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【初心者必見】天体望遠鏡のおすすめ人気モデル15選!選び方も解説
2025.04.24
天体望遠鏡の魅力は、宇宙の存在を感じられること。天体望遠鏡があれば、土星や木星など、図鑑のなかでしかお目にかかれない天体を観測できる。自宅に居ながら、手軽に感動体験を味わうことが可能なのだ。
特別な人のモノだと思われがちな天体望遠鏡だが、初心者向けのモデルも豊富。小学生の自由研究にも人気のアイテムであり、天体をよく知らない大人も虜にしてしまう。とはいえ、構造や倍率などの難しさもあり、どれを選んで良いかわからないケースも多いだろう。
そこで今回は、天体望遠鏡の初心者向けに選び方を解説。「ビクセン」「ケンコー・トキナー」など、人気メーカーのおすすめ製品も紹介する。自分にぴったりの天体望遠鏡を見つけて、宇宙の神秘に浸ってほしい。
Top Image by Matthew Ansley on Unsplash
天体望遠鏡の選び方

天体望遠鏡を選ぶにあたり、天体を見るための構造や仕組みを把握しておきたいところ。「どの天体を見 たいのか?」をあらかじめはっきりさせておくことも大切だ。以下で、チェックポイントを詳しく解説する。
タイプで選ぶ
天体望遠鏡は、「鏡筒」「架台」「三脚」の3つのパーツで構成されている。なかでも、レンズや反射鏡などが内蔵され、天体望遠鏡の本体ともいえる部分を「鏡筒」という。
天体望遠鏡は鏡筒の構造によって、大きく3タイプに分けられる。タイプによって特徴が異なるため、自分に合ったモノを選ぼう。
●屈折式
屈折式の天体望遠鏡は、レンズを使って光を集める。シンプルな構造で、使用時に難しい調整の必要がない。視界が安定しやすく、手入れの負担も少ないため、子どもやビギナーにおすすめだ。
しかし、構造上鏡筒に長さがあり、重量があるアイテムが多い。設置スペースを確保する必要がある。
●反射式
反射式の天体望遠鏡は、鏡を利用して光を集め、レンズを通して拡大する。天体がぼやけにくく、シャープに捉えやすい。遠くの星や暗い星もしっかり観察できる。
メリットが多い反射式だが、使用時の調整が必要。鏡筒内部が汚れやすいため、定期的なメンテナンスも必須だ。
●カタディオプトリック(反射屈折)式
カタディオプトリック式の天体望遠鏡は、屈折式と反射式を組み合わせたような構造が特徴。レンズと鏡、両方で光を集める。使用時の調整が難しいが、補正を得意とし、本格的な天体観測が可能。ベテランの利用者向けといえる。
鏡筒が短い分コンパクトで、軽量モデルが多い。持ち運びにも適している。
架台のタイプをチェック
天体望遠鏡の「架台」とは、鏡筒を三脚に取り付けるためのパーツを指す。架台にもタイプがあり、「経緯台」と「赤道儀」の2つに分けられる。
●経緯台
経緯台は、鏡筒を上下左右に自由に動かせる。扱いやすく、組み立ても簡単。初心者におすすめだ。しかし、天体の位置は時間と共に変わってしまうため、長時間追尾し続けるのには不向き。
●赤道儀
赤道儀は、天体の動き(日周運動)に合わせて動かせる。上下左右とは異なり、独特な動きをするため、操作には一定の慣れと知識が必要。初心者が扱うには、難易度が高い。
高倍率での観察や長時間の観測などに適しており、高機能なモデルが多い。入門モデルに物足りなさを感じたら、ぜひチェックしたい。
見たい天体に合った倍率を選ぶ
天体望遠鏡の倍率は、天体の見え方に大きく影響する。高倍率の天体望遠鏡は、惑星表面の模様を捉えられる一方で、倍率が高すぎるとぼやけてしまう可能性も。倍率が高ければ高いほど良いというわけではなく、対象の天体によって適した倍率(適正倍率)で見ることが重要だ。よく使われる倍率は100〜150倍程度とされている。
天体別の適正倍率の目安は以下だ。
●星雲/星団
星雲や星団は、50倍以下の倍率でも十分観測できる。初心者向けの入門機でも十分だ。
●月
月の観察は、50〜150倍程度が目安。月全体をはっきり捉えるには50倍程度で十分だが、クレーターを見たい場合は、100倍程度必要。150倍以上あると、細かな模様や起伏なども確認できる。
●惑星
惑星にもさまざまあるが、有名な惑星である土星を観察したい場合は、100倍以上がおすすめ。環(わ)を捉えた時の感動はひとしおだ。木星は、100倍前後で縞模様を捉えられる。より細かく観察したい場合は、150倍以上がおすすめ。
上記はあくまで目安であり、大気の状態や季節によっても左右される。
ちなみに、倍率の計算方法は以下の通り。接眼レンズとの組み合わせによって、倍率は変えられる。
◆天体望遠鏡の倍率の計算方法
対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離=倍率
性能で選ぶ
天体望遠鏡を選ぶ際には、鏡筒の口径や全体重量など、性能部分も確認しておきたい。
鏡筒の口径に関しては、口径が大きいモデルほど、多くの光を集められる。明るく、高画質なため、遠くの星や暗い天体の観察におすすめだ。月を観測したい場合は、60mm以上を目安にすると良い。
見たい天体を探すパーツであるファインダーのタイプもチェックしておきたいところ。ファインダーの形式は、のぞき穴と光学式の2種類が主流。のぞき穴は難しい操作がないため、初心者におすすめ。光学式は細かな調整が必要だが、より多くの星を捉えやすいメリットがある。
持ち運びを想定している場合は、本体の大きさや重量も重要だ。軽量モデルであれば、アウトドアシーンでも星空観察にも便利だろう。
プラスの機能で選ぶ
プラスの機能があると、天体観測をより楽しめる。
天体の撮影を楽しみたい場合は、アダプターを使ってスマホやカメラを接続できるモデルを要チェック。拡大に対応した本格撮影が可能なモデルも存在する。
一度捉えた天体を自動で追尾してくれる「自動追尾」機能が付いている天体望遠鏡も便利。日周運動で天体の位置が変わっても、簡単に追いかけ続けられる。長時間の観察を楽しみたい人におすすめだ。架台の手動調整の手間も省ける。
見たい星を探してくれる「自動導入」もおすすめの機能だ。難しい作業を行ってくれるため、初心者にもぴったり。天体観測のハードルを下げてくれるだろう。
天体望遠鏡のおすすめ15選
●初心者向け
【入門機にぴったり】Vixen 天体望遠鏡 スペースアイ700

