大人の男の夏の帽子に「CPH」がオススメの理由
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    ファッション

    夏本番! 原宿発ブランド帽子「CPH」がファッション街を席巻する予感

    2022.08.10

    1999年に原宿でブランドがスタートし、現在はキャットストリートにフラッグショップを構え、機能性やディテールにこだわった国内生産の帽子を展開している「CPH」。ファッションの街・原宿の出身。この地で伝統を守りつつ、時代に合った帽子づくりを続ける、オーナー兼デザイナーの渡部健二さんに人気アイテムやブランドの成り立ちについて聞いた。

    取材/TAKANORI ITO

    かぶり心地の良さと洗える点にこだわった帽子を展開

    「CPH」オーナー兼デザイナーの渡部健二さん

    ――「CPH」といえば「スタンダード」と呼ばれるシリーズの、キャスケットとハンチングを思い浮かべる人が多いと思います。まずは「スタンダード アーティクル」シリーズの話から伺えますか?

    「定番アイテムはキャスケット6型、ハンチング3型から構成されており、パッと見では同じデザインに見えます。しかし、すべてのシルエットやデザインが異なっていて、『どんな顔型の人にも似合い、さまざまなファッションのテイストに合うものが見つかる』というコンセプトでつくられています。縦長のシルエットの物があれば大ぶりなシルエットの物もあり、色々と試着していただければ、ピンとくるアイテムが見つかるでしょう」

    ――定番アイテムでも、毎シーズンの生地や仕様を少しずつ変えていますよね。

    「最初の頃は“アメカジ”を大きく意識していました。“古着に感じるようなヴィンテージテイスト”をつくっている感覚です。ポリエステルや化学繊維を使いたく無いと思っていた時期もありましたが、今はもう一歩踏み込んで“身に着ける物をつくる“という点を意識しています。『T/C(テトロンとコットン)』という生地を使用し、ウォッシャブル仕様にこだわりました」

    ――キャスケットやハンチングで洗える物は、意外とありませんよね。

    「他ブランドの商品でも洗おうと思えば洗えますが、型崩れしたり、ブリム先端が破れたりすることがあります。特に汗をかく夏場はどうしても洗いたくなるため、前シーズンからウォッシャブル仕様にしました」

    上段向かって左から、「420 TCハンチング」(参考価格/8,250円)「CPH」では一番小ぶりなフラットトップ仕様。「464 TCハンチング」(参考価格/8,250円)前後に細くサイドボリュームを抑えたアイビータイプ。「441 TCハンチング」(参考価格/8,580円)ベースボールキャップのような6パネル仕様。 下段向かって左から、「502 TC キャスケット」(参考価格/8,580円)逆さ被りに適したCPHの中でも1番小振りなキャスケット。「551TC キャスケット」(参考価格/8,580円)全体のボリュームを後ろに流して、正面の切り替えを見せて被るユニセックスなテイストなキャスケット。「521 TCキャスケット」(参考価格/8,580円)天井部分にボリュームがあり1930年代の「NEWS BOY」のような大きめなシルエット。

    530TC キャスケット

    商品詳細はこちら

    575TC キャスケット

    商品詳細はこちら

    ――定番のアイテム以外で最近人気のアイテムはありますか?

    「ニットキャップやワイドブリムがすごく売れていた時代がありましたが、今はバケットハットが人気ですね。また数年前からスタートした、春夏期間のみ発売するライン『WHOPOP』のキャップ類は、80年代のちょっと垢抜けない感じの古着シャツをリメイクして製作。そこから発想が膨らみ、今はオリジナルで生地から手がけるようになって人気が出ました。古着マニアには有名な『メンフィスデザイン(80年代に登場したポップでレトロなデザインの商品総称)』の雰囲気をもつテキスタイルでつくられたラインです。ジェットキャップや6パネルのベースボールキャップ型を発売しています」

    「WHOPOP」シリーズ(参考価格/各6,600円)

