ファッション
アスリート御用達のリカバリーシューズ
「OOFOS®」が日本を席巻する日は近い
2022.09.05
着用時に足裏への負担を軽減でき、運動後の身体をしっかりと休められる「リカバリーシューズ」。アスリートのみならず、ファッションアイテムとしても話題となっている。そんなリカバリーシューズのパイオニア的存在が「OOFOS®(ウーフォス)」だ。ブランド設立の経緯やリカバリーシューズの機能性、売れ筋アイテムについて、日本の正規輸入代理店である「アルコインターナショナル」の村松正規さん 、川島クリスティーナさん、「office borshch」の 辻井国裕さん に聞いた。
取材/TAKANORI ITO
ストレスを感じにくい“新感覚”の履き心地
――OOFOS®は現在、品薄状態が続くほどの人気があります。ブランドの設立のきっかけと、リカバリーシューズの特長を教えてください。
「OOFOS®は、“リカバリーシューズ”が注目されていなかった時代、2011年にアメリカのマサチューセッツ州で誕生しました。スポーツ選手やトレーナー、大手シューズメーカーの製品開発に携わるベテランチームによって、2年半の歳月をかけてつくり出されたブランドです。アフタースポーツや長時間の立ち仕事で疲れた足をリカバリーする製品で、『OOfoam(ウーフォーム)』 という特殊な柔らかい素材を採用しています。シューズ全体をひとつのパーツで構成している点が特長です。パーツごとに組み合わせる場合と比べてデザイン上の継ぎ目がなく、履き心地が良いためストレスを感じにくくなっています」
――優れた機能性のほかに、OOFOS®の商品が人気な理由は何でしょうか?
「OOFOS®の製品が、『全米足病医学協会』(以下APMA)の認定を取得しているためだと思います。このAPMAの認可プログラムは、足の健康に有益であり一定の効果が認められ、足病医(ポドロジスト)による審査を通過した製品のみに与えられる認証です」
――OOFOS®のリカバリーシューズの感触は、低反発や高反発とは違う、新感覚の履き心地でした。運動やスポーツの後だけではなく、普段のライフスタイルにも取り入れたくなります。
「前進力を生むことを目的とした一般的なEVA素材のミッドソールとは異なり、OOFOS®のOOfoamは37%もの衝撃を吸収し、着地による足裏への衝撃を軽減できます。そのため、ひざや腰、背中にかかる負担を減らせるのです。また、人間工学に基づいて設計されたフットベッドにより、足を優しく包み込み、土踏まずをしっかりとサポートする構造になっています」
アスリートからファッションへとシーンを拡大
――OOFOS®のアイテムが、アメリカで普及したきっかけは何ですか?
「アメリカではボストンやシアトルなどで、大きなマラソン大会が複数開催されています。参加したアスリートから少しずつ、OOFOS®の評判が口コミで広まっていきました。数あるスポーツのなかでも、マラソンランナーからの反応が一番でしたね。また、けがをしたアスリートや医療従事者にも、OOFOS®の利用者が多くいました。このように、スポーツシーンにおいてアスリートの間で広がり、カジュアル化しながらファッションとして広がっていったのです」
――商品が品薄になるほどOOFOS®が盛り上がりを見せている理由は、どこにあると思いますか?
川島「カジュアルファッションとして広まったきっかけは、複数の有名なスタイリストから、さまざまな媒体で紹介されたためだと思います。シリアスランナーから趣味でスポーツを楽しむ人まで、幅広いアスリートたちがリカバリーシューズの存在を知って、OOFOS®を履いていただけるようになりました」
OOFOS®のアイテムをチェック
――OOFOS®というブランドへの理解が深まったところで、ラインナップを見せていただけますか?
「まずは、『OOriginal(ウーオリジナル)』というモデルから紹介します。ブランドのトップセラーモデルで、トングタイプ(ストラップがV字になったもの)のアイテムです。今までのトングサンダルでは靴擦れにより痛みを感じることがありましたが、OOfoamの素材ならストレスを感じにくいでしょう」
「続いては、『OOahh(ウーアー)』というモデルを紹介します。スライドタイプ(足の甲がベルトで覆われ、踵部分のストラップがないもの)で、靴下を履いたまま履けるモデルです。基本的には屋外での着用を推奨していますが、最近ではルームシューズとして使用する人が増えています。仕事で一日中立ちっぱなしという人は、自宅で着用してリカバリーされているようです。オフィスワークの人も同様に、室内履きとして使用されています」
「そして『OOcloog(ウークロック)』というモデル。サボタイプと言えば分かりやすいかもしれません。つま先があって履き口が少し狭くなっており、先述の2型よりもフィット感があります。つま先が覆われているため、普段使いしやすいといえるでしょう。また、冷え性の人にもオススメです。これら3型が現在の人気モデルとなっています」
――次に、最新モデルを教えてください。
「こちらが『OOcandOO(ウーキャンドゥ)』という、踝全体を覆うモデルです。OOFOS®流のアクティブさに対応できるプロダクトになります。海やプールといった、水辺のレジャーにも向いているアイテムです。新しい形状のアイテムがリリースされることが久々ということもあり、発売当初からかなり好評をいただいています」
――アスリートからはもちろん、ファッションアイテムとしてもかなり注目されていますね。
「はい。スポーツテイストファッションのほかにも、アウトドア系スタイル全般、リラックス系のスタイルにも合わせられるため、幅広い層から好評をいただいています」
ほかにはない履き心地と、洗練されたデザインが魅力のOOFOS®。国内のファッションシーンにリカバリーシューズという概念を定着させてくれるだろう。今後の日本国内での展望から目が離せないブランドだ。
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話を聞いた人
伊藤孝法
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1973年北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのPRなども手掛ける。2014年、WWD日本のファッショニスタ100人にも選ばれ、自身のYouTubeチャンネル「ファッションとカルチャーとme」も更新中。