ファッション
秋冬に大活躍する「USカーハート」の揺るぎない定番アイテム4選
2021.10.09
秋冬に向けて、今年はどんなアイテムを買い足そうかと悩んでいる方も多いはず。そんな時は、着回しが効き長く使える「Carhartt(カーハート)」の定番アイテムがおすすめです。
カーハートといえば、カジュアルウェアとして昔から人気だけど、そもそもワークブランドなのか、ストリートブランドなのか。USとかUKとかWIPとかあるけど、何が違うのか…… と、実は謎が多いブランドではないでしょうか。
そこで今回は、OUTPUTのオーナー伊藤さんに、そのへんの疑問をスッキリさせた上で、秋冬にコレを選んでおけば間違いなし! という「USカーハート」の揺るぎない定番アイテムを教えてもらいました。
TEXT:TAKANORI ITO
そもそもCarhartt(カーハート)とは? US、UK、WIPって?
カーハートは1889年にアメリカのミシガン州で誕生したワークウェアブランドです。タフな縫製と丈夫な生地でカバーオールをつくったのが始まりといわれています。その後、オーバーオールなどの製品も増え、のちにブランドの代名詞となる「ダック生地」でつくられたそれらのアイテムがカーハートのイメージとなっていきます。
1990年代になると、BEASTIE BOYSをはじめとするHIPHOPアーティストたちがこぞって愛用するようになり、一気にストリートブランドのイメージが定着しました。この90年代の雰囲気を知っている大人の人たちは「ああ、カーハート懐かしいなぁ」と思う方もいるかと思います。この昔ながらのラインが、通称「USカーハート」です。
時を同じくして、ストリートに寄ったヨーロッパライン「カーハートWIP(Work in progress:ワーク イン プログレス)」が誕生。当時は「UKカーハート」という通称で呼ぶ人も多かったですね。
カーハートの直営店として、日本のいろんな街にあるのもこの「カーハートWIP」。「A.P.C」や「mastermind japan」など、さまざまなブランドとコラボしているのもカーハートWIPです。
昔ながらのワークテイストは「USカーハート」、ストリートっぽいのは「カーハートWIP」とスタイル的には分かれますが、同じカーハートなのでアイテムが一緒というものも多いんです。
ちなみに、USカーハートは、WIPの店舗では購入できません(同じアイテムであってもタグが違うアイテムがあります)。並行輸入や輸入業者から仕入れているセレクトショップや、ECサイトで購入するのが一般的かもしれません。
今回は、ワークテイストの方の「USカーハート」から、秋冬にこれを選べば間違いなし! という揺るぎない定番アイテムをご紹介します。
「カーハートUS」の揺るぎない定番アイテム4選
1.定番のポケットTシャツ LS PKT T-SHIRT
カーハートの不動の定番アイテム、ポケットTシャツ。最近ではビリーアイリッシュがMVで着用していて、さらに注目度が上がっているアイテムです。半袖タイプが一般的ですが、秋冬ならば#K126という品番のロングスリーブTシャツがオススメ。
もともとがビッグサイズなので、少しゆったりめのサイズ感でパンツにインして着ると今年っぽいと思います。とはいえ、40~50代にはインが抵抗あったりしますよね。そんな時は、潔くアウトして着るのも良いと思います。
2.通称「チョアコート」 DUCK BLANKET CHORE COAT
カーハートを代表するもう一つのアイテムであり、ブランドのルーツ的な存在でもある、「チョアコート」と呼ばれるカバーオール。表地の12ozコットンダック生地は頑丈で、裏地にはストライプのブランケットが付き、確かな保温性を誇ります。クラシカルな雰囲気で大人っぽくも着られるアイテムです。
3.スウェットパーカー風 ACTIVE JACKET
12ozコットンダック生地でつくられた、スウェットパーカーのようなディティールのアクティブジャケット。90年代にカニエウェストが着ると、このモデルがブランドのアイコンの一つとなりワークウェア以外でも注目されるようになりました。現在でも定番人気を誇るアウターです。
4.中綿キルティングのベスト RIB COLLAR VEST
#V01という品番のリブカラーベスト。裏が中綿のキルティングになっており、ダウンベスト感覚で着られるアウターです。90年代、ワークテイストが流行った時のストリートっぽいイメージが強いアイテムですが、少しタイトめに着て大人っぽい普段着感を出してみたり、軽めのアウターと重ね着してインナーベストとして使ってみると今年っぽく着られるかと思います。
カーハートは、ワークウェアとしての歴史とストリートブランドとしての顔の二面性を持つほかにはないブランドだと思います。この秋冬はカーハートを身にまとって、その価値を再発見してみてはいかがでしょうか。
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OUTPUTオーナー
伊藤孝法
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1973年北海道生まれ。中目黒の老舗セレクトショップOUTPUTオーナーで、さまざまなブランドのPRなども手掛ける。2014年、WWD日本のファッショニスタ100人にも選ばれ、自身のYOUTUBEチャンネル「ファッションとカルチャーとme」も更新中。