参考価格:24,200円/photo by 楽天市場
1949年に創業した総合光学機器メーカー「ビクセン(Vixen)」。天体望遠鏡の国内シェアトップを誇り、国内工場を持っている。ビジョンは、「星を見せる会社」になること。社名の「ビクセン」は、サンタクロースのそりを引くトナカイのうちの1頭の名前であり、幸せの使者に由来している。感動を届けることを大事にしているメーカーだ。
そんなビクセンの天体望遠鏡はラインナップが豊富。なかでも「スペースアイ700」は、組み立てや操作が難しくなく、初心者におすすめ。架台に上下・水平方向に細かく動かせるハンドルが付いているため、星を探しやすい。もちろん、月や土星などの観測にも適している。
スマホやコンパクトデジカメでの撮影も可能。星空ガイドブックやキャリングバッグなど、付属品が充実している。
【初心者にも上級者にも人気】Vixen 天体望遠鏡 ポルタII A80Mf

参考価格:61,600円/photo by 楽天市場
使い勝手の良さと安定感から、さまざまなレベルの利用者に支持されている天体望遠鏡。難しく考えられがちな天体望遠鏡のイメージを覆すべく考えられた、スムーズな操作性が魅力だ。
鏡筒は、手で自由に動かせるフリーストップ式。微調整に適した微動ハンドルやファインダーを備えているため、見たい天体の発見が簡単だ。
鏡筒の着脱が簡単な「アリミゾ式」の採用もポイント。鏡筒や架台部の取り付けが簡単。慣れてきた頃に、経緯台から赤道儀タイプへの変更もできる。さまざまな点において、使いやすさが追求された一台だ。
【小学生におすすめ】スコープテック ラプトル50 天体望遠鏡セット

