こだわり、思い入れのあるギアが
キャンプをもっと面白くする!
自然でのアクティビティがこれまで以上に注目を集めている今、「今年こそはキャンプを!」と思っている人も多いのでは!? キャンプの楽しみ方はさまざまありますが、あれやこれやと想像しながら、ギアを揃えるのも醍醐味の一つであることは間違いありません。ということで今回は、ギアに関して一家言をもつ趣味人の面々に、お気に入りのキャンプギアを見せてもらいました。これを見ながらギア選びの参考にするもよし、キャンプ熱を高めるのもよし! ぜひヒントを探ってみてはいかがでしょう。
Photo/Tatsuya Irie
Styling/Takahiro Nakajima
Edit&Text/Kazuyuki Nomura
2020.7.15
アウトドアプランナー・焚き火マイスター
猪野正哉
さん
- キャンプ歴:5年
- 年間キャンプ数:20回
- よく行くキャンプ場
フォレストサンズ長瀞
元人気ファッション誌のモデルで、現在は焚き火マイスター、アウトドアプランナーとして活躍するほか、千葉県にあるアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」も運営・管理する。テレビ番組「マツコの知らない世界」に焚き火プレゼンターとして出演するなど、様々なメディアで活躍中。
「炎の揺らぎにはリラックス効果があるので、疲れている人はぜひ焚き火をやってみてはいかがでしょう。失敗をおそれずとにかく楽しくやることが重要だと思います。ギアはブランドにこだわらないのがこだわり!」
ヘッド部分はステンレス、ハンドルにアルミ合金を使用した斬新なペグハンマー。「使用歴は2年ほど。ペグハンマーといえばT型が主流ですが、こちらはストレートヘッドでデザインもいい。とても打ちやすく、ペグ抜きも楽。機能性もバッチリです」
雨に濡れても、風に吹かれても確実に着火してくれるストームプルーフ マッチ。「アウトドアのいかなる状況下でも確実に15秒ほどは燃え続けてくれ、火薬部分も長いので焚きつけにぴったりです。専用の防水ケースに入れておけるので、湿気ることもありません」
カナダで2017年に設立された、新進気鋭アウトドアブランドのコンパクトな焚き火台。「折りたたむことで、大きめのポケットなら収納可能なほどとってもコンパクトに。サブの焚き火台としてもぴったりで、焚き火料理にも最適なサイズ感がお気に入りです」
簡単に組み立てることができ、持ち運びも楽なクロス型薪スタンド。「薪は地面に直置きしてしまうと水分を吸い上げてしまい、燃えにくくなるのでスタンドは必須。こちらはデザインもよく、アウトドアで使わない時はインテリアでブックスタンドとしても使えます」。
アメリカのミネソタ生まれで、焚き火愛好家たちから愛され続けている火吹き棒(チューブ)。「焚き火の火つけに使う火吹き棒は、見た目にもいかついものが多いですが、こちらはピンポイントで空気を送れるし、見た目にも良いので気に入っています」
新富士バーナーの
草焼バーナーCB
ちょろ焼くん ボンベ GT-760
参考価格:2,460円
草焼きに適したワイドな炎を実現してくれる草焼きバーナー。「たき火ヴィレッジ〈いの〉という撮影、イベント専用のアウトドアフィールドを運営しているのですが、これからのシーズンは雑草との闘い。強力なアイテムとして購入予定です」
Ballistics 代表
塚原学
さん
- キャンプ歴:28年
- 年間キャンプ数:10〜15回
- よく行くキャンプ場
ふもとっぱらキャンプ場
ミリタリーやバイク、アウトドアなどをデザインベースにしたアウトドアファニチャーやギアを発信する〈Ballistics(バリスティクス)〉代表。大のギア好きで、ヴィンテージを中心に、ミリタリーやアウトドアグッズのコレクションも多岐にわたる。
「たくさんのギアを所有していますが、最近はなるべくモノを最小限にし、こじんまりとしたサイトで過ごすキャンプスタイルが好きです。ギアは素材の表情や、情緒を漂わせているアイテムが個人的に惹かれますね」
第2次世界大戦で使用された、英国軍用のストーブ。コンディションも良好な逸品。「ミリタリーモデルらしからぬ優雅な外観に惹かれ、2年前くらいに購入しました。燃料は灯油を使うので、ランタンと共用できるところも利点です」
