【コーヒー器具の選び方】料理道具コンサルタントのおすすめ9選

vol.4 コーヒー器具

自宅でも美味しいコーヒーを淹れて、
最高のリラックスタイムを過ごしてみたい。
そんな夢を叶えるのが、自分に合った「コーヒー器具」選び。

日本で唯一、料理道具コンサルタントの肩書きをもつ荒井康成氏が、
あなたの好みや生活スタイルに合わせて、
最高の一杯を楽しめるようアイテム選びを指南してくれます。

Styling&movie&photo:YASUNARI ARAI/Edit&Text:SHINSUKE UMENAKA(verb)

2019.10.15

料理道具コンサルタント荒井康成さん
監修

料理道具コンサルタント荒井康成氏

日本初の「料理道具コンサルタント」。各食情報雑誌でのコラム執筆やスタイリング撮影、食の学校「レコール・バンタン」の講師など、料理道具コンサルタントとして多岐に渡り活躍中。

こだわるほどにハマる、奥深き“コーヒー道”

街のあちこちで見かけるコーヒーショップ。通勤途中やライチタイム、ちょっとした時間つぶしなど、頻繁に利用する人も多いのでは?

これまではスターバックスに代表されるシアトル系コーヒーチェーンの深入りコーヒーが人気でしたが、2015年にブルーボトルコーヒーなどが掲げる「サードウェーブコーヒー」が日本に上陸しました。

豆の産地や品質、製法にこだわりながら、一杯一杯丁寧に淹れるスタイルで、ハンドドリップが見直されています。そのため以前よりも、舌が肥え、美味しいコーヒーを自宅でも楽しみたいという人が増えているのではないでしょうか?

とはいえ、“コーヒー”を自宅で手軽に楽しむ場合、淹れ方や好みによって、使用する用具が変わります。そこで今回は自宅でのコーヒータイムをより良いものに変えてくれる、オススメのコーヒー器具をいくつかご紹介します。ぜひ自分好みの一杯を見つけてください。

風味を重視するなら電動、コク派は手動のミルを

手間を省くために粉状になったコーヒー豆を買ってくるのも、ひとつの手ですが、できれば自宅で豆を挽きたいところ。なぜなら、コーヒー豆の風味が最も出るのは、粉砕するときといわれているからです。飲む直前に豆を挽けば、街のコーヒーショップにも負けない、風味豊かな一杯を味わうことができます。

自宅で豆を挽くために必要となるコーヒー器具は、大きく2種類あります。電動タイプと手動タイプで、電動のものを「グラインダー」、手動のものを「ミル」と呼んで、区別することもあります。

ザッセンハウス「ザッセンハウス・ミル サンティアゴ」
ザッセンハウス
「ザッセンハウス・ミル サンティアゴ」
ラッセルホブス「コーヒーグラインダー 7660JP」
ラッセルホブス
「コーヒーグラインダー 7660JP」

電動グラインダーの特長は、何といっても、スピーディーに豆が挽けること。硬い豆をパワフルに砕き、あっという間に豆を挽くことができます。挽く時間が短い分、手動より風味が豊かです。一方で、手動のミルはデザインに味があり、男の収集癖をくすぐります。また、手動ミルのほうが豆の油分が残り、コクを感じるという声も。

両方を手に入れて、慌ただしいウイークデーは電動、週末は手動という使い分けをしても良いかもしれません。

荒井さんセレクト「コーヒーミル」

定番のペーパードリップ?
手間いらずの金属フィルター?