    オリジナルのアイテムをつくりたいと思ったことがブランドの始まり

    ――「CPH」がスタートして20年以上が経ちますが、渡部さんのルーツやブランドの始まりについて教えてください。

    「私は文化服装学院を卒業した後、古着が好きという理由だけでアメリカに行くことを決めていました。1990年代は知人の紹介でサンフランシスコに渡り、ビンテージ家具や古着の買い付けをしていました。それから数年後、知人から『下北沢で古着店をオープンするから一度日本に帰って来てほしい』といわれ、しばらくは日本とアメリカを行き来する生活に。それから独立し、原宿にある京セラビルの地下スペースに洋服店をオープンさせました」

    ――その頃から原宿が拠点だったのですね。

    「そうですね、私は生まれも原宿でしたから。しばらくはアメリカからの買い付けや国内の仕入れなどをしていましたが、何かオリジナルのモノづくりがしたいと思うようになりました。数か月間店舗を閉めた後、洋服以外の物にしたいという思いから、オリジナルの帽子という考えにたどり着いたのです。そして1999年に同じ場所で帽子専門店『C-PLUS HEAD WEARS』としてリニューアルオープンし、ブランドも同時にスタート。その後、キャットストリート沿いの今の店舗に移転して、2018年にはブランド名を縮めて『CPH』にしています」

    ――帽子にフォーカスしたのは何か理由があるのでしょうか。

    「当時からすでに『CA4LA』といったブランドがありましたが 帽子の専門店や帽子のみのブランドは今ほど多くはなく、挑戦してみようと思ったのです」

    ――帽子づくりの経験は、文化服装学院時代に得たものですか?

    「学生時代の経験ではなく、アパレルの仕事をしながら覚えたモノづくりのノウハウがベースになっています。当時は電話帳を使い、帽子の工場をひたすら探していましたね(笑)。インターネットはありましたが、現代のようにすべての会社がホームページをもっている時代ではなかったもので……。浅草橋に集まっていた帽子工場に連絡を取り、帽子づくりをスタートさせました」

    ――長年ブランドを続けているなかでの、こだわりのポイントを教えてください。

    「ブランドを始めた頃は、自分のルーツでもあった”アメカジ”が大きなテーマやスタイルでしたが、次第に今の時代に合ったデザインや使いやすさなど、細部へのこだわりのほうが強くなりましたね。工場に依頼していた帽子のパターンは、今は自分で引いています。使用する生地の選択肢も広がり、20年の経験を積んで自分が思い描いた帽子に近づけるようになってる感じがします」

    入荷と共に即日完売! Takahiro KawashimaさんのYouTubeがターニングポイント

    ――現在では、定番アイテムが入荷後すぐに完売するような品薄状態が続いているそうですが、何かターニングポイントはあったのでしょうか。

    「ファッション系YouTuberのKawashima Takahirioさんが、自身のチャンネルで『CPH』のキャスケットを愛用されていたことが話題になりました。それでこちらからお声がけをして、コラボレーションアイテムをつくらせてもらいました。とても光栄で嬉しい出来事でしたし、今に続く大きなきっかけになっています。今後も変わらずモノづくりに向き合っていきたいですね」

    本格的な夏に向けて、帽子の需要は更に高まりそうだ。紫外線予防や熱中症対策としてはもちろん、こだわりのお洒落アイテムとしてCPHの帽子を取り入れてみよう。

    CPH | C−PLUS HEAD WEARS
    〒150-0002
    東京都渋谷区渋谷1丁目22-11 Kビル1階
    TEL:03-5469-0666
    Instagram:@cph_tokyo

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    • 伊藤孝法
    • 話を聞いた人

      伊藤孝法

    • 1973年北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのPRなども手掛ける。2014年、WWD日本のファッショニスタ100人にも選ばれ、自身のYouTubeチャンネル「ファッションとカルチャーとme」も更新中。

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