100年以上の歴史を誇るドイツの伝統的なランタンメーカー「Feuerhand社」の灯油ランタン。「こちらも第二次世界大戦でドイツ軍が使用していたミリタリーモデルです。キャンプでは主にLEDのものを使い、こちらは雰囲気作りとして使っています」
アウトドアでも本格的なコーヒーが楽しめる、ハイレベルなコーヒーグラインダー。「最近購入したばかりのコーヒーグラインダーです。中国製ですがデザイン、精度共に抜群で、豆を挽いていてとても気持ちがいい。ハンドルが畳めるのも高ポイントです」
創業100年を超えるスタンレーのウォータージャグ。味わい深いヴィンテージ品も人気のブランド。「キャンプの際、水を溜めておくのに使用しています。ホントかどうかわかりませんが、U.S.NAVYのデカールが貼られているのも気に入っています」
スケートボードのデッキに取り付けることで、スツールとして使える人気品。「インテリアはもちろんですが、強度があるのでアウトドアでも椅子やテーブル、脚立として使えます。その時の気分で好きなスケートボードに簡単に着せ替えができるのもポイントです」
PENDLETONの
ウールブランケット
参考価格:15,000~60,000円
アメリカの良心とまで言われる、言わずと知れた名門ブランドのネイティブ柄ブランケット。「どんなシーンでも使え、何枚あっても困らないウールブランケットです。柄が豊富で、新しい柄を見つけると定期的に買い足したくなりますね」
A&Fカントリー本店 店長
平戸隆志
さん
- キャンプ歴:30年
- 年間キャンプ数:3〜5回
- よく行くキャンプ場
西湖自由キャンプ場
世界のアウトドア用品を輸入、販売し、アウトドア好きにはおなじみの「A&F カントリー」の本店で店長を務める。機能美を伴うアイテムが好きだという生粋のギア好き。公私ともにキャンプを楽しむアウトドアマンで、さまざまなギアへの造詣も深い。
「最近はなかなか行けていませんが、なるべくコンパクトかつミニマムなキャンプサイトで、まったりとお酒を飲むのが好きです。必要な機能が絞られたギアには美しさがあり、見ているだけでも楽しくなりますね」
軽量、折りたたみで座り心地も◎な、ブランドを代表するロングセラー品。「アウトドアでくつろぐ時は、大地に身を委ねるのが一番気持ちいい! 直接地面に座るとおしりも腰も痛くなるので、この座椅子のようなチェアがとても重宝します」
英国銀職人が1つ1つハンマー打ちで表面に模様を入れたピューター製のフラスコ。「ピューター素材にハードリカーを入れると味がまろやかになると言われています。焚き火の前でこのフラスコ片手に1人で過ごす時間が至福のひと時です」
アウトドアマン定番の万能調理器具。「スキレットに比べ、フチがない分多少軽くなるかなと思い購入しましたが、やっぱり重い(笑)。でも、鋳鉄なので美味しくグリルでき、取っ手がついているので取り扱いがしやすく愛用しています」
シリーズ最高峰の超小型充電式ヘッドランプ。「以前はMS-G1を使っていましたが、半年ほど前にこちら購入。充電式のヘッドライトで暖色系の明かりが気に入っています。G2は400ルーメンもあり、充分な明るさが欲しい人には最適だと思います」
中古市場でも人気の高い、アメリカMIRRO社のアルミ製パーコレーター。「焚き火で何度か蓋のプラスチックが溶けてしまいましたが、無理やりガラストップに交換して使っています。約20年も付き合っているパーコレーターなので愛着がありますね」
FIRESIDEの
ファイヤーブラスター
参考価格:3,333円
アルミ製で軽量な、定番人気の火吹き棒。「焚き火を見ているとついついいじりたくなってしまいますが、その心を満足させてくれそうです。火吹き棒を持っておくと朝一に熾火から火を起こすのも楽ですし、キャンプ好き必携のアイテムですね」
アウトドアライター・PR
山田昭一
さん
- キャンプ歴:22年
- 年間キャンプ数:50泊
- よく行くキャンプ場
白浜フラワーパーク
ファッション、アウトドア業界での経験を生かし、フリーランス に転身後はライター業やアウトドアディレクション、PR業に携わる。渓流釣りメインのベースキャンプなど本格的なアウトドアに傾倒し、年間で約50泊をフィールドで過ごす。
