タイトな上半身とバランスを取る 太めのコーデュロイパンツ

2024年秋冬ベストバイ

ここ数年、オーバーサイズ一辺倒だったサイズ感が多様化している。オーバーサイズと比べて足が長く見えるショート丈のブルゾンを紹介したが、そんなトップスに合わせたいのが、コーデュロイパンツだ。しかも、テーパードがキツくなく、ワイドでボリュームのあるサイズのもの。少しタイトなトップスと対照的に、下半身ではボリュームをもたせることで、全身のバランスが向上するのである。更に、素材はコーデュロイが本命。こちらも“いなたい”感を演出するのに便利。クラシックな印象が加わり、今風なレトロ感をスタイルに加えることができる。

Photos:TATSUYA YAMANAKA(stanford)
Styling:YONOSUKE KIKUCHI
Hair&Make:KAZUYA MATSUMOTO
Model:HAYATE OGASAWARA
Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

タイトになったトップスと相性が良い ズドンと太いワイドパンツ

タイトになったトップスと相性が良い ズドンと太いワイドパンツ
スウェット33,000円/イレーヴ(イレーヴTEL:03-5785-6447)、カットソー20,900円/ブラームス(ワンダ リズムTEL:03-5797-9915)、パンツ53,900円/ヒューベント(アルファ PR
TEL:03-5413-3546)、ベルト16,500円/イレーヴ(イレーヴTEL:03-5785-6447)、靴12,100円/アシックス(アシックスジャパンカスタマーサポート部https://www.asics.com)

メンズファッションでは、ルーズなオーバーサイズからトレンドが変化し、ショート丈やタイトなトップスといったクラシックへの回帰がはじまっている。そんな上半身と相性が良いのは、裾に向かって細くなるテーパードがキツくないワイドパンツ。下半身にボリュームゾーンをつくってAラインにすることで、シルエットが安定するのだ。更に、素材は凹凸のあるコーデュロイがイチ押し。手触りが良く、光の当たり方によってニュアンスが出るし、控えめなデザインながらも上品で存在感があるため、トップスがシンプルでもコーデのバランスをつくりやすい。今季のパンツは、“いなたい”昭和オヤジ感を出すためにも最適な、ズドンと太いコーデュロイのワイドパンツで決まりだ。

タイトになったトップスと相性が良い ズドンと太いワイドパンツ
厳選されたスーピマコットンを使用したオーガニックコーデュロイです。シルエットは少しだけテーパードがかかっていますが、ほぼストレートでボトムにボリュームを出すのに最適な一本だと思います。

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53,900円/イレニサ(イレニサirenisa.com)
しっとりした質感のコーデュロイ素材を使用した、前裏仕立ての2タックワイドパンツです。脇にゴムが配置されていて、ウエストはもちろん、腰の位置でもキレイに穿けるよう設計されています。
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19,000円/スティル バイ ハンド(スタイルデパートメントTEL:03-5784-5430)
フロントにタックがあり、腰からもも回りにかけて、ボリュームがあるシルエットのコーデュロイパンツです。価格も手頃で、コーデュロイパンツはあまり穿いたことがないという人でも、手が出しやすいはず。
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36,300円/KHONOROGICA (HEMT PR TEL:03-6721-0882)
シャツブランドとしてスタートしたKICS DOCUMENT.より進化したブランドが、KHONOROGICA(コノロジカ)です。All Made in Japanにこだわったモノづくりをしていて、論理的にデザインを構築しています。このパンツからもそのこだわりの一端が垣間見えます。

クラシカルな印象を与える タックありパンツ

クラシックな印象に欠かせないパンツのディテールといえば、タックだ。パンツの前側にある生地を畳んだヒダのことで、これがあると、クラシカルなシルエットになる。今季、目指す“いなたい”昭和感との相性は言うまでもない。ルーズに見えがちなワイドパンツがタックひとつで上品に生まれ変わる。

アクセサリーとアイウェアは “さりげない存在感”がトレンドに

アクセサリーとアイウェアは “さりげない存在感”がトレンドに

アクセサリーやアイウェアは、気に入ったものを買い、コーデやスタイルを問わずに同じものを着用し続ける。そんな人も多いのでは? それでももちろん構わないが、新調したいと考えているのなら、スタイルに合わせてアップデートしたいところ。GOODAが今季おすすめする“いなたい”感は古着ブームに通じるし、若すぎるスタイルから脱却したいと思っている人にはうってつけ。そんなコーデに合わせるアクセサリーとアイウェアは“さりげない存在感”がキーワードになる。

クラシックで肌になじむ ベッコウタイプのアイウェア

クラシックで肌になじむ ベッコウタイプのアイウェア
クラシックで肌になじむ ベッコウタイプのアイウェア

クラシックなコーディネイトに合わせるアイウェアだが、フレームが定番の黒やシルバーでは主張が強すぎて、浮いてしまう。グリーンやブラウン系といったネイチャーカラーと相性が良い、ベッコウタイプを選びたいところ。肌になじみやすく、適度な存在感がクラシックな佇まいとマッチする。

(写真上から)47,300円/アヤメ、47,300円/アヤメ、38,500円/アヤメ(以上すべて、アヤメTEL:03-6455-1103)

アヤメは2010年に登場した新鋭のメガネブランドで、デザイナーの今泉悠氏が手がけるクラシカルで唯一無二のデザイン性と、それを具現化する福井県鯖江の職人による高度な技術が高い評価を受けています。

ゴテゴテよりも“さりげなく” コーデに合わせたアクセサリー

ゴテゴテよりも“さりげなく” コーデに合わせたアクセサリー
ゴテゴテよりも“さりげなく” コーデに合わせたアクセサリー

アクセサリーもアイウェア同様にコーデと合わせて着用したい。レトロ感のある洋服にはゴールドや、ボリュームの大きいアクセサリーはトゥーマッチだ。“さりげない”けれど、しっかりと存在感が出せるものがベストだろう。そこで今回セレクトした「アダワット トゥアレグ」のアクセは、北アフリカに住む遊牧民、トゥアレグ族が伝統工芸として生産する銀細工。サイズや線は細いのに、個性的な彫刻が施されていて、しっかりと存在感がある。これを小指や人差し指など、複数の指につけるのが、おすすめだ。

リング14,300円/アダワット トゥアレグ(アダワット トゥアレグTEL:050-5218-3859)

トゥアレグ族は、HERMESのバングルやネックレスを一部手がけていることで知られていますが、彼らのつくり出すシルバーアクセサリーは、高い彫金技術とカジュアルなのに品のあるデザイン性が魅力です。一刀一刀手彫りされた模様は、「魔除け」の意味があるそうで、世界中のファッショニスタの注目を集めています。

アイウェアもアクセも 主張しすぎない。それが正解

アイウェアもアクセサリーも、慣れてくると手持ちが増えて、少し攻めたデザインのものや、色々な組み合わせも試してみたくなる。しかし、異なる系統のものや質感のものをゴテゴテと身に着けてしまう可能性があるので、バランスは意識しておきたいところ。今季は主張しすぎず、いぶし銀に光る、アイウェアやアクセを選びたい。