ファッション
街から山へ、山から街へ ボーダレスなプロダクト「EVERGOODS(エバーグッズ)」のバックパック
2024.04.01
毎日使うバッグはタフな方が良いし、使いやすい方が良い。そして、何よりも大切な要素はカッコイイことかもしれない。バックパック選びに迷っている人にオススメしたいのは、「EVERGOODS(エバーグッズ)」というアメリカのバッグブランド。今回はEVERGOODSのアイテムの魅力について、日本代理店である有限会社サンウエストの立川知さんに話をうかがった。
取材/TAKANORI ITO
EVERGOODSの2大コンセプトである、「CIVIC EQUIPMENT」と「MOUNTAIN EQUIPMENT」
―― EVERGOODSはどのようなブランドでしょうか。
「EVERGOODSは、アメリカ合衆国のモンタナ州ボーズマンで、2018年にスタートしたブランドです。ボーズマンという地域はイエローストーン国立公園に近い位置にあり、街の暮らしと自然がとても近くにあります」
「EVERGOODSは大きなカテゴリーとして、街を意味する『CIVIC EQUIPMENT(シビック イクイップメント)』と、山や自然を意味する『MOUNTAIN EQUIPMENT(マウンテン イクイップメント)』という、2つのコンセプトに分かれています。しかし、単に街用、山用バッグということではありません。“街でも使えてそのまま山にも行けるバッグ”と“山でも使えて街にも行けるバッグ”を、ボーダレスにつないでいるのです」
「EVERGOODSは創業者のJack Barley(ジャック・バーリー)氏と、デザインを担当するKevin Dee(ケビン・ディー)氏の2人から始まった、新進気鋭のブランドです。彼らは有名なアウトドアブランドでキャリアを積んでおり、ファーストコレクションからハイクオリティなアイテムを世に送り出しました。そのタイミングで私たちが日本代理店になり、2018年から国内でも販売をスタートしています」
環境負荷の削減を考えた素材を採用
――今回ご紹介いただくバッグの素材について教えてください。
「耐摩耗性に優れたバリスティックナイロンを使用しています。この素材はアメリカのデュポン社が開発した物で、通常のナイロンの5倍の強度があるといわれています。防弾チョッキにも使われることのある有名な素材です。
例えば、黒いナイロンバッグをずっと使っていると、白くなってきますよね。このバリスティックナイロンはソリューションダイといい、生地や糸よりも前の段階、ポリマーという素材の状態から黒く染めており、最初から黒く織り上がるようにつくられています。生地にしてから染める従来の方法では水を大量に使うため、ソリューションダイは環境負荷が少ないといえるでしょう。もちろん、擦れや紫外線による退色もおこりにくい素材となっています」
ビジネスシーンでも使われるCIVIC EQUIPMENT
――CIVIC EQUIPMENTのオススメアイテムを教えてください。
「CIVIC EQUIPMENTの代表的なアイテム『CIVIC PANEL LOADER 24L(シビック パネル ローダー 24リットル)』というモデルをご紹介します」
「メインポケットのほかに、サイドからアクセスできるフロントポケット、上部にはキーリーシュ付きの3Dポケットを備えています。背面側のサイドにはPCスリーブがついていて、内側の縫製は上下左右、端に触れない仕様です。ノートPCを宙に浮かせたような状態で収納でき、誤ってバッグを落としても内部への衝撃を緩和できます」
「メインポケットの背面側にはストレッチ素材のポケットがあり、書類入れにも最適な仕様です。メインポケットとフロントポケットの手前には、貴重品の入るポケットを配置しました」
「耐久性が気になるショルダーベルトは本体との一体型で、つけ根の上部は荷物の荷重によって動く、アコーディオンのような仕組みになっています。ショルダーベルトのみに負荷をかけないためのデザインです。日本では都市部のビジネスシーンで使いたいというニーズが多いモデルですね」
アウトドアザックMOUNTAIN EQUIPMENT
――MOUNTAIN EQUIPMENTからオススメのアイテムを教えてください。
「MOUNTAIN EQUIPMENTの代表的なモデルである、『MOUNTAIN PANEL LOADER 22L(マウンテン パネル ローダー 22リットル)』をご紹介します」
「CIVIC EQUIPMENT のラインとの違いは、ウェストベルトが付属する点です。街で使うアイテムよりもアクティブに動くことを想定しており、ベルトは着脱可能でシーンに合わせて活用できます。バッグの下部に向かってフォルムが絞られたスクエア型のデザインも特徴で、軽い物を下に入れて重い物を上に入れる、アウトドアザックのようなパッキングが可能になっています。仕様としては両サイドにストレッチポケットがあり、上部と中部にフロントポケットがついています。メインポケットの中にはストレッチポケットがあり、ノート PCを収納可能です」
「CIVIC EQUIPMENTのラインと同様に、ショルダーベルトの裏側とバックパネルには、スペーサーメッシュという通気性の良いメッシュ素材を使用しています。背面に角度のついたデザインは、斜めにすることで真下にかかる重さに対して強度を高めるために採用されました」
「更に、メインポケットの中にはハイドレーションをつり下げられ、ショルダーベルトの上部からホースを出せる仕様になっています」
EVERGOODSから新しいライフスタイルへの提案アイテム
――バックパック以外にもオススメのアイテムはありますか。
「もうひとつのアイテム、比較的新しい『TRANSIT DUFFEL 35L(トランジット ダッフル35リットル)』は、ハンドキャリーとショルダーバッグの2WAYで使用可能です」
「メインポケットの両端を本体のサイドに収納すればハンドキャリーに、メインポケットの両端に付属のベルトをつければショルダーバッグとして使えます」
「素材は先ほどの2つのモデルと同じバリスティックナイロンを使用。両サイドに設けられた大きなポケットは、片面がペンホルダーやスマホなどを入れるドロップポケット、もう片面がノートPCや書類が収まるポケットになっています。メインポケットは大きく開き、荷物を出し入れしやすいつくりです」
「旅行の際には機内持ち込みが可能なほか、ドライブやジム通い、出張などにも対応した、EVERGOODSから新しいライフスタイルを提案するアイテムになっています」
計算されたディテールとタフな素材でつくられたアイテムを手がけるEVERGOODSは、高い満足度を与えてくれるブランドだ。高層ビルが建ち並ぶ東京と、イエローストーン国立公園に近いモンタナ州ボーズマンの生活環境は、一見すると大きく異なっている。しかし、日本も都会から少し移動すれば、豊かな自然に囲まれた場所へとたどり着く。都心に暮らす人もいれば、自然豊かなところで暮らす人もいる。EVERGOODSのアイテムは、街と山のボーダーを無くし、どんなシチュエーションにも応えてくれるだろう。
-
ファッションライター
伊藤孝法 (イトウタカノリ)
-
ファッション、メンズビューティーのジャンルでさまざまな媒体で執筆中。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーでもあり、ブランドのセールスやPRを手がける。WWDファッショニスタ100人がリコメンド!にも参加。故郷北海道でFM番組のパーソナリティーも担当している。