こだわるほどにハマる、奥深き“コーヒー道”
街のあちこちで見かけるコーヒーショップ。通勤途中やライチタイム、ちょっとした時間つぶしなど、頻繁に利用する人も多いのでは?
これまではスターバックスに代表されるシアトル系コーヒーチェーンの深入りコーヒーが人気でしたが、2015年にブルーボトルコーヒーなどが掲げる「サードウェーブコーヒー」が日本に上陸しました。
豆の産地や品質、製法にこだわりながら、一杯一杯丁寧に淹れるスタイルで、ハンドドリップが見直されています。そのため以前よりも、舌が肥え、美味しいコーヒーを自宅でも楽しみたいという人が増えているのではないでしょうか?
とはいえ、“コーヒー”を自宅で手軽に楽しむ場合、淹れ方や好みによって、使用する用具が変わります。そこで今回は自宅でのコーヒータイムをより良いものに変えてくれる、オススメのコーヒー器具をいくつかご紹介します。ぜひ自分好みの一杯を見つけてください。
風味を重視するなら電動、コク派は手動のミルを
手間を省くために粉状になったコーヒー豆を買ってくるのも、ひとつの手ですが、できれば自宅で豆を挽きたいところ。なぜなら、コーヒー豆の風味が最も出るのは、粉砕するときといわれているからです。飲む直前に豆を挽けば、街のコーヒーショップにも負けない、風味豊かな一杯を味わうことができます。
自宅で豆を挽くために必要となるコーヒー器具は、大きく2種類あります。電動タイプと手動タイプで、電動のものを「グラインダー」、手動のものを「ミル」と呼んで、区別することもあります。
電動グラインダーの特長は、何といっても、スピーディーに豆が挽けること。硬い豆をパワフルに砕き、あっという間に豆を挽くことができます。挽く時間が短い分、手動より風味が豊かです。一方で、手動のミルはデザインに味があり、男の収集癖をくすぐります。また、手動ミルのほうが豆の油分が残り、コクを感じるという声も。
両方を手に入れて、慌ただしいウイークデーは電動、週末は手動という使い分けをしても良いかもしれません。
荒井さんセレクト「コーヒーミル」
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ザッセンハウス
「ザッセンハウス・ミル サンティアゴ」
1867年創業の老舗ドイツメーカー「ザッセンハウス」のコーヒーミル。左右が少し窪んだデザインになっているのは、腿に挟んで、固定しながら力強くハンドルを回すため。刃にはデリケートなコーヒー豆の風味を損なわないよう熱を貯めない硬質特殊鋼を採用している。
※参考価格12,200円
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ラッセルホブス
「コーヒーグラインダー 7660JP」
イギリス生まれの家電メーカー「ラッセルホブス」の電動ミル。スイッチを押すだけで、中挽きなら約10秒で挽くことができるので、慌ただしい朝の一杯の最適。取り外しができる専用ボウルの中で挽くため、こぼさずフィルターに投入できるのも良い。
※参考価格4,200円
定番のペーパードリップ?
手間いらずの金属フィルター?
