スタイルの引き出しを増やす
シャツonシャツのレイヤード
山、海、旅行と
夏は自分の趣味に没頭する
絶好のタイミング。
今号ではファッションアイテムから
アウトドアギア、海遊びグッズなど
十人十色なこだわりの逸品を
盛りだくさんでご紹介します!
朝ドラへの出演や、続々と公開される映画作品。撮影現場を飛び回るような生活を送る井浦新さんだが、自身のアパレルブランド「エルネスト クリエイティブ アクティビティ」のディレクターとしても精力的に活動している。モデルからスタートし、ファッション界に身を投じて20年以上。二足のわらじといった表現はふさわしくないだろう。なぜなら、演じることと服づくりは井浦さんにとって切り離せないものであり、互いに影響しあっているものでもあるからだ。 「役者は与えられた言葉を操り、ドラマや映画の“駒”に徹する、いわば職人です。自分ではない他者になることが求められます。一方で、洋服づくりの現場ではディレクターとして、世界観を生み出し管理するのが僕の役目で、こちらでは自分自身をモロに出すことになります。役者とファッションディレクターでは、全く違う感性と脳を使うんです」 撮影では他者を演じることに夢中になればなるほど、本来の自分の心と体が疲弊する。撮影現場を離れ、服のデザインに頭を巡らせるうちに、スイッチが切り替わり、自分を取り戻していくのだという。 「役者だけだったら、酒に溺れていたかもしれません。あるいはデザインだけなら、アイデアが浮かばず、締め切りに追われていたかもしれません。演じている役が創作に影響を与えることもあります。影のある役ばかりが続くと、カラフルな色味を好むようになりますし、スーツを着る機会が多いと動きやすいものが作りたくなります。直接的な影響がないように思えても、役者としての時間に自分のなかで発酵させたアイデアが、いつかデザインとなって出てくるんです」
一見すると正反対とも言える、役者とファッションディレクターの仕事だが、共通する点もある。良いものを生み出すために注がれる情熱だ。7/6から全国順次公開中の映画『こはく』に関するインタビューでは、井浦さんのものづくりへの情熱が垣間見えた。 「本作は“家族”という普遍的なテーマを描いており、何か劇的な出来事が起こるタイプの作品ではありません。だからこそ、ひとつひとつのシーンの芝居が浮き彫りになり、役者としての力量が試されるだろうと、まず台本を読んで感じました。一方でこの作品には伸びしろがあるな、僕が参加することで、より面白い作品になるようどんどん仕掛けてみたいとも感じ、やりがいを見出したのでオファーを快諾しました」 撮影がはじまるとすぐ作品のクオリティを上げようと、監督に詰め寄ったという。 「もちろん演出には一切、口を出さないです。台本に描かれている部分はキャラクターの表面に過ぎないので、僕が演じる主人公の亮太と、大橋彰(アキラ100%)さんが演じる兄の章一の関係性を細部まで監督に問いただしました。なぜなら、この作品は監督の実体験が元になっているので、僕が演じるのは監督自身でもあったからです」 父を捜す兄弟を軸に描かれる、揺れ動く家族の物語。そんな誰もが感情移入できる映画『こはく』が、果たしてどんな作品になったのか。スクリーンで確認されたし。
少年リュカは父パパスと、魔物たちに連れ去られた母を取り戻すため旅を続けていた。道中、魔物たちと激しいバトルとなり、一瞬のスキをつかれたパパスは、リュカの目の前で無念の死を遂げる―。それから10年。故郷に戻ったリュカは父の遺志を継ぎ、再び冒険の旅にでる。立ちはだかるいくつもの試練、そしてビアンカとフローラ、2人の女性をめぐる究極の選択。果たして冒険の先に待ち受けるものとは!?
原作・監修:堀井雄二 音楽:すぎやまこういち 総監督・脚本:山崎貴 監督:八木竜一、花房真 出演:佐藤健、有村架純、波瑠、坂口健太郎、山田孝之、ケンドーコバヤシ、安田顕、古田新太、松尾スズキ、山寺宏一、井浦新、賀来千香子、吉田鋼太郎
長崎県に住む広永亮太(井浦新)は現在35歳。幼少期に別れた父が残したガラス細工会社を立て直そうと奮闘する毎日。亮太はかつての父と同じように離婚を経験し、二人の息子とも会っていない。ある日、妻の友里恵(遠藤久美子)から妊娠を告げられるが、喜びとともに父親になることへの不安をおぼえる。そんな亮太には定職につかず、ぶらぶらしている兄・章一(大橋彰)がいた。実家に帰省すると、兄は突然、街で父を見かけたと言いだす。亮太は半信半疑ながら、章一と父を捜し始めるのだった。
原案・監督:横尾初喜 脚本:守口悠介 撮影:根岸憲一 主題歌:「こはく」Laika Came Back 出演:井浦新、大橋彰(アキラ100%)、遠藤久美子、嶋田久作、塩田みう、寿大聡、鶴田真由、石倉三郎、鶴見辰吾、木内みどり