ファッション
レトロスニーカー好きが、今注目すべきMADE in JAPANブランド「PANTHER」(パンサー)
2023.06.02
昭和レトロ、もしくは平成レトロなどのキーワードを最近よく聞くようになったが、ファッション業界でも、「レトロスニーカー」の人気が高まっている。しかし、今回お話を伺った「PANTHER」(パンサー)は、ただの“レトロ風”ではなく、日本のスニーカーの歴史そのものを感じられるブランドだ。そのヒストリーとMade in Japan の靴づくりについて、オカモト株式会社の西岡克武さんに聞いた。
取材/TAKANORI ITO
1964年、世界的スポーツの祭典とともに「競技用」として誕生
――クラシックな雰囲気が特徴のPANTHERですが、ブランドの歴史から伺えますか。
「旧 世界長株式会社という会社で、1964年にPANTHERはスタートしました。1919年創業の非常に歴史のある会社だったのですが、そこのオリジナルスニーカーブランドとして誕生したのです。1964年というと、東京で開催された世界的スポーツの祭典と同時にスタートしたブランドということになります。最初はシンプルに『パンサーエス』というひとつのモデルのみを発売しました。当時の日本はというと、今ほど各スポーツに特化してスニーカーがカテゴライズされておらず、“競技用”と呼ばれさまざまなスポーツで使われることを想定したシューズづくりが求められる時代でした。一見ただのデザインに見えるサイドのラインも、実はアッパーの補強として考えられた仕様になっています。
PANTHERの代名詞となる「PANTHER DERA」が誕生
ーーパンサーエスの発売から時を経てリリースされるPANTHERの基本ラインナップについて教えてください。
「1968年に、今のパンサーの定番となる『PANTHER DERA』(パンサーデラ)というモデルができます。その後、このモデルはPANTHERの顔のような存在になりました」
「さらに1970年、スエードタイプの『PANTHER GT DELUXE』(パンサー ジーティー デラックス)がリリースされます。当時、ファッション性の高いアイテムとして人気があったようです。そして1979年には、『PANTHER JOGGING』(パンサー ジョギング)という、文字通りジョギング用につくられたシリーズがリリースされます。ソールがEVAという素材でできており、現在のモデルは、当時よりもクッション性をより高いものにアップグレードしたアウトソールが特徴のモデルとなっています。さらに、ソールのつま先とかかと部分のゴムが巻き上がったデザインも特徴的です。その後、1981年にはPANTHER JOGGINGの綿ファスナーバージョン『PANTHER JOGGING MAGIC』(パンサー ジョギング マジック)がリリースされます。これは綿ファスナーで紐を縛るより早く簡単に足をホールドできるというのが特徴で、この時期は他のスニーカーブランドでも綿ファスナー仕様が増えました。こうしてPANTHERの基本となる定番4型が揃っていきました」
海外発ハイテクスニーカーの台頭と、ブランド休止からの復活劇
――PANTHERは、一度ブランドを休止した後、時を経てリスタートし、今日に至っていると思うのですが、そのあたりのお話しも伺えますか。
「1980年代、靴屋さんやスポーツ店、学校指定の運動靴の卸しなどで展開しておりましたが、高度成長期も落ち着き、海外ブランドの当時のハイテクスニーカーなどが台頭し始めて、ローテクシューズというものが置いていかれ始めたんです。そういうこともあり一旦ブランドを休止することになりました。しかし、再び東京で開催された世界的スポーツの祭典に向けて、もう一度PANTHERを復活させようという声が高まり、社内に日本製スニーカーづくりの設備が整っていたことも助けとなって、2016年に再びPANTHERの流通が始まりました」
当時のデザインに今のテクノロジーを追加
――こうして再始動したPANTHERのデザインワークについて教えてください。
「基本的には先程ご紹介させていただいた1960年代〜1970年代の定番デザイン4型を忠実に再現したいという思いから始まったのですが、当時のラスト(木型)もモールドソールの鋳型も残っているわけではなく、サンプルがあったので、それを手掛かりにラストもモールドもつくり直して再現しました。ただ、履き心地に関しては現代のテクノロジーを使い、今一番良い履き心地を提供したかったので、オーソライト社のインソールを取り入れました。もともと、私たちはウォーキングシューズを得意とする会社なので、そういった部分のノウハウは持ち合わせていました。生地や靴紐も当時のものはもう手に入らないので近いものを使っているのですが、靴紐などはかなり再現力が高いものになっていると思います」
Made in Japanが雰囲気に滲み出るスニーカー
――最後に東京・日比谷にあるPANTHERの旗艦店についてお話しいただけますか。
「ブランド発信地となるこの店舗は、銀座にも程近い立地で、PANTHERのほか『UNIONIMPERIAL』(ユニオンインペリアル)という私たちが展開するレザーシューズブランドの2ブランドを大人っぽい雰囲気のなかで販売しております。この商業施設自体がコロナ禍にできたものなので、思うようにいかないところも色々ありましたが、規制がなくなったここ最近は、国内外問わずたくさんのお客様にいらしていただいております。特に海外のお客様がPANTHERをお求めになってくれているのですが、Made in Japanの雰囲気がアイテムに滲み出ているのを感じてくれているのではないかと思っています」
2016年のリスタート以来、PANTHERは、アパレルブランドの「KURO」(クロ)やセレクトショップSTEVEN ALAN(スティーブンアラン)とのコラボレーションなどを経て、大人を中心に人気が広まっている。PANTHERのスニーカーは、レトロブームにはとどまらない快適さとパフォーマンスを両立させたブランドだと思う。
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伊藤孝法
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北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのセールスやPRを手がける。
2014年、WWDファッショニスタ100人がリコメンド!に参加。
テキスタイルデザインや自身のYOUTUBEチャンネル、北海道でFM番組のパーソナリティーも担当している。