豆を挽いたら、次は淹れる工程ですが、いくつかの方法があります。最もポピュラーなのが、ペーパーフィルターを使ったドリップ法です。挽いた豆をペーパー製のフィルターに移し、少量のお湯を注ぎ、粉全体にお湯を含ませたら、20秒程度、蒸らします。ポタポタと下に数滴コーヒーが落ちてきたら、蒸らしは完了。あとはコーヒーの粉の中心に「の」の字を描くようにして、お湯を3回程度に分けながら、優しく注いでいきます。少量ずつお湯が注ぐので、注ぎ口の細いポットだとやりやすいでしょう。
お湯は沸騰したてではなく、90度前後が適温です。ティファールの「アプレシア エージー・プラス コントロール」のような温度コントロールと保温ができる電気ポッドが便利です。
ペーパーフィルターでのドリップなら、コーヒーメーカーはデザイン性の高いケメックスが男性の収集癖をくすぐるはずです。実験で使うフラスコのような形状をしたガラス製で、ニューヨーク現代美術館にも所蔵されています。
そのほか、慌ただしい朝に使うなら、コレスの「シングルカップゴールドフィルター」もオススメです。こちらは金属のフィルターで、専用の「キキマグ」を載せてお湯を注げば、1杯分のコーヒーがあっとういう間にできます。金属フィルターは手入れもしやすく、ペーパーフィルターよりも旨味がストレートに出るという特長があります。
荒井さんセレクト「ドリップ器具」
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ケメックス
「コーヒーメーカー」
化学の実験室に陳列されていてもおかしくないガラスのボディが特長的な「ケメックス」のコーヒーメーカー。1940年に、とある科学者がフラスコをコーヒーメーカーに代用したことが誕生のきっかけだという。通常はドリップする部分と、コーヒーを貯めるサーバーが分かれるタイプが多いが、ケメックスは上下が一体型で、コーヒーを注ぐときにドリッパーを取り外す必要がなく実用的。
※参考価格5,000円
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コレス
「シングルカップゴールドフィルター&キキマグ」
使い方は極めて簡単。マグに載せ、コーヒーの粉を入れたら、お湯を注ぐだけ。計量スプーンがなくても、粉の量が測れます。非常に扱いやすいため、キャンプや登山などアウトドアで愛用する人も。キキマグは飲み口が少し狭くなっており、香りや風味を逃さない設計に。
ゴールドフィルター ※参考価格3,080円
キキマグ ※参考価格1,980円
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ティファール
「アプレシア エージー・プラス コントロール」
コーヒーを淹れるとき、100度の熱湯はNG。90度前後が適温のため、温度計でしっかり温度管理できるポットがとても便利。7段階の温度コントロールと保温もできる、この電気ケトルなら、お代わりしたいときや人数が多いときでも簡単に理想の一杯がつくれます。
※参考価格8,499円
マグボトルや卓上用ポットで、
美味しいコーヒーをいつでも、どこでも
美味しく淹れたコーヒーは1日1杯では物足りない。きっと、お代わりしたくなるはずです。そこで利用したいのが、淹れたコーヒーを保温しておく、卓上用ポット。なかでも、ちょっとレトロなシルエットで愛嬌を感じるアルフィのステンレス製卓上用ポット「グスト」は、インテリアとしても最適。
せっかくなら会社まで自慢のコーヒーを持って行ってください。高い保温性能を誇るスタンレーのマグボトルなら、オフィスに着いても十分に温かいまま。ひと息つきたいときのコーヒーブレイクがより充実するはずです。
そして、最後にご紹介するのは、テクニフォルムの「モカマスター」。一台一台手作りでつくられているコーヒーメーカーで、抽出温度をはじめ、数々のこだわり設計により、ハンドドリップに負けない高品質のコーヒーを、手軽に淹れることができます。美味しいコーヒーを飲みたいけれど、一杯ずつ淹れるのは苦手という人は、これ一台あればきっと大満足。
荒井さんセレクト「卓上用ポット」
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アルフィ
「ステンレス製卓上用ポット Gusto」
アルフィは1914年にドイツに設立された高級魔法びんブランド。このグストはレトロなデザインが特長的で、インテリアとして置いてあるだけでセンスの良さを感じさせる。注ぎ口がレバー式になっていて、ワンハンドルで使える点もポイントが高い。
※参考価格11,000円
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スタンレー
「ワンハンド バキュームマグ2」
100年を超える歴史をもつ「スタンレー」の真空マグボトル。高い保温保冷性能をもち、朝に淹れた熱々のコーヒーが会社に着いても十分に温かく、片手で操作できるプッシュ式の飲み口で使いやすい。さらに食洗機でも洗えるという優れもの。
※参考価格4,400円
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テクニフォルム
「モカマスター KBGC741A0」
オランダのテクニフォルム社の工場で、一台一台手作りで製造されているコーヒーメーカーの決定版。世界のスペシャリティコーヒー協会のお墨付きで、ハンドドリップに負けない高品質のコーヒーを淹れることができる。知人の来訪時など、大人数のティータイムに活躍してくれる。
※参考価格53,537円
基本の淹れ方を覚えたら、好みの豆を探したり、豆の挽き具合を調整しながら、自分の好きな味わいを探すのも、コーヒーを嗜むときの醍醐味です。コーヒーにはこれが絶対!という正解がないため、美味しさの基準はひとそれぞれです。道具もそれにあわせて最適なものが変わっていきます。いろいろ試行錯誤しながら、ぜひ、自分ならではの至極の一杯を探してみましょう。ティータイムが充実したものになり、気分をリセットできる、くつろぎの時間が過ごせますよ。