豆を挽いたら、次は淹れる工程ですが、いくつかの方法があります。最もポピュラーなのが、ペーパーフィルターを使ったドリップ法です。挽いた豆をペーパー製のフィルターに移し、少量のお湯を注ぎ、粉全体にお湯を含ませたら、20秒程度、蒸らします。ポタポタと下に数滴コーヒーが落ちてきたら、蒸らしは完了。あとはコーヒーの粉の中心に「の」の字を描くようにして、お湯を3回程度に分けながら、優しく注いでいきます。少量ずつお湯が注ぐので、注ぎ口の細いポットだとやりやすいでしょう。

お湯は沸騰したてではなく、90度前後が適温です。ティファールの「アプレシア エージー・プラス コントロール」のような温度コントロールと保温ができる電気ポッドが便利です。

ティファール「アプレシア エージー・プラス コントロール」
ティファール
「アプレシア エージー・プラス コントロール」

ペーパーフィルターでのドリップなら、コーヒーメーカーはデザイン性の高いケメックスが男性の収集癖をくすぐるはずです。実験で使うフラスコのような形状をしたガラス製で、ニューヨーク現代美術館にも所蔵されています。

そのほか、慌ただしい朝に使うなら、コレスの「シングルカップゴールドフィルター」もオススメです。こちらは金属のフィルターで、専用の「キキマグ」を載せてお湯を注げば、1杯分のコーヒーがあっとういう間にできます。金属フィルターは手入れもしやすく、ペーパーフィルターよりも旨味がストレートに出るという特長があります。

ケメックス「コーヒーメーカー」
ケメックス「コーヒーメーカー」
コレス「シングルカップゴールドフィルター&キキマグ」
コレス「シングルカップゴールドフィルター&キキマグ」

荒井さんセレクト「ドリップ器具」

マグボトルや卓上用ポットで、
美味しいコーヒーをいつでも、どこでも

美味しく淹れたコーヒーは1日1杯では物足りない。きっと、お代わりしたくなるはずです。そこで利用したいのが、淹れたコーヒーを保温しておく、卓上用ポット。なかでも、ちょっとレトロなシルエットで愛嬌を感じるアルフィのステンレス製卓上用ポット「グスト」は、インテリアとしても最適。

アルフィ「ステンレス製卓上用ポット Gusto」
アルフィ
「ステンレス製卓上用ポット Gusto」

せっかくなら会社まで自慢のコーヒーを持って行ってください。高い保温性能を誇るスタンレーのマグボトルなら、オフィスに着いても十分に温かいまま。ひと息つきたいときのコーヒーブレイクがより充実するはずです。

そして、最後にご紹介するのは、テクニフォルムの「モカマスター」。一台一台手作りでつくられているコーヒーメーカーで、抽出温度をはじめ、数々のこだわり設計により、ハンドドリップに負けない高品質のコーヒーを、手軽に淹れることができます。美味しいコーヒーを飲みたいけれど、一杯ずつ淹れるのは苦手という人は、これ一台あればきっと大満足。

スタンレー「ワンハンド バキュームマグ2」
スタンレー「ワンハンド バキュームマグ2」
テクニフォルム「モカマスター KBGC741A0」
テクニフォルム「モカマスター KBGC741A0」

荒井さんセレクト「卓上用ポット」

基本の淹れ方を覚えたら、好みの豆を探したり、豆の挽き具合を調整しながら、自分の好きな味わいを探すのも、コーヒーを嗜むときの醍醐味です。コーヒーにはこれが絶対!という正解がないため、美味しさの基準はひとそれぞれです。道具もそれにあわせて最適なものが変わっていきます。いろいろ試行錯誤しながら、ぜひ、自分ならではの至極の一杯を探してみましょう。ティータイムが充実したものになり、気分をリセットできる、くつろぎの時間が過ごせますよ。

Profile

荒井 康成 YASUNARI ARAI
料理道具コンサルタント/Kitchenware Stylist

洋菓子店店長、和陶器店主を経て、フランス陶器エミール・アンリ社の日本法人設立に携わる。以後、日本初の「料理道具コンサルタント」として独立し、「料理通信」「ELLE gourmet」など、各食情報誌でのコラム執筆やスタイリング撮影、Panasonic「ふだんプレミアム」や魔法びんのパイオニア「サーモス」のInstagramディレクション、「キユーピーサラダクラブ」や「カルビーフルグラ」など食品会社の販促物スタイリング撮影、食の学校「レコール・バンタン」では講師として、多岐に渡り活動中。著書に「ずっと使いたい世界の料理道具」(産業編集センター刊行)。http://www.araitools.com

料理道具コンサルタント荒井康成さん
ページトップへ