海釣りのもうひとつの楽しみといえば、やはり帰宅後に新鮮な魚が食べられる点だろう。堤防でも食べられる魚が釣れるものの、サイズや種類の豊富さで船釣りには及ばない。料理が苦手な人は、うろこや内臓だけを処理するだけで3枚におろしたりする必要がない、アクアパッツァがいいだろう。野菜と貝で煮込むだけなのにかなり美味い。健康志向が高まるなかで、自宅で釣ったばかりの魚を食べるのは、贅沢な時間だ。今回は実際にタイラバで釣った魚で、アクアパッツァをつくってみた。
釣りに行くたびに魚をさばいていると、素人でもちょっとずつ上達してくる。すると、ほしくなるのが、よく切れる包丁だ。メインとなる出刃包丁のほか、刺身包丁、小ぶりな魚や野菜用の剥物(むきもの)があるとベスト。この貝印の“橋本幹造 両刃包丁”は、家庭で研ぎやすいように、本来は洋包丁で使われる両刃付けを採用している。包丁の重心が刃のほうにあり、重さを利用して切れるので、扱いやすい。
アクアパッツァの最初の工程は、鯛のうろこを落とすこと。釣り人にとって、頻繁に使うアイテムだけに、良いものを購入しておきたいところ。SELECT100の、うろこ取りはワンタッチで着脱できる飛び散り防止カバーが付いている。ステンレスの一体構造で洗いやすいのも好印象だ。また先端部分のギザ刃で、ヒレ周りの細かいうろこも取りやすい。
鯛のうろこを落としたら、背ビレや胸ビレをキッチンばさみでカットしよう。「関孫六 鍛造オールステンレスカーブキッチン鋏」の形状が、緩やかにカーブしているのは、食材を起こさなくても切りやすいから。刃には細かな凸凹が付いており、食材が滑りにくいのも◎。大物の真鯛の分厚いヒレも切れる堅牢さだ。継ぎ目のない一体型で分解して洗えるのもうれしい。
内臓、うろこ、ヒレなどを除いた真鯛は、フライパンで焼き目を付ける。ワインを加え、アルコールを飛ばしたら、水を足して、煮込む。途中でアサリやしじみなどの貝類、プチトマト、お好みの野菜を加え、蓋をして5〜10分程度、加熱。
鯛に十分、火が入り、貝のクチが開いたら、火を止め、ハーブ類を散らして完成。