ギフト
“センス”と“哲学”をもった「ファッション業界人」が選ぶ2025年末ギフト 【女性セレクター編】
2025.11.17
一年の終わりは何かを贈りたくなる時期。
親友へ、お世話になった人へ、家族へ、そしてがんばった自分へ。
今回は、日々色々なモノに触れるスタイリストやバイヤー、デザイナー、ブランドPRといった、感度の高いファッショ業界関係者、女性5人に、ギフトの選び方やリアルなおすすめ、記憶に残ったギフトなどについて聞いてきました。
何をあげたらいいか迷っている人は、彼らのセンスとモノ選びの哲学をぜひ参考にしてみてください。
Text:Kazuyuki Nomura
「相手が喜びそうなもの」と「自分があげたいもの」のバランスが大事!
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【セレクター1】UNITE NINE プレス
千石雅子さん
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国内外のメンズ・ユニセックスブランドを扱うショールーム「UNITE NINE」のプレス。生粋の韓国ドラマオタクで、現在はオタクが高じて日々韓国語の勉強に励んでいる。一児の母。
「私自身、自分だと買わないけど、貰って使ってみたら凄く良かった! みたいな小さな発見があるギフトがとても嬉しい。そこがうまく合致すると、贈るほうも、もらうほうも嬉しい気持ちなれますよね。あと、何気ない普段の会話で自分が言ったことを覚えていてくれて、それに関係あるものを貰えると『普段から気にかけてくれているんだな』と感動します」
——今までにもらって印象に残っているギフト——
ボッテガ・ヴェネタのお財布
「40歳の誕生日に夫からもらった、ボッテガ・ヴェネタのお財布です。お財布って無難な色を選びがちですが、毎日持ち歩くからこそ気分のアガる鮮やかなグリーンがとても気に入っています。40歳の節目ということもあり、とても印象的なギフトになりました」
【ギフト セレクト1】
ILL ONE EIGHTY
LW FLEECE CREW-NECK & LW FLEECE PANTS
「富山の実家で暮らす父へセットアップで贈りたいのが、このフリースのセットアップ。これは締め付け感もないのでリラックスできて、両面起毛フリースで暖かいので、富山の寒い冬にもぴったりだと思いました。あと、娘目線で言うと、いくら家だからといっても、だるだるのルームウェアを着られるのはちょっと嫌(笑)。どうせならおしゃれなセットアップを着てほしくて、こちらを選びました!」
【ギフト セレクト2】
NONFICTION
ピーストーク ルームスプレー
「ウッド系の香りが好きな友人へ。これは私も愛用しているのですが、ディフューザーではなくスプレーなので、寝る前のリラックスタイムや旅行時のスーツケースの中など、さまざまな場所、空間に吹きかけられる手軽さが気に入っています。あと、パッケージもおしゃれなので贈りやすい。お値段の割に高級感があるのも良いですよね」
【ギフト セレクト3】
REMI RELIEF
起毛ニットカーディガン(スカ柄)
「自分へのご褒美に検討しているのがこちら。スカジャン風のカーディガンというのが、このブランドらしくて気になっています。ニットなのでスカジャンほどのハードさは無く、女性でも着やすい。ふっくらとしたモヘア混のニットなのであたたかく、インナー次第でさまざまなコーディネートを楽しめそうです。ゆったりしたサイズ感なので、夫婦でシェアできるのも気になっている理由です」
自分で使って良かったものや、好きなブランドを贈ることも
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【セレクター2】RUMBLE RED デザイナー
牧野渚さん
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文化服装学院卒業後、数社のアパレル企業でキャリアを重ね、2012年株式会社ランチフィールドを設立し、自身のブランド「RUMBLE RED(ランブルレッド)」を立ち上げる。大のヴィンテージラバーであり、ヴィンテージウェアへの造詣のもと、前衛的解釈をしたリアルクロージングを提案している。
「相手の好みやライフスタイルに合わせて選ぶのが大前提ですが、そのなかで、自分自分が使って良かったものや、好きなブランドのものを贈ることもあります。私自身がいただく際も、贈ってくれた人のセンスやストーリーが見えると、より一層嬉しくなります」
——今までにもらって印象に残っているギフト——
ナバホ族のNajaペンダントトップ
