GOODA
vol.29 INDEX

休日を充実させるスポーツは、アイテムやウェアにもこだわりたい。機能性を追求したアイテムや、着ているだけで心が浮き立つおしゃれなウェアを厳選してお届け。

極限状態で挑むアイロンがけ
「エクストリームアイロニング」とは?

断崖絶壁や海の中、地球上のあらゆる場所で、そしてあらゆる体制で服にアイロンを掛けるという何ともエクストリームなスポーツがにわかに話題だ。イギリス発祥のこのユニークな競技は、フィル・ショウ(通称・スチーム)という人物が自宅の裏庭で行ったことから始まったそう。とにかくこだわりは、極限状態の場所で平然とアイロン台を出し、涼しい顔で優雅にアイロンを掛けること。それがどういうわけか、重要視されているのだ。

エクストリームは止まらない!
あらゆる世界記録が誕生中

欧米を中心に愛好家がおり、日本には「エクストリームアイロニングジャパン(通称EIJ)」という公式活動団体も存在している。競技人口は公式発表では400名だが、実際は世界でも50名、日本では7名しかいない超マイナースポーツといわれている。プレイヤーはアイロニストと呼ばれ、不定期だが世界大会も行われているそう。評価基準には、技術点・芸術点・タイムがあり、「きちんとシワが伸ばせているか」、「いかに独創的なスタイルでアイロンがけができるか」、「いかに早く終わらせるか」が競われている。しかし、アイロン自体の目的が果たせるのか、についてはもはや問題ではないようで、イギリスのアイロニストがエベレストのベースキャンプでアイロン掛けを行ったことを発端に、キリマンジャロの頂上や、海中でスキューバ・ダイビングをしながら、スキーやスノーボードの最中、パラシュート降下中、湖の氷上、極めつけは宇宙(!?)と、エクストリーム度合いもどんどん過激に。
また、エクストリームアイロニングの発展により、さまざまな世界記録が生まれている。アイロン掛け高度世界記録では、アルゼンチンのアコンカグア山の頂上・6959m、水中最深記録では、エジプト沖での水深100m、そしてロンドンマラソンでは、クリース・ライトニンという選手がアイロン道具を全て装着し、途中でアイロン掛けをしながらフルマラソンを4時間8分で走破した。イギリスのボート競技のオリンピック金メダリスト、スティーヴ・レッドグレーヴは、エクストリームアイロニングを「すばらしいスポーツだ」と、オリンピック公認競技に提案までしているのだとか。「エクストリームアイロニング」という珍(?)スポーツが、いつかオリンピック競技になる日もありえる、かも?