「洗い心地の良いものではなく、仕上がりの良いものを」
井浦新夫妻が手がける自然由来成分100%のシャンプーブランド「Kruhi」|メンズライフスタイルWEBマガジン|GOODA【グーダ】
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    健康・美容

    「洗い心地の良いものではなく、仕上がりの良いものを」
    井浦新夫妻が手がける自然由来成分100%のシャンプーブランド「Kruhi」

    2023.04.06

    俳優の井浦新さん、あいさん夫妻が手がける自然由来成分100%のサステナブルシャンプーブランド「Kruhi」(クルヒ)。「自分のために=地球のために」というテーマのもと、植物のエネルギーで健やかな髪と環境循環を同時にかなえる、家族みんなで使えるシャンプーとトリートメントをラインナップしている。先日行われた「サステナブルコスメアワード2022」では、最高賞にあたるゴールド賞を受賞したKruhi。その誕生秘話と、プロダクトへのこだわりを株式会社Valley and Windの井浦あいさんに伺った。

    取材/TAKANORI ITO

    自分のことを思って石けんシャンプーをつくったら
    環境のことにもつながっていった

     

    井浦あいさん

    ――家族の髪の悩みから商品開発に至ったと伺ったのですが、開発を始めたきっかけなどをお話しいただけますか。
     
    「髪に関して、私が一番ストレスを感じていたんです。パサパサする、広がる、潤いがない、皆さんがどうにかしたいと日々思っている髪の悩みをすべて持っている感じでした。色々な髪に良いといわれるシャンプーとトリートメントを使ってみたのですが、どれも違う感じがして、お風呂に入る時間がハッピーじゃないなって思ったんです。
     
    そんな時、鹿児島県南大隅町にあるボタニカルファクトリーさんの石けんシャンプーを使ってみて、シャンプー後のきしみは感じましたが、リンスまでして乾かした後に髪の毛がつるんってなって、その感動がすごかったんです。私が求めているものは、“洗い心地の良いもの”ではなくて、“仕上がりの良いもの”なんだということに気が付きました。なので、ドライヤーをした後の仕上がりというところでこれ以上ない石けんシャンプーをつくりたいって思ったんですね。Kruhiを始めるに当たって、パートナーとなってもらう何社かとお話はさせてもらったのですが、どこも違う感じがして。ボタニカルファクトリーさんの石けんシャンプーをはじめとする他のプロダクトはどれも『自然由来のものだけで、こんなに髪や肌が良くなるんだ』と実感できるものが多く、ボタニカルファクトリーさんにご協力いただいたのがきっかけでした。自分の髪の健康を思って石けんシャンプーをつくったら、イコール環境のことにもつながっていきました」

    農業廃棄物のアップサイクル原料を使用した
    Kruhiのシャンプーとトリートメント

     

    シャンプー本体4,650円 + ポンプディスペンサー150円

    トリートメント本体5,260円 + ポンプディスペンサー150円

     
    ●100%自然由来成分
    ・シャンプー
     自然指数55%(水を含まない)
     自然由来指数45%(ISO16128準拠)
    ・トリートメント
     自然指数71%(水2%含む)
     自然由来指数29%(ISO16128準拠)

    ●アルミニウムボトルの採用
    リサイクル効率に優れたアルミニウム採用で環境循環に配慮

    ●規格外フルーツ・農業廃棄物の活用
    原料の一部には、鹿児島県南大隅町の農業廃棄物のアップサイクル原料を使用しています。キズやシワなどで規格外となり農業廃棄物として処分されるパッションフルーツとタンカンを活用し、生産農家への支援に繋げています。

    循環を考えたアルミボトルと過剰梱包をしないこだわり

    ――Kruhiのボトルに関してお聞きしたいのですが、どんなこだわりや思いがあるのでしょうか。
     
    「すでにリサイクルの整備がされているものを使いたかったんですね。プラスチックのリサイクルも進んできてはいるんですが、現状は溶かしてペレットにして、違う何かになるという大変な工程があり、そこで出る熱エネルギーや排出ガスも気になってしまいます。『ボトルからボトルへ』ということを考えると、アルミの方が自治体で回収してくれて、またボトルになって戻ってくるシステムが国内で出来上がっていて、かかる熱エネルギーがプラスチックに比べて低いことがわかっているので、アルミ素材を使っています。温室効果ガスの排出がプラスチックより低いというところも、良いと思いました」
     