参考価格:13,900円/photo by 楽天市場
初心者向けでありながら、高品質な天体望遠鏡を展開している「スコープテック」。「驚くほど見えること」「簡単に使えること」にこだわり、天体望遠鏡を通して多くの初心者に感動を伝えている。
「ラプトル50」は、子どもたちのために開発された天体望遠鏡。「世界天文年セレクション」受賞アイテムであり、科学館や学校施設などでも活用されている。簡易型フリーストップ経緯台の架台や、子どもでも使いこなしやすい「のぞき穴ファインダー」などが特徴。子どもが一人で出して、一人で使える設計だ。
日本製の超高精度レンズを搭載しており、見える星像は美しい。月のクレーターや土星の環、木星の縞が見えることを保証している。
【スマホ連携でナビゲート】CELESTRON 天体望遠鏡 StarSense Explorer LT 80AZ

参考価格:39,963円/photo by 楽天市場
カリフォルニアに拠点を置く世界的な天体望遠鏡メーカー「セレストロン」。確かな技術力と革新的な開発により、さまざまな製品を生み出している。
「StarSense Explorer」シリーズは、専用アプリを使用することで、初心者でも手軽に天体観測が可能。アプリが天体の位置情報を自動で計算してくれるため、見たい天体を選択するだけでOKだ。誘導の指示に従って鏡筒を動かせば、目的の天体が現れる。難易度が高い天体の観察にも向いている。
鏡筒は屈折式で、扱いやすい。付属のレンズを組み合わせて、36倍、72倍、90倍、180倍の4通りの倍率で使用できる。
【地上でも活躍】CELESTRON 天体望遠鏡 Travel Scope 80 with BP & SPH

参考価格:24,245円/photo by 楽天市場
セレストロンから販売されている、手軽に使える入門機。高倍率と低倍率の2個の接眼レンズが付属しており、20倍と40倍で観察できる。天体と地上を兼用しているため、さまざまな観察に活躍する。
組み立てが簡単で、工具を必要としないため、子どもにもおすすめ。使いたい時にさっと取り付けて使用できる。また、付属品をすべて収納できる専用バックパックは、持ち運びに便利。総重量が1.9kgと軽い点も嬉しいポイント。
【高スペックな学習キット】SIGHTRON MAKSY60

参考価格:13,000円/photo by 楽天市場
1994年にアメリカで創設された「サイトロン」。ライフルスコープ専門として歩みをスタートし、次第に双眼鏡も手がけるように。耐久性や光学性能が世界的に高く評価されている。開発から生産までを自社で一貫して行うメーカーとしても支持されている。
「MAKSY60」は、学習用の天体望遠鏡キット。鏡筒のカバーが開く仕様で、内部の仕組みを見て学習できる。子どもの知的好奇心をくすぐるアイテムで、自由研究にもおすすめだ。鏡筒の重量は、わずか約422gで扱いやすい。
本格的な光学系を採用しているため、大人も十分楽しめる。月のクレーターを観察できるほか、スマホ撮影も可能。市販のアイピース(接眼レンズ)も使用可能。
【土星や木星も観測できる】SIGHTRON MAKSY GO 60

参考価格:19,800円/photo by 楽天市場
上と同じく、サイトロンから販売されている天体望遠鏡キット。こちらもキットでありながら、かなり本格的。大人の入門機としても選ばれているアイテムだ。
三脚を省いたドブソニアン式の架台を採用しており、コンパクト。ベランダやキャンプ場への持ち出しもスムーズ。収納の際も場所を取りにくい。
月だけでなく、土星や木星などの観測にもおすすめ。明るい所でも使えるため、さまざまな対象の観察を楽しめる。付属品だけでなく、市販のアイピースも使用可能。
【シンプル設計が魅力】ケンコー・トキナー SKY WALKER SW-60A

参考価格:20,020円/photo by 楽天市場
1957年に創立した日本の光学メーカー「ケンコー・トキナー」。さまざまな天体望遠鏡を手がけるなかで、入門機として展開しているのが「SKY WALKER」シリーズだ。
「SW-60A」はシンプルな設計で、子ども一人でも扱いやすい。鏡筒を自在に動かせる「フリーストップ式」や、難しい調整が不要な「のぞき穴ファインダー」を採用しており、直感的に操作できる。架台と三脚は一体式、架台と鏡筒は着脱が簡単なアリミゾ式で、組み立ての手間を最小限に省いてある点もポイントだ。
天頂ミラーや2個のアイピース、天体ガイドブックなどが付属。すぐに使い始められるセット内容が魅力。
【初心者も使いやすいスタンダード仕様】ケンコー・トキナー スカイエクスプローラー SE-AZ5mini+SE90Aセット