「ギア選びの基準としては、45Lほどのザックに入る大きさで、味があって軽いモノ。機能性は大前提として、ルックスも大事です」
工具で有名な、スウェーデンBAHCO社製の折りたたみ式ノコギリ。近年はブッシュクラフターからも人気。「切れ味の面では日本ブランドのノコギリのほうが断然上ですが、こちらはミリタリー然とした佇まいがいいですね。2年くらい使っています」
キャンプ好きの間でも大人気となっている、ノルウェーのヘレ・ナイフ社製ナイフ。「一目見てその洗練されたルックスに惹かれ、ほぼジャケ買いで購入(笑)。3年ほど使っていますがとてもタフで、調理の他にもバトニングやチョッピングでも使えます」
ケトルとしてはもちろん、鍋としても使えるオールマイティな定番品。「ソロキャンプに丁度良い大きさで、250gのガス缶が丁度収まるので持ち運びもコンパクト。ステンレス製なので直火、炭火共にOKで、ガシガシ使えるのもお気に入りです」
一瞬の火花から火をおこすヴィンテージの火打ち石。経年変化した牛革のケースも雰囲気抜群。「かれこれ10年以上は使っているヴィンテージの火打ち石です。ファイヤースチールよりも高度な技術が必要ですが、その分面白いし風情があるので愛用しています」
優れた通気性と耐久性を併せもつ、独自の合成皮革で作られたワークグローブ。「4,000円ほどで購入し、かれこれ10年は使っています。ヘビーデューティーな作りはすごいなと思います。元々はイエローだったのですが、自分で茶色に染めて使っています」
BARK RIVER KNIVESの
ブラボー1 A2
参考価格:29,800円
鋭い切れ味と刃先の曲線が美しいバークリバー社の高品質ナイフ。「アメリカの本格的なハンティングナイフは、タフで切れ味がめちゃくちゃ良いと評判です。少々価格は張りますが、一生モノとして使えそうなので購入を検討しています」
Andfamilys デザイナー
村上游
さん
- キャンプ歴:43年
- 年間キャンプ数:90〜100(釣りがメイン)
- よく行くキャンプ場
千葉県内
古き良きアメリカンカジュアルをベースに、素材やシルエットにこだわり抜いたコレクションを展開する〈Andfamily(アンドファミリー)〉代表。レッドウィングをはじめ、スニーカー、フィッシングギア、時計などのコレクターとしても知られる。
「大好きな釣りの延長でキャンプをしているので、今回は釣りの時に使用するギアが中心です。自分のライフスタイルの一部なので、全てのアイテムに思い入れがあります」
80年代製とは思えないほど状態が良い、雰囲気も抜群のフローティングベスト。「25〜6年前に購入して以来、使い続けているライフジャケットです。もちろんMade in U.S.A.で、釣り関連のオリジナルワッペンでカスタムしています」
雰囲気も抜群の木製パドル。「こちらも購入したのは25〜6年前。カヤックでの釣行、ボートでの釣行で長きに渡る相棒になってくれています。確か当時3,000円程度で購入しました。自分でニスを塗って防水性を高めて使っています」
古き良きアメリカの雰囲気を感じさせてくれるレトロなクーラーボックス。「1950年代に発売されていたものの復刻版で、17〜8年使っています。キャンプや釣行で使っていますが、正直重くて保冷力も低い(笑)。でも、雰囲気が良いので気に入っています」
岐阜県関市のメーカー〈G.SAKAI〉のナイフ。「本来は刺身用の包丁なんですが、切れ味がとても良く、使い勝手も抜群なので野外でもオールマイティーに活躍してくれます。キャンプや釣行で主に使っています」
真鍮の質感も雰囲気がある、BIG OAKのキャンドルランタン。「キャンドルの柔らかい炎が大好きで、いくつか所有しており、コチラはストック用。フィールドで眺める炎はホントに心地良いですね」
TRADITIONAL
WEATHER WEARの傘
参考価格:14,300円
重厚感のあるバンブーハンドルが特徴となる、大人のスタンダード。単なる雨の日の道具ではない、耐久性の高い作りも魅力。「キャンプギアではないですが、アウトドアから街までこれからの時期は必需品。使い捨てではなく、良いものを長く使いたいですね」