「10年以上前、妊娠中にジュエリーショップを経営している友人からナバホ族のNajaペンダントトップをいただいたのがとても印象に残っています。Najaはナバホ族にとって『母なる大地との繋がり』を象徴する重要なモチーフで、子宝や女性のお守りとして身につけられています。そんな背景もあり、思い出深く、一生大切にしたいプレゼントです」
【ギフト セレクト1】
Georg Jensen
ワインクーラー
「最近家を建てた友人にプレゼントしようと思っているのが、このワインクーラーです。私も数年前から愛用しているのですが、二重構造でワインの温度を保ってくれるほか、美しい曲線のフォルムが食卓に置いてもオブジェのように映えてくれ、目でも楽しめます。新居に友人を呼んだ際など、皆でワイワイ美味しいご飯とワインを楽しむ時に使ってもらえたらいいなと」
【ギフト セレクト2】
佐野猛
ふくらみのあるタンブラー
「いつもお世話になっているママ友たちに贈りたいなと思っているのが、ガラス作家の佐野猛さんがつくるタンブラーです。幾つものガラスの膨らみを重ね合わせたことで個性的な造形になっており、一つとして同じ形がないのも魅力です。大人はもちろん子供の手にも馴染みやすく、普段使いしやすいデザイン、サイズも良いなと思います。日常にほっと一息、豊かな時間を過ごしてほしいという想いを込めて」
【ギフト セレクト3】
UGG
Tasman GTX
「仕事をしているアトリエがコンクリートなので、UGGは寒い冬時期に欠かせないアイテムのひとつ。今年も自分へのギフトに1足購入予定です。
ブーツタイプのClassic Shortや、ローファータイプのAnsleyなどを長年愛用していますが、スリッポンタイプは持っていないので。こちらはヴィブラムソールを使用し、ゴアテックスで防水仕様になっているのもポイント。家族で行く冬キャンプでも活躍してくれそうです」
購入の優先順位は低いけど、貰ったら嬉しいもの
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【セレクター3】ヘアメイク
磯嶋メグミさん
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数々の俳優、ミュージシャン、アーティスト、LIVE、ファッションブランド、CM、広告など多岐にわたるフィールドでオファーが絶えない売れっ子ヘアメイク。趣味は読書(漫画含む)。白チワワの「しろくまブラザーズ」を熱烈溺愛中。
Instagram:@megumi.isojima
「ギフトを贈る時は『自分ではなかなか買わないけど、貰ったら嬉しいだろうな』と思うものを探すようにしています。だから、普段の会話も重要。相手の生活の温度感、空気感とマッチしているか、必要なものかどうか。私自身、モノそのものよりも、そこに『想い』が感じられるものだと嬉しいです。ギフトを選んでいる時は、その人のことを考えている時間。その事実や、時間そのものが尊いなと感じます。一輪の花や手書きの手紙が添えられているとグッとくるのも、その最たるものだと思います」
——今までにもらって印象に残っているギフト——
Cotopaxiのリュック
「ガバッと1枚開きで、冬物でもたくさん収納できるバッグです。私が全国ツアーなどで地方をたくさん回るので、仲間たちがプレゼントしてくれたものです。収納場所が多く、ドリンクホルダーもあり、肩紐が太く、防水仕様。私の理想を全部兼ね備えた最高の出張カバンです」
85のマッサージウッド
「高級天然木でつくられたマッサージウッドです。肩が凝ると話したことを覚えていてくれて、家族のような近所の友人たちがプレゼントしてくれました。それだけで感激なのですが、初めて使った時にさらに感動。肌あたりが滑らかで、手に馴染むフォルムも素晴らしい。使うたびに仲間の優しさを思い出し、気持ちもコリもほぐれる大切な道具のひとつです」
【ギフト セレクト1】
Wedgwood
ワンダーラスト ミッドナイト クレーン
ティーカップ&ソーサー
「今年、古希の両親は毎日二人でコーヒーやお茶を嗜んでいるので、このティーカップ&ソーサーをペアで贈りたいなと思っています。鶴の絵柄がティーカップに入っているのですが、母の名前にも鶴の字が入っているのでドンピシャかなと思いました。夫婦で笑い合うティータイムの彩りとして、そしてその時間を健康に楽しんで欲しいという気持ちを込めて」
【ギフト セレクト2】
favs
フィトコラーゲンパッド/フィトコラーゲンセラム
「同年代の友人たちに贈りたいのがこちら。私自身使っているのですが、フィトコラーゲンは5分貼ればお肌が艶々になりますし、フィトコラーゲンセラムは塗って寝るだけで朝起きたらお肌がふっくらしています。毎日の仕事や子育て、家事などに加え、自分磨きを怠らない同志たちに『まだまだいけるよ!』の想いも込めて」
受け取る相手が気を使わず、日常的に使えるものを
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【セレクター4】スタイリスト
