛けている。また、2009年には自身がクリエイティブディレクターを務めるキッズブランド「SMOOTHY」をスタートさせた。