参考価格:49,280円/photo by 楽天市場
月や惑星の観察に適した口径70mm、焦点距離900mmの天体望遠鏡。フリーストップ式経緯台や微動ハンドル、6倍ファインダーを搭載しており、見たい天体のスムーズな導入をサポートする。
ステンレス製の三脚は伸縮式で、好みの高さに合わせられるため、ストレスフリー。アクセサリートレイを取り付ければ、接眼レンズの置き場所に便利だ。組み立ては、工具不要。
【老舗メーカーが本気で考えた自信作】池田レンズ工業 リゲル60 スマホ撮影セット RIGEL-60

参考価格:27,680円/photo by 楽天市場
大正12年創業の「池田レンズ工業」が手がける天体望遠鏡「リゲル60」。初心者のことを考えて本気でつくったという自信作で、難しいことを抜きにして天体観測を楽しみたい人におすすめ。知識に自信がないけれど、子どもをサポートしてあげたい保護者にもぴったりだ。
ただ覗くだけでOKの「素通しファインダー」や、ズレて見えなくなった星を捉えるための「微動ハンドル」、撮影をサポートしてくれる「スマホアダプター」など、優しい機能が満載。手軽に、惑星や銀河の観察を楽しめる。子どもにもわかりやすい天体ガイドブック付き。
【アクセサリーが充実】bossdun 天体望遠鏡 TW00

参考価格:11,980円/photo by 楽天市場
日中の風景から天体まで、さまざまな対象の観察に適した天体望遠鏡。3枚の接眼レンズと5倍バーローレンズを組み合わせることで、20倍から333倍までの倍率を楽しめる。細かな観察を行いたい人におすすめだ。
さらに、アクセサリーが充実。スマホ撮影に適したアダプターや、月をより鮮明に捉えられる「ムーングラス」、太陽を観察するための「太陽観測用フィルターフィルム」が付属している。これだけの内容で、価格が安い点も嬉しい。
●上級者向け
【星雲や星団の観測に】Vixen 天体望遠鏡 ポルタII R130Sf

参考価格:58,036円/photo by 楽天市場
集光力が高い口径130mmの反射式鏡筒を搭載した天体望遠鏡。明るい視界を確保しやすいため、より本格的な天体観測が叶う。星雲や星団の観察にぴったりだ。
架台は、扱いやすさで人気の「ポルタII経緯台」。フリーストップ式や微動ハンドルを備えている。アリミゾ式のため、さらに本格的な架台や三脚へのアップデートも可能だ。ベテランになっても使い続けられる天体望遠鏡を探している人はぜひ。
【プレミアムな星空体験】Vixen 天体望遠鏡 SX2WL-VC200L

参考価格:456,000円/photo by 楽天市場
ビクセン独自のカタディオプトリック鏡筒「VISAC」を搭載したハイエンドモデル。無収差を目指して開発されており、補正が得意。広範囲において、歪みのない星像を楽しめる。大口径で明るく、視界もクリア。集光力は肉眼の816倍を誇る。撮影にも適したモデルだ。
架台は「SX2赤道儀WL」。スマホと連携させて、自動導入が可能。本格的でありながら、快適な操作性を実現している。
三脚はタフなつくりで、安定感が抜群。重量がある鏡筒をしっかり支えてくれる。
【大口径の反射式】MEADE 天体望遠鏡 EQM-127N

参考価格:44,845円/photo by 楽天市場
アメリカにある、世界最大ともいわれる天体望遠鏡メーカー「ミード」。「EQM-127N」は入門者向けとされているが、反射式、赤道儀タイプで少々難易度が高め。127mmの大口径反射式望遠鏡を搭載しており、星団をはじめさまざまな天体の観察にぴったり。架台は赤道儀のため、天体の追尾に適している。
3つの接眼レンズ、2倍バーローレンズ、5倍光学ファインダーなどが付属しており、セット内容が充実。必要なモノが全て揃っているため、購入後すぐに天体観測を始められる。
天体望遠鏡のある暮らしで非日常の感動を
天体望遠鏡は、取っ付き難いイメージから購入を踏みとどまる人も多い。確かに一定の知識やテクニックを要するモデルもあるが、近年は、難しさを取り払った初心者向けのモデルも多く展開されている。スマホ連携で、難しい作業をサポートしてくれるモデルも登場しており、以前より天体観測のハードルは格段に下がっている。
天体望遠鏡があれば、手軽に感動体験を味わえる。一日の終わりに夜空を見上げ、非日常に浸ってみてはいかがだろうか。