ここ数年、オーバーサイズ一辺倒だったサイズ感が多様化している。オーバーサイズと比べて足が長く見えるショート丈のブルゾンを紹介したが、そんなトップスに合わせたいのが、コーデュロイパンツだ。しかも、テーパードがキツくなく、ワイドでボリュームのあるサイズのもの。少しタイトなトップスと対照的に、下半身ではボリュームをもたせることで、全身のバランスが向上するのである。更に、素材はコーデュロイが本命。こちらも“いなたい”感を演出するのに便利。クラシックな印象が加わり、今風なレトロ感をスタイルに加えることができる。
Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Hair&Make:KAZUYA MATSUMOTO
Model:HAYATE OGASAWARA
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)
メンズファッションでは、ルーズなオーバーサイズからトレンドが変化し、ショート丈やタイトなトップスといったクラシックへの回帰がはじまっている。そんな上半身と相性が良いのは、裾に向かって細くなるテーパードがキツくないワイドパンツ。下半身にボリュームゾーンをつくってAラインにすることで、シルエットが安定するのだ。更に、素材は凹凸のあるコーデュロイがイチ押し。手触りが良く、光の当たり方によってニュアンスが出るし、控えめなデザインながらも上品で存在感があるため、トップスがシンプルでもコーデのバランスをつくりやすい。今季のパンツは、“いなたい”昭和オヤジ感を出すためにも最適な、ズドンと太いコーデュロイのワイドパンツで決まりだ。
クラシックな印象に欠かせないパンツのディテールといえば、タックだ。パンツの前側にある生地を畳んだヒダのことで、これがあると、クラシカルなシルエットになる。今季、目指す“いなたい”昭和感との相性は言うまでもない。ルーズに見えがちなワイドパンツがタックひとつで上品に生まれ変わる。
アクセサリーやアイウェアは、気に入ったものを買い、コーデやスタイルを問わずに同じものを着用し続ける。そんな人も多いのでは? それでももちろん構わないが、新調したいと考えているのなら、スタイルに合わせてアップデートしたいところ。GOODAが今季おすすめする“いなたい”感は古着ブームに通じるし、若すぎるスタイルから脱却したいと思っている人にはうってつけ。そんなコーデに合わせるアクセサリーとアイウェアは“さりげない存在感”がキーワードになる。
クラシックなコーディネイトに合わせるアイウェアだが、フレームが定番の黒やシルバーでは主張が強すぎて、浮いてしまう。グリーンやブラウン系といったネイチャーカラーと相性が良い、ベッコウタイプを選びたいところ。肌になじみやすく、適度な存在感がクラシックな佇まいとマッチする。
(写真上から)47,300円/アヤメ、47,300円/アヤメ、38,500円/アヤメ(以上すべて、アヤメTEL:03-6455-1103)
アクセサリーもアイウェア同様にコーデと合わせて着用したい。レトロ感のある洋服にはゴールドや、ボリュームの大きいアクセサリーはトゥーマッチだ。“さりげない”けれど、しっかりと存在感が出せるものがベストだろう。そこで今回セレクトした「アダワット トゥアレグ」のアクセは、北アフリカに住む遊牧民、トゥアレグ族が伝統工芸として生産する銀細工。サイズや線は細いのに、個性的な彫刻が施されていて、しっかりと存在感がある。これを小指や人差し指など、複数の指につけるのが、おすすめだ。
リング14,300円/アダワット トゥアレグ(アダワット トゥアレグTEL:050-5218-3859)
アイウェアもアクセサリーも、慣れてくると手持ちが増えて、少し攻めたデザインのものや、色々な組み合わせも試してみたくなる。しかし、異なる系統のものや質感のものをゴテゴテと身に着けてしまう可能性があるので、バランスは意識しておきたいところ。今季は主張しすぎず、いぶし銀に光る、アイウェアやアクセを選びたい。