高橋美帆さん
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女性ファッション誌のほか、多方面で活躍する人気スタイリスト。今の気分をほどよく取り入れたカジュアルが得意。男の子と女の子の2児の母。日常に取り入れやすいリアルな目線で選ばれたアイテムを使用した本人の着こなしや、親子コーデも評判。
Instagram:@mtd516
「友達やお仕事関係の方にもギフトをお渡しすることが多いので、受け取る相手が気を遣わず、受け取りやすいものを選ぶようにしています。使ってなくなるものや、日常的に使えるものを贈ることが多いです。すでに持っているけど、それよりも少しだけ良いモノを贈ると喜んでもらえることが多いような気がします」
——今までにもらって印象に残っているギフト——
Officine Universelle Bullyのボーム・デ・ミューズ
「植物由来成分のみでつくられた、唇を潤してくれるリップバームです。オーガニック成分で自然なつけ心地はもちろんですが、この毎日持ち歩きたくなるボックスもかわいいくてお気に入り。私のイニシャルを刻印で入れてくれたのも嬉しくて、大切に使っています」
【ギフト セレクト1】
TEKLA
ハンドタオル
「ハンドタオルは何枚あっても困らないし、金額的にも受け取った人が気を遣わないので贈ることが多いです。こちらはオーガニックコットンで肌触りがよく、シンプルなデザインで使う人を選ばないのも良いなと思います。いつもお世話になっているスタイリストの先輩とクリスマスを理由に飲みに行く予定なので、プチギフトとしてお渡ししようと思っています」
【ギフト セレクト2】
BAKUNE
スウェット メンズ 上下セット
「よりよい睡眠のための機能を備えた“疲労回復パジャマ”として、巷で話題になっているスウェット上下セット。今年の夏、夫にプレゼントしたのですが、心地よい睡眠ができると喜んでいたので、冬用もプレゼント予定。日常で使うもので、“いつも使っているものよりちょっと良いもの”という意味でも良いかなと」
【ギフト セレクト3】
PIENI
KUU
「PIENI(ピエニ)のバッグは価格帯もちょうどよく、どの形もこだわり抜いてつくられているお気に入りのブランド。幅広いスタイルに馴染んでくれ、見た目以上に収納力があり、使いやすさも申し分なし。毎年1つ新調しているのですが、今年も自分へのご褒美に購入しようと思っています」
何気ない普段の会話を忘れないように
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【セレクター5】デザイナー/古着屋販売員
山下亜津子さん
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高校卒業後、スタイリストに憧れ原宿の老舗「プロペラ」にてアルバイト。19歳で西海岸へ渡米。帰国後BEAMSにて働きはじめ、2020年には同社に在籍しながら副業でライフスタイルを豊かにするレディースブランドをスタート。現在は高円寺safari3号店にて販売員をしながら、自身のブランド「UPTO(ウプト)」を主催。
Instagram:@yamashitax/@upto1110
「ギフトを贈る際、相手に喜んでもらうなら欲しいものをあげるのがベスト。そのためにも、以前から欲しがっていたものや、買い替えたいなぁなど、何気ない普段の会話で言っていたことを忘れずに覚えておくようにしています。そこに、自分らしいセンスが加わると、より喜んでもらえるのではないでしょうか」
——今までにもらって印象に残っているギフト——
CELINEのレザージャケット
「ファービー・ファイロがCELINEのクリエイティブディレクターをしていた時代のレザージャケットです。ギフトとしていただいたこともあり、とても思い入れがあります。サイズアウトしそうですが、家宝として一生手離さずに持っておきたい1着です」
【ギフト セレクト1】
ARTS&SCIENCE
ハンギング バスタオル
「家族や仲の良い友人など、誰にあげても喜んでもらえるのがタオル。誰しもが持っているものですが、何枚あっても困らず、私自身上質なものを貰えると嬉しい気持ちになります。ギフトの定番ですが、意外に探すとセンスの良いものが少ないような気がします。こちらはシンプルながら洗練されており、タオルとしても機能性も高いのでオススメ」
【ギフト セレクト2】
AGG
ムートンサンダル
「毎年、冬になるとパートナーに室内で履けるサンダルをプレゼントしているのですが、今年はUGGのサンダルにしようと思っています。戸建ての場合、意外と足元が寒くて防寒性のあるサンダルがあると重宝します。ソールがしっかりしているので、屋内外兼用で履けるのも良いなと思いました」