     
    ―─Kruhiを通販で買うと、緩衝材は使わずミニマルな状態で商品が届くと聞いています。梱包に対するこだわりも教えていだけますか。
     
    「私たちが買い物する時に、過剰包装だなって思うことが多いんですね。すてきな化粧箱が壊れないようにとか、箱に成分が書いてあるとか、色々な理由があると思うのですが、私は必要ないと思いボトルに直接書くようにしました。読みにくいとは思うのですが、ゴミを削減するために本体だけお届けする形にしたかったんです。今までが過剰包装だったんだよということに、みんなが気付けたらいいなと思います」

    「サステナブルコスメアワード2022」ゴールド賞受賞

    受賞時の井浦新さん

    自然由来とリサイクルに徹底的にこだわったKruhi。そんなKruhiが、先日行われた「サステナブルコスメアワード2022」でゴールド賞を受賞した。サステナブルコスメアワードとは2019年にスタートし、SDGs視点をベースとした評価基準をもとに、成分をはじめ原料生産・製造・販売・流通・消費・廃棄といったあらゆるプロセスを含めた製品のライフサイクル全体を通じて評価・審査・表彰することで、コスメのサステナビリティを推進していくものだ。
     
    授賞式では、Kruhiを手がける株式会社Valley and Windの代表・井浦新さんが登壇。審査員長で美容家の岸紅子さんからKruhiの「香り」について質問された新さんは、こう話した。
     
    「Kruhiの香りは僕が調香しています。Kruhiをつくる前の話なのですが、俳優として役を演じる時にその役をイメージした香りをつくって、その香りを演じる時のキーアイテムにしたりしていたので、今回新しいことにチャレンジするに当たり、今までの経験を最大限に生かして取り組もうと思いました。完全なナチュラルコスメで、香料には上質なエッセンシャルオイルを使って、ユニークで何度でも嗅ぎたくなるような香りをつくろうと思い、シトラスやフローラル、自分の中で欲しいと思う香りを、森の中にいるような景色をイメージしながらつくっていきました」
     
    天然精油でつくった香りというのは何かにカテゴライズされた香りに偏りがちだが、型破りで“香りのデザイン”的にはかわいらしい香りがしますね、と岸さんが続けると……。
     
    「ありがとうございます。僕らが物をつくっていくということは、イコール、ゴミをつくっていくということにもなります。物をつくる責任というものを考えた時に、世の中に無かったものをつくるということを第一に考えていかなくてはいけないと思いました。香りも見た目も、使っていて楽しいものを、Kruhiから発信していきたいと考えています」
     
    また、新さんは、ブランド立ち上げ当時のことも振り返った。
     
    「このKruhiは、私と妻の2人で立ち上げました。すべてが初めてのことばかりだったのですが、とにかく中身だけではなく容器やパッケージまで徹底して、人にも環境にも優しく、すべてに循環していくものづくりをしていこうと妻と2人で決めて、でも2人だけではどうすることもできなくて。そんな時ボタニカルファクトリーさんと出会い、Kruhiはモノとしてカタチになっていきました。この場を借りて、ボタニカルファクトリーさんの黒木社長やスタッフの皆さんにお礼を申しあげたいと思います」
     
    その後、「SDGsの目標である2030年まで、みなさんの新しい挑戦を応援しています」という言葉で今年のアワードは閉幕。
      
    Kruhiは現在、シャンプーとトリートメントそして頭から足の先まで使える自然由来成分100%のバームの3種類をラインナップ。今のところ新商品の展開は考えず、この3種類をブランドとして大切にしていきたいという。「髪の毛にも肌にも水分が入って潤いを感じると誰もが幸せだと思うんですよ」とあいさんは語る。Kruhiの100%自然由来成分の製品で、その“仕上がり”と“幸せ”をぜひ体感してほしい。
     

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