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パイセンたちの愛車遍歴【Vol.1】
Every Car,a Chapter of Life.
2025.05.21
愛車の一台一台が人生の1ページ。若い頃からクルマを愛してやまないパイセンたちは、どんなクルマを選び、乗ってきたのだろう。きっと、その時々の思い出がクルマと紐付いているはずで、少し大袈裟かもしれないが、人生をあらわすと言ってもいいかもしれない。十人十色のクルマ選びと、それにまつわるヒストリーをご紹介。
Edit&Text/Kazuyuki Nomura
新車を買ったことは一度もなし! とにかく好きな車を乗り継いできた半生
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tempra cycle & garage オーナー
小林健太さん
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1973年、千葉県出身。東京の自転車シーンでよく知られた名店「tempra cycle」ほか、自身のブランド「tempra garage」も手掛ける。デザイナーとしての活動も長く、その才能を幅広く発揮。好きなものをマニアックに深掘りする生粋の趣味人としても知られる。2025年から杉並区の浜田山に新店舗となる〈tempra cycle & garage〉をオープン。
HP:tempragarage.com
Instagram:tempra_cycle
東京のコアな自転車乗りにお馴染みの名店〈tempra cycle(テンプラサイクル)〉オーナーの小林さん。自転車だけでなく大のクルマ好きとしても知られているが、華麗なる愛車遍歴は18歳の頃、日産のマーチターボから始まる。それから約30年の間に乗ってきた9台は国産車ばかりだが、マニアックな旧車から、当時の名車、4駆までとても幅広い。面白いのが、当時から数十年経った今でも、色褪せない魅力をもつクルマばかりということ。
「改めて振り返ってみると、本当にジャンルレスで色々なクルマに乗ってきたなぁ〜と思います。特に“コレが好き”というものはなく、その時々で自分が乗りたいな、カッコいいなと思うクルマに乗ってきました。ただ、共通するのは、顔よりもお尻のほうが好きかもということくらい(笑)。前から見たスタイルよりも、後ろから見たスタイルがカッコいいクルマが好きですね」
【愛車遍歴の図】
1991年(18歳) 日産 マーチターボ
1994年(21歳) 日産 シルビアK’s 前期
2002年(29歳) ホンダ N360
2006年(33歳) ホンダ LN360
2014年(41歳) ホンダ S600 クーペ
2015年(42歳) ダットサン ブルーバード510 ワゴン
2020年(47歳) 日産 スカイラインワゴン
2020年(47歳) スズキ ジムニーJA22W
2024年(51歳) トヨタ ライトエース
2024年(51歳) ホンダ シティーカブリオレ
【ホンダ LM360】



「2002年〜2006年頃まで乗っていたホンダのLN360。この前はN360に乗っていたのですが、東京タワーの下で停車中に後ろから追突されて全損に。ちょうど良いタイミングでこのLN360が出ていたので、N360のエンジンミッションを移植して乗っていました。ちょうどこの頃結婚して子供ができてと色々私生活に変化があり、安全面のことなども考えねばということで売却しました」
【ホンダ S600 クーペ】



「軽い気持ちで探していたときに見つけてしまい、ホンダLN360と2台持ちしていたのがこのS600クーペ。ちょうど今の妻と出会ってすぐくらいに購入したのですが、デートに向かう途中でエンジンが壊れてしまい大遅刻。今となっては良い思い出ですが、あの時はヒヤヒヤしました(笑)。とにかく良い音で走ってくれるスポーツカーでしたね」
【日産 ダットサン ブルーバード510ワゴン】



「そんなこんなで娘が生まれ、自分だけじゃなく家族皆で乗れるクルマが欲しいなと思っていたところ、いつか乗ってみたかったダットサン ブルーバード510が候補に。仕事柄、イベント出店などで沢山の荷物を載せて長距離を走ることもあるので、ワゴンタイプを探していたところ、良い出合いがありました。奥さんと子供と一緒にキャンプやドライブによく出かけた、とても思い出深い1台です。軽い車体と良く回るエンジンで、キビキビ走れて本当に良い車でした。今でも手放したことをちょっと後悔するときがあります」
【日産 スカイラインワゴン】


「2020年、ずっと憧れだった日産スカイラインワゴン(通称ケンメリワゴン)を購入。この車体は2代前のオーナーの頃からネットで『売りにでてるな〜。でも高くて買えないなぁ〜』を繰り返していた車体。で、一度売れてしまって諦めていたところ、また先代の方が売りに出しているのを見て『今買わないと一生買えない』と思い立ち、思い切って購入しました。買ったはいいけど調子が悪く、少しずつ手を加えて、バッチリな状態にするまで1年以上かかりました。今見ても全く古くささを感じさせず、ほんとに名車だなぁ〜と今でも思います。現在も大事に所有しているので、大切に乗っていきたいですね」
【スズキ ジムニーJA22W】

「ジムニーJA22Wは、妻用として2020年に購入。エンジンを載せ替えてみたり、細かい所をカスタムして楽しみました。4年ほど乗っていたのですが、友人のイラストレータ、ジェリー鵜飼さんがジムニー欲しいと言っていたので譲りました」
【トヨタ ライトエース】



「このライトエースは、元々親戚が乗っていたのですが、壊れたからいる!? とのことで昨年急遽譲り受けたワンボックス。5ナンバーで8人乗り、2列目が回転して後ろ向きになったり今ではない仕様がとても面白いクルマ。この絶妙にダサカッコいい感じが自分的にもツボで、とても気に入っています。人も荷物もたくさん積み込めるので、イベントの際などにも大活躍しています」
【ホンダ シティ カブリオレ】

「ヤフオクで良い車体を見つけて、現在進行形で友人の工場で整備や帆の張り替えなどをやってもらっているのが、このホンダ シティーカブリオレ。ジムニーの変わりに妻が乗るクルマとして、こんなクルマあるよ、ってプレゼンしたところ、このキュートな見た目もあり無事合格(笑)。我が家にくるのが楽しみです」
車種を問わず、昭和、平成を彩った名車たちを大事に乗り継いできた小林さん。単なる懐古主義ではなく、自分だけの価値を見いだしながら愛車と付き合っているのは、やっぱりカッコいい。
特集「スタイルのあるクルマが欲しい。Old school,still cool.」