本番での予定外の行動が
最近は完全に読まれている
撮影の準備が整い、本日の主役の登場を待っていると、控え室から「木梨さん、入られます!」という声が響いた。現場の空気が一気に張り詰める。そこへ颯爽と現れた木梨さんの風貌に撮影スタッフたちは唖然とした。撮影のテーマはファッション小物で、帽子の着用をリクエストしていたのだが……。頭に乗っていたのは大きなアフロヘアだったのだ。
やられた…。テレビの予定調和を壊してきた、自由奔放な木梨さんが被写体だということをすっかり忘れていた。どうやってテーマとの整合性をつけようかと編集長は、青ざめている。しかし、そんな心配をよそに撮影は進み、先ほどまでの緊張感が嘘のように現場が和み、笑いに包まれていった。
「今日は4、5カット、撮影するって聞いたから。一発くらいアフロがあったほうがいいかなと思って、持ってきてもらったんだよ」と、涼しい顔の木梨さん。聞けば、ソロデビューアルバム『木梨ファンク ザ・ベスト』のプロモーションで愛用しているカツラなのだという。予定にない行動に初対面のGOODAスタッフは面食らったが、テレビの世界のスタッフたちは、こうした木梨さんの自由な行動を心得ているとか。
「どうも昔のイメージがあるみたいで、最近は何か本番でやるだろうと、先回りして準備を整えてくれてるんだよ。先日出演した歌番組でも、事前にカット割が決まっていたんだけど、何割かの余白をくれていて『ハンディカメラが目の前にくるタイミングで、もしステージにいなくても、大丈夫なようになってます』って。しかも『ステージの後ろにあるセットの柱は倒すこともできますから!』って言うんだよ。そんなの使わないよ!」と笑う。
シャツの袖のグリーンとパンツを同系にするだけでスタイルに統一感が出る。また色数を絞ることで落ち着いた雰囲気が出る効果も。帽子は逆に色を外すことで存在感が際立つのだ。