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日差しが強くなる初夏のコーディネートは「リラックス&涼しげ」に見えることが大事。そこで気をつけたいのが、絶妙な“抜け感”だ。素材、デザイン、色にこだわり初夏の新しいスタンダードを完成させよう。

Photos : TATSUYA YAMANAKA(Q+A)
Styling : MASAHIRO TOCHIGI
Hair & Make : AKIHITO HAYAMI

同系色のレイヤードは

素材違いMixで立体感を

色鮮やかなポロにボタニカル柄を合わせ

リゾート感を演出

日差しが強まるこの季節は

開襟シャツで涼しげに装いたい

シャツ&ジャケットのパリッと感を

ショーツでくずす上級テク

Interview

 2000年の俳優デビュー以来、青春群像劇や刑事ドラマ、スーパー戦隊シリーズ、そして大河ドラマなど多彩な現場をこなしながら、着実に実力をつけてきた田中幸太朗さん。唯一、不得手な仕事はファッション関係だというのだが、撮影がスタートするや、表情が一変した。

「映像の現場なら、集中してその世界に没頭できるのですが、写真撮影だとふと我に返って、照れちゃうんです。一度、ファッションモデルの方に、どうしたら恥ずかしくならないのか、相談したこともあります。でも今日は『カメラの前で自由に動いて構わない』と、言ってくださったので、構えることなくできました」

 何をしていても客観的で冷静な視点があり、カッコをつける自分にダメだしをするのだという。

「お洒落するのも嫌いじゃないのですが、ファッションセンスに自信がないんです。他人から似合ってないよって言われたら、すぐにじゃあやめようって思ってしまいます。お洒落な人って何を着ていても、堂々としていて。その姿勢がカッコイイなと思います」

 そんな控えめな性格はファッションに限らないとか。

「演技でも『ここで自分が前に出れば、面白いかもしれない』と感じても、他人を押しのけてまでは出ようと思うことがないんです。誰かの気配を感じたら、すぐいいやって引いてしまうんです」

 しかし、最近、大きな変化が現れているという。

 きっかけは先輩に誘われて、1年ほど前からはじめた空手だ。

「33歳で空手はどうかなと思ったのですが、アクションや殺陣の練習にもなるし、見学だけでもしてみようと道場に行ったんです。そのとき黒帯の先輩が空手の型の稽古をしていて、それがカッコよくて。通い出したら、どんどんハマって、今はとにかく強くなりたいです」

 毎週道場に足を運ぶハマりっぷりだとか。格闘技の経験がないにもかかわらず、この熱量に自分でも驚きだと語る田中さん。

「最近は型の稽古に加えて、組手もやります。殴られるととにかく痛くて、人生でこんなに強く他人に叩かれたことなんてないなと思うんですけど、終わったら不思議と友達になれるんですよね。散々殴り合った相手なのに、握手して、ありがとうございました!って」

 また練習量など努力の結果が強さに直結する点も魅力に感じるという。

「仕事で前に出られないところがあった僕は、心のどこかで『本気を出したら、すごいんだぞ』と、逃げ道を作ってしまう意識があったのですが、空手で同じ態度だったら、あっという間にやられてしまいます。最初から全力で立ち向かい、常に全力を出すことが求められます。空手をはじめてから仕事への心構えが変わりました。監督と芝居の事について気負いなく話せるようになりました」

 そう目を輝かせて語る田中さんの横顔は、役者人生の第二幕を予感させるのだった。

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