不快感を与えないギリギリまで
モノを大事に使いたい派
出身地の京都盆地にちなんで自らの音楽を「盆地テクノ」と称し、それを英訳した「BASIN TECHNO」のパーカーをステージ上で着ている岡崎体育さん。
「僕は子供の頃から好きで、ずっとパーカーを着ていました。少し大人になっても“先輩に会いに行く”みたいなかしこまった機会もあまりなくて、同級生などナチュラルに接することができる人ばかりと会っていたので、外出するときもパーカーばかりでした。
サイズは自分の体より大きいサイズで、ジップアップよりプルオーバーを選びます。左右のポケットがつながっていて両手を入れると落ち着くんですよね。自分の掲げた架空のジャンル『BASIN TECHNO』を胸にあしらうことで、自分の気概にもつながっています」
ステージはもちろん、プライベートでもパーカーを着て過ごすことが多いそう。
「パーカーって肌触りがよくて着ていて安心するし、僕の肌にしっくりくるんですよ。ライダースジャケットを羽織ってみたことがあるんですけど、僕の肌に対しては辛辣で。パーカーのようにフレンドリーじゃなかったんです。
パーカーは合わせる洋服をそんなに考えなくてもいいし、僕のようにふくよかな体型の人でも動きやすくて着心地がいいので、日頃どんな服を着たらいいか迷っている方には『一度パーカーを中心に探してみては?』と提案したいです。
それにテレビやイベントに出演するときもパーカーをよく着るのですが、最近ではちょっとフォーマルな場でもパーカーを着てもよくなってきているような気がしています」
ファンからのプレゼントや、プライベートで購入したパーカーなど、現在所有するパーカーは30着以上。
「自分の体よりもさらにブカブカのものを着ようとするので、サイズ選びは結構大変。なので海外の通販サイトでよく買います。これは4年くらい前に買ったアメリカ、ロサンゼルスのブランド『RIPNDIP』のもの。
伝説のボクサー、モハメド・アリがスケボーの技“オーリー”をしている、“モハメド・オーリー”……。この全然おもしろくないところが、僕らしいな、と。友だちのライブに行くときやご飯に行くとき、頻繁に着ています」
4年以上着用しているというこの白いパーカーは、よく手入れされている。当日履いていた白いエアフォース1も大事にされているのがわかる。
「このスニーカーも4年くらい履いています。ほかの人が見て不快感を与えないギリギリまでは使いたい派なので、物持ちはいいほうだと思います。小学生のときの学習机も東京に持ってきて、これで曲をつくったり、友だちとオンラインゲームしたり、書類を書いたりしていますね」
自分ができそうなことは
何でも試したい
12月25日から公開される、23作目となるポケモン映画「劇場版ポケットモンスター ココ」では、劇中音楽を担当。テーマソングとなる「ふしぎなふしぎな生きものfeatring vocal トータス松本」を含む、6曲を制作した。
「ポケモンのアニメを観たり、映画に行ったり、友だちとゲームをしたり。小学校低学年から、ポケモンはいつもそばにいてくれた存在です。主人公のサトシはポケモンマスターになるという夢を追い続けていますが、夢をもつことと口に出して言うことの大切さは、ポケモンに学んだことのひとつ。
今僕は『死ぬまでにやりたい100のこと』リスト」をTwitterで公開しているんですが、口に出したり、文章で書いたりして言語化することで、夢は具体化するのが早くなるな、と実感しています。
ゲームでポケモンを育てるのがうまいとか、グッズをたくさん持っているとか、そういうことはありませんが、僕はポケモン愛を持っているたくさんの人間のなかのひとり。できあがった映画を観て、自分の歌った歌が流れたときはちょっと照れくさかったんですが、20年以上の歴史をもつポケモン映画の一部になったんだなと、不思議な気持ちになりました。
Twitterなどを見ると、『岡崎体育がポケモンの曲を書いていると安心する』とか、『岡崎体育先生』とかもあって。ポケモンファンに“先生”と言われるのは悪くない(笑)。今の時代の子どもたち、僕のようにポケモンで育った世代、両方に響く曲になるように考えたので、それを評価していただけたのは嬉しかったですね。」
続くコロナ禍で、誰にとっても特別な年となってしまった2020年。岡崎さんはどのように過ごしたのか。
「僕は以前からオンラインゲームが趣味で、いつも友達とやっていました。今年はコロナ禍において時間ができたミュージシャン仲間が新たに参戦するようになり、対戦相手が増えて楽しくなりましたね。楽曲制作はもともと家でやっていたので影響は少なかったし、むしろ集中して曲がつくれました。でもやはりライブができなかったのはすごく残念ですね。
今は、ソーシャルディスタンスとか入場規制がない状況での、一発目のライブが待ち遠しい。いろいろ試してみたいこともたくさんあるし、この状況があった後の爆発力が今は楽しみです」
ミュージシャンとして活躍する一方、俳優としても活動し、小学生向けTV番組に出演するなど活動の幅を広げている。
「思ってもいなかった仕事をいただくことが増えました。今『おはスタ』の火曜レギュラーをやらせていただいていて、朝から元気に『おはー!』と小学生の朝を応援しています。声優の山寺宏一さんにも『コスチュームを着て元気いっぱいに、“おはスタ”のレギュラーをやれるミュージシャンはなかなかいない』と言っていただきました。
シュッとしていてカッコいいロックバンドのボーカルみたいなスター性は僕にはないけど、朝から元気よく子どもたちを盛り上げることはできるかもしれない。自分ができそうなことは、何でもやりたい。こだわりはありません。
映画もつくりたいし、脚本もつくってみたいし、主演もやってみたい。人生100年くらいですからね。短い人生の中で何ができるか、いろいろ試していきたいですね」